2019.07.21

今年も太宰の朗読

7月20日(土)  「第19回   太宰を聴く  〜太宰治朗読会」14:00〜     於・三鷹市芸術文化センター 星のホール(B列12番)

朗読/田中哲司

(第35回  太宰治賞受賞者  挨拶:阿佐元明「色彩」)

「恥」(昭和17年)ーー休憩ーー「グッド・バイ」(昭和23年)

 春ごろに来た三鷹の年間スケジュールに「太宰を聴く」がなくて、びっくりしたんだけど(そしていつもたいてい6月=桜桃忌の頃)、無事に開催されました。ま、6月に市長選があった、ということもあるのかも。そして、前市長時代にはあった市長挨拶もなくなって、太宰治賞受賞の阿佐さんインタビューのみでした。

  舞台の幕はしまったままで、インタビューはその幕の前で(今までと同様)。幕が開くと……おや。特に舞台装置めいたものはなくて、真ん中にパイプ椅子が一つ。そこに田中哲司さんが元気よく走って登場。白いシャツ、グレーのスーツに黒のネクタイをゆるく結んだスタイル。B4くらいの紙の束を手に、椅子に座って読み始める。

恥(バサッ……1枚目の紙を勢いよく床に落とす)

太宰治(バサッ……2枚目の髪を落とす)

その後3枚目からは本文なので、読み終わるたびに落としていく。立ち上がって、歩きながら、あるいは立ち止まって、読んでいく。舞台装置はないけど、効果音は時折入る。「恥」は和子という若い女が話している部分には雑踏の音、彼女が書いた手紙の部分は無音というように。いかにも、な若い女性の自意識が滑稽に受け止めらるけど、揶揄したりしてるわけじゃないんだよね。太宰は、などと思いつつ。

これが20分くらい。休憩の後の「グッド・バイ」が40分余だったのかな。休憩中にもあちこちに散らばっている原稿はそのまま片付けられなかった(ので、休憩中にみんな見に来てた)。そして次も同様のスタイルだから、どんどん増えていったわね。

このグッド・バイはKERA MAP で見てて面白かったものだから、ついついその時の仲村トオルや小池栄子を思い浮かべたりして。また、田中さんが、大食らいでカラス声(悪声)の美女キヌ子を読む時の声も面白かった。お芝居ではKERA さんが作って展開してたけど、原作は未完(女性の絵描きとその兄のあたりまで)。朗読を聴いてると、この作品の滑稽な部分が際立つのね。けっこう笑っちゃった。そして、あっ、もう手にしてる紙がないぞ、と思ったら「未完!」でオシマイ。

前半は気づかなかったけど、後半は左手の人差し指に黄緑の指サックが。

パンフのプロフィールに書いてあった映画やテレビはほぼ見てないんだけど(最近の「新聞記者」以外は)、舞台は全部見てたヨ!   また「浮標」みたいなのをやってほしいなぁ。

 

| | コメント (0)

2019.07.20

夏は怪談

7月19日(金)  「怪談 牡丹燈籠」19:00〜    於・三越劇場(10列20番)

(藤間勘十郎  文芸シリーズ  其の四)

作/三遊亭円朝    上演台本・演出/藤間勘十郎    出演/北村有起哉(伴蔵)、北翔海莉(お峰)、市瀬秀和(相川孝助)、舞羽美海(お国/お露)、我善導(志丈ほか)、三林京子(お槇)ほか

 有起哉くん出演なのね、と思いつつも、チケットを買うまでには至らなかった「牡丹燈籠」。少し(かなり)安く買えますよ、というお誘いに乗って出かけてみた。本日初日。確かに、平日夜ということもあるのか、1階後方にはかなり空席も。

 私は有起哉くんと、三林京子さんしかほぼ知らないけど、客層は……宝塚ファン、なんですかね?   開演前に顔を合わせたそのお客さんたちが「おめでとうございます」と挨拶しあってて、どういう人たち?と思っちゃった。たまたま開演前に、演出担当の家元をお見かけしたんだけど、開演したら横通路のすぐ後ろに座ってらっしゃいました。藤山扇治郎さんの姿も(でも実は、北翔海莉の読み方もわかってない私)。

