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2004年11月

2004.11.29

「第100回ミックス寄席 桃白鳥」

11月28日(日) 19:00~ 於・ティアラ江東

♪三遊亭白鳥「トキそば」 昔昔亭桃太郎「愛妻物語」
  (仲入り)
♪白鳥「?」 桃太郎「お見立て」

会場は新宿線住吉駅そばの「ティアラ江東」。実は十数年前にしばら~くこの近くに住んでおり、ちょうどティアラ江東(当時はこの名前ではなく江東区文化ナントカ)を建てかえる、と言っていたのを覚えている。目の前の「猿江公園」は、幼稚園時代の息子が飽きるほど通った場所。懐かしい! が、懐かしさに浸る時間はなくギリギリにあせって入場した。なので開口一番の喜太郎さん「饅頭こわい」はちゃんと聞いていない。

白鳥さん、桃太郎さんともに、「万人受け」はしないタイプかもしれない。見た目からして!?(失礼)。でも、破壊的におかしい白鳥さんと、いわく言い難い味のある桃太郎さん。よくもまあ、このお二人の会を! と思ってしまいますよ、ミックス寄席さん。
というわけで、私としてはいつも聞きたいと思いながらなかなか機会のない白鳥さんの2席を特に楽しみに出かけた。二人とも「古典と新作1席ずつ」とのことだったが、「トキそば」はやっぱり白鳥さんの新作でしょう。彼の「富Q」もそうだけど、古典を下敷きに「貧乏、地方出身、時事ネタ」などの白鳥ワールドを展開して、よくこんな噺が作れるなあと感心してしまう。今日は「座布団こね」=蕎麦生地に見立ててこねたりたたいたりする(→でもこれって、ウドンの感じかも)も初めて見た。後半の新作は、一度聞いたことがあるのだがタイトル不明。貧乏な3人が歌舞伎町の会員制クラブでタダ酒を画策するストーリーなのだが、これまた実に良くできた噺で、爆笑の連続だった。

桃太郎さんを聞くのは2回目。前回の不思議な古典「寝床」で慣れていた(?)ので、桃太郎流「お見立て」も楽しかった。ただし、(昔のこととはいえ)買春ツアーのマクラは、不快。民族とか女性とかに関して云々、ということを抜きにしても。

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2004.11.26

仕事の前に、一芝居? 「葛の葉」を見る

11月25日(木) 幕見「葛の葉」 於・歌舞伎座

今日から仕事が遅めのシフト。その初日=まだ元気、しかも夕食の準備は不要=時間に余裕がある、という2条件が揃ったものだから、いそいそと歌舞伎座へ。10分くらいは並んで待ってたかなあ。結果的には、余裕で座れたしギリギリでも全くOKだったけど。家族のこと(食事とか)など気にせずに、趣味に邁進できてる風な(?)諸氏諸嬢が羨ましくもある<はい、八つ当たりです。
2時出社じゃなくて、4時出社ならば、前回惨敗した「関の扉」に再挑戦できたのに、そこまでは望めず・・・。全くのフリー労働者になろうかな。

さて、今日はこの前は忘れてしまった双眼鏡を持参したおかげで、鴈治郎が障子に書く和歌もよく見えた。傍で実際にどのくらいの大きさなのか見てみたいくらい。左手で書いたり、裏文字だったり、口にくわえた筆で書いたり・・・それが、とても綺麗な字だし、「風景」としてバランスが取れていて、「注文通りに」感心してしまう。基本的にはあまり双眼鏡は使わずに全体を見たい(遠い席でも)、と思っているのだが、まあ時と場合によるということに。そして、やはり「子別れ」にはジーンとしてしまう。

見終わって、銀座一丁目から地下鉄に乗るはずが、銀座駅で妥協(道に迷いそうだったから!?) 。でもおかげで小春日和の弁慶橋あたりを散歩もできて、よい一日(嵐の前のやすらぎ?)なのだった。
ただし、せっかく歌舞伎座に行ったのに、電話予約してある来月の切符を受け取るのをすっかり忘れていた。このまま忘れてしまいそう・・・。

【追記】↑私が散歩した数時間後にニューオータニ前を通った人から「ヨン様はここに泊まるの? オバサンがいーっぱいいたよ」との報告が。成田に到着した日なのでした=翌日ファンが怪我をした。

