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2004.10.05

「心中天の網島」(流山児★事務所)

10月5日(火)19:00~  於・本多劇場

篠井英介の演出・出演ということで、公演を知った半年ほど前から楽しみにしていたもの。ただし、流山児★事務所の芝居は一度も見たことがなくて、ちょっと不安でもあった。

「心中天の網島」といえば、近松の心中ものの一つだけれど、チラシでは洋装。?? これに関してはパンフレットの篠井さんの言葉「着物を着こなし、近松の台詞をいうことだけですっかりエネルギーが使い果たされ…洋服でのびのび演じて頂ければ」ということのようだ。
ただしプロローグに相当する、心中もの流行のきっかけとなった、「曽根崎心中」のお初(篠井)・徳兵衛(甲津拓平)は着物。すらっとした篠井さんの着物姿はとても艶やかだった。で、この二人の幽霊が「自分たちが心中をはやらせたことになって、成仏できないから」と近松(流山児祥)に心中ものを書かないでほしいと頼みにくるのが発端。そこへ「またしても心中が!」との知らせが。

ここから洋装の、紙屋治兵衛(若杉宏二)、遊女小春(七瀬なつみ)他の、「心中天の網島」へ。う~ん、頑張って着物がよかったんじゃないかなあ。だって洋服に脇差しを差してもねえ。というか中途半端? 随所に流山児さん(確かにアニマル浜口のよう)が歌いながら登場して、事務所20周年記念作でもあるし、ある意味、彼の舞台なんだ!
七瀬なつみは以前、南果歩と共演した「アンコントロール」を見たことがあったけど、今回の方が彼女には合ってるような気がした。勿論花があり、表情も自然。七瀬は、治兵衛の妻おさんとの二役。河庄の場から治兵衛宅への場面転換の間に、20周年の口上があり楽しかった。

全体として少し冗長に感じるところもあり(近松に心中物を書くよう言いにきた竹本座の手代など)、淡々とした印象で終わってしまったかも。ただ、最後に治兵衛が小春を刺すシーンで、「お前のせいで」という憎しみを現し、そして自分を刺して「痛い」とのたうちながら死ぬところ、そもそも成仏できないと訴えるお初徳兵衛など、決して死は甘美なものじゃない、というメッセージだったのか、と……勝手に思っている。
あ、音楽がとてもよかった。三味線や柝も入ったけれど、治兵衛・小春の場はシンプルなピアノ。

そういえば4月には「新・近松心中物語」を見ていて、少しだけそれ(お亀と与兵衛の川べりのシーン)が甦ってきた。

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