チラシには「今回、三遊亭円朝の弟子として物語の進行役を北翔海莉が担い」とあったんだけど、最初に登場して前説を始めたのは、いかにも噺家っぽい風貌の我善導さん。あれ?代わったのかしらと思ってたら、北翔さんも出てきた。自己紹介?は「三遊亭円朝の弟子の、みっちゃんです」だったよ。

 上演時間、第1幕、伴蔵夫婦が新三郎を殺して出奔するまでが1時間、20分の休憩の後、栗橋宿の場、伴蔵が過去の人々の霊にとりころされるまでが1時間、という配分。新三郎の友人(飯島の家来)孝助と生き別れの母・お槇の再会もあって、かなりてんこ盛り。先の我善導さんが時折現れてはストーリー説明も。最終的に彼は6役演じてるそうで(おばちゃん役もあり)、早替りで息ハーハーの笑いも。

全体的に、笑いが多くて、元が落語だから?というところ。でも、笑いは少ない噺だよね。歌舞伎などで知ってるストーリーとはちょっとずつ違う。お露、お米が幽霊になった姿を見せるのではないし、新三郎を手にかけるのは伴蔵夫婦だし。そう、ドロドロな部分もあまりないのですわ。

というわけで上演台本として、話を追う部分はそんなに……というところかな。早替りや、客席に降りて一回り(2回)、だんまり(2回)、そして三味線や鳴物の音などなど、手法は面白かった。そんな中で、有起哉くんと三林さんが舞台にいると、明らかにギュッと締まる気がした。やっぱり、もっともっと有起哉くんを見なくては!

| | コメント (0)

2019.07.19

美術展にもチョコチョコ

7月19日(金)

「日本の素朴絵」展@三井記念美術館 →  「怪談牡丹燈籠」@三越劇場

 今日は大変効率的な動き。でも実は、三井記念美術館はふだん18時までやってると勘違いして(18時までは三菱一号館)、17日に国立演芸場からわざわざ日本橋に回ったのよね。着いたら閉館15分前。ガーン!    その時、金曜日は夜7時までですよ、と教えられ出直したというわけ。そんな騒ぎの後で、三越劇場に行くことを決めたから、これは一緒に行けということだわね、と。

 というのも、先月、目黒区美術館に行った時に、ついつい「ぐるっとパス」2200円也を買っちゃって、有効期間2ヶ月だから(そうなるだろうと思ってたけど)なかなか行けないもので……。しかも目黒や三井などはパスがそのまま入場券だけども、100円引きにしかならないとか(国立新美術館)、企画展の割引はナシ(国立西洋美術館)とか、うまくいかないのよねー。

 最近では、国立西洋美術館の「松方コレクション展」、国立新美術館「ウィーン・モダン  クリムト、シーレ   世紀末への道」展、目黒区美術館「世紀末ウィーンのグラフィック」展あたりには行ったんだけど、感想どころか行ったというメモ程度も書けてません。

 で、「ぐるっとパス」期限切れまであと2週間ほど。ほんとは来週、パナソニック汐留美術館(マイセンの動物)に行く約束をしてたのに、仕事の都合でダメになっちゃった。仕切り直して横浜美術館(原三溪展)には行けると思うけど、こちらは割引だから、うまみナシ。最後は、地元の神代植物公園とかでお茶を濁すかも……。

 というわけで、怪談牡丹燈籠の感想は、また後日(ほんとか?)。

| | コメント (0)

2019.07.17

国立演芸場でのどかに楽しむ

7月17日(水)  「国立演芸場 七月中席」13:00〜

D28700fae1e74b578cda19b4381c1ba9

開口一番(やまぶき・まんじゅうこわい)、市楽・芝居の喧嘩、おさん・猫と金魚、マジック(伊藤夢葉)、小三太・佐野山、南喬・家見舞ーー仲入りーー漫才(笑組)、蔵之助・蛇含草、物真似(小猫)、市馬・片棒

 少し暇ができた今日、家にいるのもつまんないしなー……。うまい具合に市馬師匠が国立でトリを取っしゃるので、行くことに。こういう時、パパッと指定席が買えるのはありがたい。

