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2004.10.24

劇場で出会った人(1) 地震の記憶

10月23日夕刻から、新潟地方に震度6強の地震が何度も発生。ちょうど会社(5階)で仕事中の私も、ちょっと酔いそうな不気味な揺れを何度も感じたのだが、震度3程度だったのか? たてつづけに大きな台風に襲われているのに加え、大きな地震で、なんだか言いようのない不安を覚える。

それで思い出した、というよりは、実は折にふれて思い出していることなのだが、10日に松竹座に行ったおり、隣にすわった品の良いおばさまから「阪神大震災のその後」を聞く機会があった。どうしてそんな話になったのか、よく覚えていないけど、たしか「地震以来、気持ちがふさいで」と仰ったのがきっかけだった。まもなく10年を迎えようとしていても、なお?と聞いていると、その方は被害甚大だった東灘区で、無事に家は残ったものの、とてもつらい思いをされたらしい。というのも、家が残ったら残ったで、やっかみなどを受けたりして、その部分で絶望的な思いをされたようだ。「大きな声で訴えられない」つらさ、とでもいうようなもの?
その気持ちは、とてもよくわかるような気がした。「自分よりもっと困っている人」の前で、自分の言葉も飲み込んで、抱え込んでしまったまま、ずっと過ごされたのだろうか。「人間のイヤな面もいっぱい見ました」と短く仰ったのだった。

震災を経験した人にとっては、ほんとに「過去のこと」じゃなくて、今に続く出来事なんだ、と思った。その方は歌舞伎よりもクラシックなどへよくお出かけのようだったが、いろんなことから「エネルギー」を吸収して、またあちこちの劇場に出かけてほしいと心から思う。
そして、外見(化粧や服装)はとてもシンプルなのに、ほんとに素敵な方だったから、やはり内側から滲み出るものは確かに大きいのだと実感。十数年後には私も!? ちなみに、先代仁左衛門のお子さん(って?)と小学校が同級だったのだそう。

酔狂にも大阪まで出かけたおかげで、こんな幕間を過ごすことができた。・・・だから、これからも!

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