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2004.11.21

「The 能」と「奈良美智個展」

来年のことを言うと、鬼が笑うか・・・?
お芝居のチケットなど、来年の2月、3月のものが普通に売られてるけど、さてどんな日々を(特に4月以降)過ごしているのやら。ちと不透明ながらも、取りあえず買っておかなくっちゃ、かなあ。「観世九皐会」の定例会は、半年分買ってしまったので(まず半年は頑張ってみる、ということで)、手帖のカレンダーには早や6月まで印をつけている。

で、最近見つけた来年のお楽しみギャラリー
・「The 能」能装束や能面がたくさん見られそう。大倉集古館と泉屋博古館で同時開催とのこと。1月2日~3月13日。岡山の林原美術館は池田家の能装束をたくさん持っていると思うのだけど、地元にいた時には全く興味はなかったんだなあ。まあそんなものか。

・奈良美智さんの個展(巡回展)が出身地・弘前の吉井酒造煉瓦倉庫にて。4月16日~5月22日。おやまあ、東北にはとてもいい季節ではありませんか! 以前、夏の暑い盛りに、この吉井酒造煉瓦倉庫に行き、その足で、夜行に乗って大阪天保山の「THE ドラえもん展」に行ったことを思い出した(ルートの企画者は鉄ちゃん息子)。真冬の地吹雪の津軽(わざわざ斜陽館に行った)と真夏に行ったことはあるのだから、今度は春だよね、やっぱり! とすっかり行く気なんだけど。

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白金台、広尾経由で、黒門亭

11月20日(土) 「黒門亭 夜席」 18:00~ 於・黒門亭(上野)

♪前座(花ごめ)「小町」 ♪金原亭小駒「四段目」 ♪古今亭菊生「鮑のし」
♪柳亭市馬「味噌倉」 ♪橘家蔵之助「異国の丘」

晩秋の穏やかな午後、友人と
目黒駅(白金台・時代布池田)→広尾界隈(むら田染色ギャラリー・・・東京女学館、日赤、広尾ガーデンヒルズ横・・・衣裳らくや)と、うろうろしながら、最後に辿り着いたのが「黒門亭」とは!!
しかも、ほとんど落語が初めてというこの友人を誘ったら「行く!」とのことではあったが、鈴本でもなく黒門亭でほんとによかったのか。いや、今日の眼目は、「落語を聴こう」ではなくて「市馬落語を聴こう」なんだからね~。つきあってくれて、ありがと。

今日の収穫その1は、小駒さんの「四段目」。多分いままで聴いたことのない噺家さんだと思うが、マクラを聞いていると、芝居が好きで、歌舞伎だけじゃなくて小劇場などにも行ってるとのこと。国立劇場には今度の月曜に行くそうだ(←私も少し興味はあったのだが、行ける日がなくて残念)。そんな彼に、忠臣蔵四段目、塩冶判官切腹の場の芝居がたっぷり出てくるこの噺はピッタリじゃないか! かなりキャリアもある二ツ目さんなのかな。何も知らないのだが、感心して応援したいという気になった。

そして、市馬「味噌倉」が収穫その2。今回はネタ出しで、予めこの噺ということがわかっていたから、是非とも聞きたかったのである。その癖、始まったときには、どういうわけか「鼠穴」と頭の中でごっちゃになっていて、我ながら呆れてしまったのだが。
黒門亭ならでは、だと思うが、特に長講と銘打たずとも、長講なのが嬉しい。今回も、ケチな味噌屋の主人が、奥さんの実家へ赤ちゃんが生まれたお祝いに出かけるまで・・・大変なケチで、奥さんもいらないと言っていたのに、結婚して子供ができるまで・・・が、丁寧に演じられて、今までこの部分は聞いたことがなかったと思うので、へええと感心しながら聴いたのだった。このあたりで、これでもかというくらいの「ケチぶり」と、でも可愛いじゃんという部分があるから、後がより面白かったのだと思う。
そして、まさか今日も歌が聴けるとは思わなかったのに、「磯節」も聴けた。ケチな主がいない隙の宴会は、ほんと大盛り上がり! 豆腐屋が田楽を持ってきたところで、ああもう終わりかと残念になってしまった。

蔵之助「異国の丘」は、新作ではなくて初代金馬の噺とのこと。本当は題は別にあるのだけど(まんまサゲだそう)、ネタ出しの場合、それじゃまずいからと「異国の丘」に。うーん。あんまりトリの噺って気はしなかったなあ。