前座さんの噺の途中に団体さんがどっと入場したのでワサワサして気の毒でもあった。13時開演ってのは、番組表に名前の載ってる人からなわけで、前座くんはそれより早いんだものね。怖い物告白大会で、まんじゅうが出てくるまでが長かった‼︎

 市楽くんはさすがキャリア十数年、噺に入る前、いろいろと客席をあたためる。明るく元気いい高座でした。えーっと、特筆すべきは、お初の柳家小三太。しょうじき、ちっとも面白くない上に噺が破綻してるというか、最後までも行ってないんだよね。何を聞かされているんでしょうか、という感じ。で、最後に余興やります、と言って、ソ連の歌、韓国の歌……あ、ソレ(ン)ソレ、あ、コリァコリァなどなど。あっけにとられちゃったよ。いやー、芸人の世界は面白い(と思えるようになった自分を褒めたい)。

 南喬さんは、けっこう好きだし、安心して聞いてたわよ。ちょっとした仕草なんかも可笑しい。噺はウヘヘな「こいがめ」だったけど。張り出してあったネタでは「家見舞」となってた。

仲入りから後は、ゆったりと。笑組の漫才のスピード感はいいわね。そして、今年の花形演芸大賞を取った小猫さん。以前よりも自信に溢れたおしゃべりと鳴き真似。笑ったわー。

 そして白の着物に黒の夏羽織が涼やかな市馬師匠。片棒の中では、木遣りから始まって、一人お囃子(チャンチキ、ピーヒャラ、ずどどんどん)に、お祭りマンボ。何回拍手が起こったかしら。少し時間オーバーだったみたいで(←歌いすぎ)、ラスト端折った感もあるけど、いやー、満足でした。脱力のマジックも含めて、寄席らしい時間だったなぁ。

| | コメント (0)

2019.07.16

夏の風物詩*野外劇

7月14日(日)  「芙蓉咲く路地のサーガ」ー熊野にありし男の物語ー    19:00〜    於・花園神社境内特設ステージ

(椿組2019年夏・花園神社野外劇)

原作/中上健次    脚本・演出/青木豪   主題歌/山崎ハコ   出演/加治将樹、山本亨、栗野史浩、佐古真弓、石村みか、水野あや、外波山文明ほか

0328e4d28f26403a86b3e320e410d225

世の中3連休も、あまり関係なく過ごしてたんだけど、唯一、花園神社に出動っ。夏はこれでしょ……とはいえ、雨続きの今年はあまり気分が出ないのではある。ま、野外劇とはいえテントの中だから、雨に濡れる心配はない。自由席ではなく、何百円か高い指定席にて。あっ、大抵は一人で観劇してる私だけど、この花園神社に限っては同伴者求ム、なんだよね。

(今回、休憩込みで2時間半くらいの予定だったので、終演したらすぐ帰ることにして、開演前に随園別館にて水餃子と生ビールなどで景気づけしたのでした)

カラー8ページの立派なパンフレットをもらった。1ページまるまる相関図が載っている(演じる役者の顔写真付きで)。それがねー、34人もいるのよ。見ててもよくわからなかったけど、2日たつとさらにワカラン。でも、そこを劇中でうまく説明してくれる「生き字引」モンという存在(ご近所のオバちゃん)が、アイディアだわー。

浜村隆造(山本亨)というワルで女好きで、土建でのし上がってきた男の「長男」竹原秋幸(加治将樹)と、複雑すぎる血縁・姻戚関係に、浜村衆という落ち武者伝説?まで加わり、広がる広がる。でも、場所は、熊野の貧しい路地、なんだよね。ちょうど経済成長の中で、「綺麗に」なっていく直前くらいの。

 すんごくドロドロかと思ったら、そうでもなかったイメージ。中上健次から想像してた部分がふくらんでたのかなぁ。というか、底辺の人々だけれど、あからさまな差別はここでは描けないわけだし。

ストーリー展開の中で、男性ばかり7、8人かな、「コロス」として力強く語る場面が、何回かあった。ちょっと蜷川さんのギリシア悲劇を思い出したりしてたんだけど、パンフで青木豪氏(脚本・演出)が、「蜷川さんに捧げるオマージュ」として今回考えた旨、また中上健次の「秋幸」を主人公とした作品群は、ギリシア悲劇を意識していた、という話などが書いてあって、腑に落ちたのだった。