とにかく友人も楽しんでくれて、ほっ。私が別に何も言わなくても、市馬師匠の羽織を脱ぐしぐさの美しさなどに、惹きつけられていたようだった。しかし、いつもながら、畳に座って2時間半はつらかった。

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2004.11.18

市馬日和の落語集

11月18日(木) 「鈴本特選会 市馬落語集」 18:00開演 於・鈴本演芸場

市馬日和というのは、当然、雨ってことで。暴風とか雪じゃないのが物足りない? 18:00開演には勿論間に合う筈もなく、師匠の一席目「阿武松」が最初から聴けたからそれで充分・・・だったが、なんと最前列のど真ん中の席に入れてもらえて、そんなところで聴いちゃったんである。

♪柳亭市馬「阿武松」 ・・(仲入り)・・ ♪太神楽(仙三郎社中) ♪市馬「三軒長屋」

九州・奄美・与論などを2週間以上巡業してきたばかりの師匠は、意外にも日焼けしていなかった。羨ましい。「阿武松」では呼び出しや「相撲甚句」に、まさに聞き惚れる。阿武松を助け応援する、宿屋の主人の「人間的大きさ」が感じられて、後味がよかった。ただし、どうも相撲自体が好きじゃないのは、いかんともしがたい私。

「三軒長屋」を生で聴くのは、全く初めてだと思う。他の噺家さんでも聴いてないし、持ってるCDはもっと短いバージョンなので、こういう噺だったのか、と。鳶の頭に鉄火な女房、若い衆、与太郎、お妾さんとその旦那(隠居)、女中、剣術の先生と、まあ色んな人が出てくる。それぞれの人物の描き分けがさすがだったなあと、いま改めて思い返している。

久しぶりの落語を堪能して、某誌の「“大型”落語家」という表現を思い出した。勿論外見的にもそうだけれど、まっすぐな心持ちの大きさ、みたいなものをつくづく。今さら屈折しようもない(? ご本人の実際はわかりませんが、伝わってくるものは)でしょうが、いつまでもまっすぐな大らかさを感じさせてほしい。

追記☆終演後、熱心な大阪のファンSさんとお茶しながら喋ったものだから、やや熱気が伝染した記述になったかもしれない。でも、言葉に表しがたい「揺るぎなくて、あたたかな」落語空間なのだった。

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2004.11.14

『SPT 01』

book01.jpg 

昨日、シアタートラムで入手した、パブリックシアター刊の雑誌。リニューアル創刊号である。錚々たる書き手の、あれもこれもが興味深くて、嬉しい!! 特に、萬斎+永井愛+松井憲太郎、宮沢章夫+松尾スズキ、の2つの対談が目をひくが、ほかにも
外岡秀俊「日英文化フュージョンの到達点」では、「エレファント・バニッシュ」を中心に、ケント版「ハムレット」や、野田秀樹の「赤鬼」にも触れており、今の私の関心にピッタリ。
また、「MANSAI 解体新書伍」で語られたことが、公演記録として採録されていて、もう有り難い。

これで1000円だというのだから、驚きである。早く次号も出してね。・・・と、ワガママもここに極まれりだけれど、ほんとパブリックシアターを応援しちゃうぞぉ。


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2004.11.13

「見よ、飛行機の高く飛べるを」

11月13日(土) 14:00~ 於・シアタートラム

♪作/永井愛
♪演出/アントワーヌ・コーベ
♪キャスト/井川遥(光島延ぶ)、魏涼子(杉坂初江)、伊勢佳世(木暮)、笠木誠(新庄)ほか

♪う~む、ちょっと頭イタイぞ、風邪かなあ、それとも芝居のせい? と思いつつ帰宅して夕刊(朝日新聞)を開いたら、ちょうど劇評が載っておりました。影響されそうだから、ちゃんとは読んでませんが。

様々に意欲的な試みを続ける世田谷パブリックシアターの、「レパートリーの創造」シリーズ第1弾。永井愛の戯曲を新たな演出で上演するというもので、今回の演出はアントワーヌ・コーベ(仏)さん。すでに「時の物置」を江守徹演出で見ており、その意味では第1弾の2作め、ということになる。この芝居自体、私は全くの初見。

さて。極力色を排したかのような舞台である。白木の床や椅子、女学生たちの生成のワンピース&ケープなど。その中で、「進歩的」な女教師・安達のエンジのワンピースや、体育教師(?)のズボンが印象的ではある。意味はやっぱりあるんでしょうねえ。

出だしから、すごく不思議な長い間があったり、ゆっくりした台詞回し(全員ではないけど)など、ちょっとどうしたらいいの?と思いつつも、だんだん慣れてきた。しかし「無音状態」がしばしば出現して、それが私にとっては過剰な緊張感に繋がってしまったように思う。
女学生や舎監の先生など女性はまあよかったんだけれど、青田・中村という2人の男性教師の台詞や動きが、どうしてもダメというか、どう受け止めればいいのか困ってしまった。このあたりが、フランス人の演出からきているのかどうか。

井川遥主演ということに、引いてしまう人もいたかもしれないが、私はけっこう好きなんである。もっと不安な出来かと思ってたけど、そんなことはなかった。個人的には、途中で退学させられちゃう木暮役の伊勢さんに注目。

学校と戦っていた延ぶと初江が別々の道を行く(というか、初江が飛ぶのだが)最後の場面で、初江役の魏さんが舞台から降りて、客席の椅子の間を最後列まで昇って行った。それが席番11と12の間だったものだから、12の私も彼女に手を貸すことになり、びっくり!だった。

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2004.11.09

「葛の葉」を堪能した、歌舞伎座の昼

11月9日(火) 吉例顔見世大歌舞伎・昼の部  11:00~ 於・歌舞伎座

♪箙の梅
♪芦屋道満大内鏡 葛の葉
♪積恋雪関扉
♪松栄祝嶋台 お祭り

最近は代休と言えば寄席に行くことが多かったのだが、とある事情により、今月は歌舞伎に。3階の第3列、左から3番目の席である。実は1週間前に予約したときから、左の2席と後ろは空いており、身を乗り出してもOKだし結構気楽な観劇であった。しかも最近は(歌舞伎座では)迷惑な客に閉口することがままあったが、それもなくて、ゆったり観られた。

一応目当ては「関の扉」であったが、昼食後でしかも「葛の葉」でかなりエネルギーを使った後でもあり、あぁぁ意識が飛んでいる。踊りの「よさ」がわからないんだ、私にはまだ。しかも私の周りは途中ほぼ全滅と言ってよいほど←どこを見てるのか。でも福助さん登場からは、しっかり観た(って、時間的には僅かかな)。・・・富十郎丈の若々しさを喜ぶ。
「関の扉」の代わりと言っては申し訳ないが、鴈治郎丈の「葛の葉」にはもう大満足。2役の見た目の楽しさや、障子に和歌を書くときの「技」、道行の場の美しさなどなど、これぞ歌舞伎を観る楽しさよ!
そして、「動物と子供には勝てない」というのはCMの世界だけではないようで、「豆松嶋」千之助くんの初舞台で楽しい締めくくりとなった。結構ちゃんと踊ったり、口上があったり、ほんとに伝統芸のおうちのお子さまは、大したもんだなあ。最後は花道からおじいちゃまにおんぶされて入る演出。

「関の扉」「お祭り」では、私の少し後ろで大向こうの声がかかり、なかなか歯切れよくて、さすが! と感心した。特に「お祭り」はもうパワー全開というところで、幕があくとすぐ「延寿太夫!」と清元に声がかかってびっくり。そのあとも「おめでとう!」「豆松嶋!」などなど、私も気持ちよく楽しんだ。

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2004.11.07

谷中散歩:「暮らしの中の人形遊び展」

11月7日(日) 「暮らしの中の人形遊び展」 於・すぺーす小倉屋

市馬師匠ファンつながりの若い友人(一応我が妹分)が、趣味で作っている縮緬人形の作品展へ。場所は前回と同じで、谷中の‘昔は質屋だった’というギャラリー。昔のままの建物で、ほんとにお人形にはピッタリと感心する。
一口に人形遊び展といっても、「創作抱き人形」「人形の着物」「創作縮緬人形」のそれぞれで、3室に分かれており、大きさもテーマも様々。友人は2作品を展示していたが、中でも人差し指ほどのサイズのペアの人形(天使?)が可愛かった。しかも! この1月に私が京都へ行ったとき、お土産に買ってきた古布を使ってくれていて、わ~い、と感激したのだった。
お人形はどうしても作り手が反映するんだと思う。とてもふんわりしていて愛らしくて、心が和んだ。と同時に、いつもバタバタごちゃごちゃ暮らして、あらゆる事物を「消費」するのみの自分にグッタリ。