野外劇にしては、暑さが足りないこともあって、少しパンチ不足かな、とも思った。で、はー、これで終わりね、と思った時に、山崎ハコが登場して主題歌を歌ったのにはビックリだったよ。そこまで込みのエンディング。(しかし、山崎ハコって名前にはとても聞き覚えはあるのに、さてどんな歌を昔聞いたのか、ちっとも思い出せないよ)。

| | コメント (0)

2019.07.14

ギューギューの劇場で

7月10日(水)  「命、ギガ長ス」14:00〜     於・ザ・スズナリ(C列6番)

(松尾スズキプロデュース    東京成人演劇部vol.1)

作・演出/松尾スズキ    出演/安藤玉恵、松尾スズキ

 松尾スズキ氏は、去年芸能生活30年を迎えた(そういえば、そんな著書も出てたっけ)。今に至る人気の劇団を持っているわけだけれど、そこにはやはり大きな責任があるわけで……。今いちど、昔の楽しいだけでやってた時代を思い出す、「演劇部」を作ろう、ということで立ち上げたのだそうです。

 私が見に行くことにしたのは、安藤玉恵さんの存在が大きいのだけれど。スズナリへはちょうど開場時刻くらいに行った(劇場に近づいた、というのが正しい)。長蛇の列が見えて、まだ開場してないのかぁ、と手前の古書店にしばし。結局その列は当日券の人だったのでした。スズナリが狭いのはわかってるけど、前に花組芝居の時に作ってあった、真ん中あたりの縦の通路もナシ。最終的に、消防法、大丈夫?って感じのギューギューでした。この会場を選んだ時点で、そうなのよねぇ。でも、確かに部活の「演劇部」なんだ。

 開演前の諸注意アナウンスが吹越満(はじめに名乗る)。なぜかというと、劇中で効果音を担当してるからですよ!と。「例えば風の音とか、ヒュウ〜」。それが終わると、さて始まり。

 認知症の母親と、ニートな50男/その二人を撮影する(大学の卒業製作のドキュメンタリー)女子大生、その指導教授。というのが二人の役どころ。お墓の前(お墓があるわけではない)で、死んだ息子に語りかけるシーンから始まるのだけど、実は炊飯器に水をかけてた……。その二人を、撮ってるカメラがある。役がかわってその撮影する女子大生になった時には、カメラは「持ってるつもり」のエア・カメラ。これを開いたりするときに「ガシャ、カチッ」などなど、吹越効果音が入るのよー。

 徹底的にシンプル。要するに役者の身体だけがある、という状態。これはかなり好みなんだわね。もちろん、スズナリの狭さゆえの一体感もあるし。さらに、笑いのめしてるんだけども、8050問題やら、ドキュメンタリーとは?の問いかけもあって、ヒュルルルーって感じの屈折した笑いになっちゃう。

 スタッフ名などが、綱に短冊でつながって出てきたり(うまく言えない)、部活の手づくり感は最後まで。いま、こういうの作りたくなる、しかも自分でやりたくなる、という松尾スズキに、いままで若干引いて見てた私もちょっと近寄ってく感があった。

 

| | コメント (0)

2019.07.12

市馬落語集

7月9日(火)  「市馬落語集」19:00〜    於・国立演芸場(8列8番)

3c58ea0b4f3f42f78610fc15b9ef3cbf

開口一番(市若・初天神)、市江・熊の皮、市馬・がまの油、締め込みーー仲入りーー市馬・付き馬

 このところ、前座さんでは市若くんを聞く機会が多い。今日の「初天神」は、金坊がおとっつぁんと初天神に出かける道中からスタート。団子に行き着く前に、たこ焼きとか、いろいろお店が出てました。

 市江くんの出囃子に、笛が入って、あれ?   これは今高座を降りたばかりの市若くんが吹いてるのかなぁ。そして、市江くんはまるで前座さんのように、地味な着物だけ(後から師匠が「羽織を持ってくるのを忘れた」とバラしてたよ)。噺には、それほど笑いが来ず……。