お人形を見たあとは、秋晴れの下、谷中散歩を楽しんだ。近くの「朝倉彫塑館」は、ほぼ20年ぶりくらいの再訪である。曖昧な記憶の中では、池のある中庭と屋上庭園のみがクローズアップされていたのだが、彼の作品群や収集品なども、こんなにあったのかと驚く(当たり前なんだけど)。でも、今回のビックリは、高い天井まで本棚が作りつけられた書斎。いいなあ、こんなお部屋!
屋上から見える風景も楽しんだが、池之端のヘンテコな形のホテルは、こうして見ると一段と醜悪だった。

谷中銀座の散策をしつつ帰途につく。谷中自体がいつのまにか観光地になっていたんだなあ、という感じ。途中、「向島名物 きびだんご」の幟をたてた屋台に出くわした。興味はあったんだけど、買わないとわかっているのに冷やかすのも、と思い、横目で眺めただけ。こういう時、甘い物が好きな同行者がいてくれれば!

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2004.11.06

能装束は楽しい

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調子に乗って、またもや写真をアップ。日曜日の「観世九皐会 別会」で購入したもの。一緒に、演目にちなんだ和菓子も売られていたのだけれど、甘い物には目もくれず・・・。
(「道成寺」にちなんだ日本酒でもあれば買ったかもしれないなあ)

代表的な30の演目について、写真をふんだんに盛り込みつつ、衣装の専門家と演者の双方が解説する、というスタイル。帯に「こんな本がほしかった!」とあるとおり、能初心者には嬉しい一冊で、なおかつ、それを抜きにしても目で楽しめる。
これからは、ちょっと意識して美術館などで「能装束」を見たいと思う。

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これが噂の(?)、純米吟醸「新・明暗」(佐々木酒造)

劇場や美術館に行くと、つい何か一つ買ってしまう私ですから・・・。

nitosya01.jpg

やっと写真が撮れました。これで安心して飲めます(笑)。
実は特製の升もついてるんだけど、うまく撮れなくて。

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2004.11.03

「新・明暗」(二兎社)・・・予習は半分!

11月3日(水・祝) 14:00~ 於・世田谷パブリックシアター
♪作・演出/永井愛
♪キャスト/佐々木蔵之介(津田)、山本郁子(お延、清子)、木野花(吉川夫人ほか)、下総源太朗(小林ほか)、小山萌子(継子、秀子ほか)、鴨川てんし、中村方隆、土屋良太

「漱石未完の絶筆・現代劇版 待望の再演」(チラシより)ということなので、この機会に未読だった「明暗」を読んでから劇場に行こう、と思っていたのに、時間切れ。半分近くまでは読めたんだけど。まあ永井愛・作のお芝居なんだからいいか、と切り替えも早い私。

ロビーに入ると、いつものように永井愛さんの著書などが売られていたが、そのほかに「新・明暗まんじゅう」と「新・明暗」ラベル(出演者のサイン入り)の日本酒もあって、おぉっ!だった。日本酒は京都の「佐々木酒造」製、ということは、佐々木蔵之介さんの実家なの? 勿論、日本酒1本購入。あ、非戦Tシャツと地震の募金箱もアリ。

芝居は、まず診察室のシーンから。いきなり「やっぱり穴が腸まで続いているんでした」という、漱石「明暗」と同じ始まりに、おや!と思う。設定は現代(津田は商社マンだし、津田父は官僚からゼネコンに天下り、延子の父がハム会社。オペラを見に行くなどの設定)だけれど、ストーリー的にはかなり原作に忠実なんだな、と、半分の予習ながらよくわかり、がぜん先が楽しみになった。
最初のうち、舞台装置:津田は同じ場所にいるのに、その内側のターンテーブル(?要するに床がぐるりと回転する)に乗って、ベンチ(病院の待合室)やダイニングセット(津田のマンション)等が現れて、場面転換される、が目まぐるしくてちょっとなじめない感もあった。しかしこの多用は最初だけで、つまり人間関係などの説明の意味もあったようだ。後にこのターンテーブルはうまく使われてる、という感覚に変わった。また舞台自体、シンプルなセットながら、2階部分と1階部分が同じ建物としてではなくストーリーの重層的な場面を担うことになっており、その点が視覚的にも面白かった。