 その後、上がった市馬師匠が「寒々しい噺で」「志らくのように、全員、前座に降格するか」みたいに言ってたっけ。市江くんってわりと柳に風のタイプだけど、頑張ってね。

 その寒々しさ(笑)を払拭するのが、この3席だったのかしらん。 どの噺のマクラだったか、昔の池袋演芸場の思い出話と師匠方の話題の時の、談志・高座すっぽかし電話「行かね」の声色とか、すごく似てるのよね。声の質は全く違うと思うのに。師匠小さんの家に泥棒が入った件は、締め込みのマクラだよね。どれも聞いたことはあるんだけど、新鮮におかしい。

「付き馬」は長らく聞いてなかったなー。「馬」でついてく若い衆(決して若くはなくても)が騙されてるとわかってるから、気の毒でねぇ。それでも朝の吉原浅草さんぽの道中を楽しみつつ。

 今は国立演芸場に定着してる市馬落語集、客席も年齢層が高めだったりで、落ち着いたゆったり感があるわねー。なんか、しみじみ笑いたい、というところかな。

 

| | コメント (0)

2019.07.10

歌舞伎座で疲労困憊、昼の部なのに。

 7月8日(月)  「七月大歌舞伎」昼の部  11:00〜     於・歌舞伎座(3階7列21番)

「高時」右團次(高時)、児太郎(衣笠)、寿猿(秋田入道)ほか  「西郷と豚姫」獅童(お玉)、歌昇(中村半次郎)、錦之助(西郷吉之助)ほか  「素襖落」海老蔵(太郎冠者)、友右衛門(次郎冠者)、獅童(大名某)ほか  「外郎売」海老蔵(外郎売)、堀越勧玄(貴甘坊)、雀右衛門(化粧坂少将)、魁春(大磯の虎)、梅玉(工藤祐経)ほか

 もともと、この日は昼夜通しでチケットを買ってたんだけど、夜の部は終演が22時近くになるということで、とても無理!と売ってしまった。夜の部が始まる前に、歌舞伎座のお稲荷さんの前で受け渡し!  やれやれ。でも、前日に雨の中サッカー観戦(席には屋根がついてはいるけど)したことなどで、思ったより疲れていたみたい。昼の部だけで、ぐったりしてしまった。

 ぐったりの素は、どれも眠かったことかな。眠いけど頑張って見てた、ちょっと質の悪い眠気で、スッキリできないの。4演目どれも、まあ他愛なくて、ほぉほぉと楽しめばいいはずなのになぁ。「高時」の天狗の踊りはもの珍しかったけども。

「西郷と豚姫」は以前の翫治郎のお玉がとても記憶に残ってて、そういえばその時の吉之助が獅童だったんだ。うーん、そっちの配役が良かった。もっとおかしくてホロリとするような気がしてた……。

「素襖落」は、こんなにテンポ速かったっけ、と戸惑った。私には狂言としての「素襖落」がきっちり残ってるってこと?  サラサラ流れていきましたです。

でも、まあね、今日の目的は「外郎売」でしょう。ここでバチッと覚醒してればいいわよね。カンゲンくん、花道七三から大きな声で、可愛い。あっという間に小学生なんだねぇ。この年頃の歌舞伎チビッコは人材豊富。いつまで見られるかわかんないけど、すくすく育ってほしいですわ。

ところで、今月は海老蔵奮闘公演、というのはわかってたけど、チラシを眺めてびっくり。どの演目にももれなく児太郎の名前が‼︎  えっ、夜の部もだ、と更に驚いた。歌舞伎座さよなら公演の頃を思うと、隔世の感、だわね……。応援してるよ。

| | コメント (0)

2019.07.08

初・Jリーグ観戦

7月7日(日)「FC東京vs.ガンバ大阪」19:00キックオフ (味の素スタジアム・バックスタンド上層自由席)

0bdabd8e943d4ed2bd98a0e588bc73e5

 自宅から味の素スタジアムの屋根は見えているのよ。でも、実際は遠いでしょ……と思っていたら、そうでもなかった。直線距離で2キロくらいかな。生まれて初めて、Jリーグ観戦に行ってきましたっ。夫がリタイア後の運動がてら、スタジアムに自転車で通ってるんだけど、たまには私もお付き合いということで。

 この日はあいにく雨。バスや電車ではかえって遠回りなので、やはり徒歩なのよ。少し寒かったけれど、用心して持っていったレインコートは不要。上の方からのんびり試合を見たのでした。

*レインコートは去年の秋、宮島狂言に備えて買っていたもの。結局、台風で宮島行きは断念したのでレインコートだけがむなしく残ってしまってた。また出番があるかなー。ま、備えあれば、だね。

スタジアムまでの道は、普段は通らないんだけど、そういえばこの辺りの民家に小型機が墜落したんだっけ。

530f9dae372e41548e24b14c4f9975be

この日は、ぴあdayということで、ユニホームが配られました。袖にぴあのロゴとセブンイレブンのロゴがついてる。入場者数は2万8000あまり。

今期好調のFC東京、この日も3対1で勝ちましたよー。とにかく初めての観戦なので、何もかももの珍しいといいますか……。

それと、昔、一度だけ国技館で相撲を見た時にも思ったんだけど、テレビのように、さっきのリプレイをスローモーションなどで映してくれるわけではないから、「あれ?今のはどうなったの?」が多くて。

次はもっと天気のいい日に行ってみたいぞ。あ、今年はラグビーW杯もここで開催されるんだっけ。地元盛り上がりは今ひとつかも。

| | コメント (0)

親の幸せ、子の幸せ

7月7日(日)  「ぼけますから、よろしくお願いします。」10:00〜   於・下高井戸シネマ

監督・撮影・語り/信友直子、2018年、102分

0a767922d0ad486290ad5476ad2b3933

広島県呉市に二人で暮らす高齢の夫婦を、東京に住むひとり娘の信友直子さんが撮ったドキュメンタリー。単発のテレビドキュメンタリーとして放映された後、追加取材と再編集を経ての完全版。

父は1920年生まれ、母は1929年生まれだから、私の両親とほぼ同世代と言える。ずっとドキュメンタリーを制作してきた直子さんは、母親がアルツハイマー型認知症と診断される前から、カメラを回してきた。だから、元気だった頃(70代かな)の、書道の作品展で表彰される生き生きとした姿も映っている。また、直子さんが45歳で乳がんを患って手術する前後の病院での様子や、抗がん剤の影響で髪が抜けてしまった姿もさらけ出している。その上で、母が徐々に記憶が怪しくなっていき、診断がついて、でもその後も老夫婦二人だけで暮らしていく日々が描かれている。

これ、前にポレポレ東中野で見た友人に、ぜひ見て!と勧められていたこともあって、少し軽い気持ちで見ることに。どちらかというと、私も最近、固有名詞がなかなか出てこないしな、くらいの「自分」に引き寄せた部分があった。けれども、広島の言葉は岡山に近いこともあって、どうしても自分の両親のことを思ってしまった。

 母親が認知症と診断された時には父親は90代の半ば(耳が遠い)。それでも、東京で頑張る娘には帰って来なくていい、自分たちで頑張ると言い、ギリギリまで公的な援助も断って「自分たちでやります」というのを貫いていた。だんだん病状が進んで、洗濯や炊事ができなくなってからは、父親が95歳にして包丁を握って林檎を剥き、裁縫(掛け布団の襟つけ)までする。ほんとに穏やかないいお父さん(活字の虫)なんだけど、「死にたい」などと口走る妻に、つい大きな声を出すことも……。

この年代の人って、ほんとに「人さまに迷惑をかけたくない」「自分の子供の負担になりたくない」という気持ちがとても強いんだと思う。この両親にとって、娘はほんとによくできる自慢の子(東京大学の入学式写真が映った)、キャリアを潰させたくはない、自分たちが頑張るんだ、というのがひしひしと伝わってきた。

老親の介護問題は、ほんとに人それぞれで、どれが正解というのはないと思うけど、私も親には少しでも自宅で長く生活してほしかった、という気持ちはある。けれども、遠く離れている自分がそれを主張できないし、万一押し切ったらそれこそ姉妹の間に亀裂が入るのは必至。事情はそれぞれだもんね。

などなど、時にコントのようにもなる夫婦の会話に笑ったりしつつ、主に娘の気持ちでスクリーンを見つめ、そして自分の親のことも思ったのだった。

| | コメント (0)

«六本木の一日