主演の佐々木蔵之介を見るのはこれが初めて。やっぱり痔瘻病みの役ではあってもカッコイイ(笑)。でも一番感心したのは木野花かなあ。貫禄たっぷりの吉川夫人は、デフォルメされてるんだけどイヤミじゃないし、もう一役の温泉宿の客では、ガラッと雰囲気が変わってなお達者。やはりこういう役者の巧さによって芝居は決まるんじゃないか、と改めて思う。そして、永井愛作品ではお馴染みの小山萌子も、ウブな継子としっかりものの秀子を面白く演じ分けていた。
その後のトークでも話題になった、一人世界の違う小林(ドストエフスキー的世界の住人)については、「ブルジョワ」などの台詞にちょっと違和感もあったのだが、後半の、あたかも津田の「心象風景」「影」のような現れ方がなんだか重く(褒め言葉)、今も残っている。・・・「津田、俺は寂しいよ!!」
あ、ブルジョワという語もちょっと、だったけど、「お延」はどうしても延子じゃだめだったのかなあ・・・。

♪終演後、20分ほどの休憩の後、ポストトーク。夏目房之介さんと永井愛さんに、聞き手は藤本由香里さん。永井愛さんが、高校時代はともかく(授業で読んでとてもつまらなかったとか)、大人になってから「面白がって」この「明暗」を読んだことがよく伝わってきた。読んでいる最中の私は、さて、そんなに面白がっては読んでないんじゃないか。水村美苗「續・明暗」についても触れられていたが、「明暗」読了の暁には、これも読みたいものである。

休憩込みの上演時間3時間少々という長さを少しも感じさせない面白さだった。ポストトークが終わると6時20分くらい。満足感いっぱいで世田谷線に飛び乗った。

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2004.11.01

「観世九皐会別会」・・・さて我が「能力」は?

10月31日(日) 「観世九皐会 先代追善別会」 12:30~ 於・国立能楽堂

・連吟「松風」
・連吟「遊行柳」
♪能「檜垣」 シテ観世喜之 ワキ宝生閑
♪狂言「泣尼」 山本泰太郎、山本則秀、山本則俊
・仕舞「實盛」「隅田川」「西行櫻」「山姥」
・仕舞「景清」
♪能「道成寺」 シテ古川充 ワキ森常好

同僚が、観世九皐会の月例会を見に行っている縁で、前々からチケットの手配を頼んでいた。寝ないで見られるのか?というレベルの私には、ハードルが高すぎると思いつつも、果敢にチャレンジ!
とはいえ、12時半開演で、休憩は合計25分、終演予定が17時45分(結局18時10分過ぎ終演)だったから、ほんとに見る側のエネルギーも相当なもの・・・「能体力」→「能力」といつも言っているのだが、金曜まで深夜残業の身で、予習もあまりできず、不安な気持ちで足を運んだのであった。

ちょうど1週間前にも、同じ国立能楽堂の「万作を観る会」を見たのだが、比べるとやはり若い女性の比率が圧倒的に低く、その分、年輩の男性が多い。しかも謡の本を広げている人がそこここに。

♪なぜ、この会に行きたかったのかといえば、「道成寺」を見てみたかったから。当日のプログラムにも書いてあるが、シテ古川充さんはこれが初演、「能楽師」としての登竜門なのだそう。
何もない空間に鐘が運ばれ、つり下げられ、という所からして、目を奪われてしまう。そして「乱拍子」の緊張から「急之舞」「鐘入り」へ、自分が一体化でもしているかのような形容しがたい感覚に襲われた。中でも不思議なのは、(それほど長くは感じなかった乱拍子からの流れで)シテが前を向いてうつむいたときに笑った? と思い、次の時に横を向いて、ほんとにキッという鋭さを見た瞬間に、鐘入りに移っていったということ。たぶん分析でもすれば、鼓や太鼓などの要素があるんだろうけれど、あの場面はきっと忘れられないだろうな。

♪山本家の狂言は本当に久しぶり。こういうリズムの喋りだったっけ?と最初は違和感を感じつつも、直線的(たたみかけるような)とでも言うのか、シンプルな強さのある狂言なのかも、と思った。

♪「檜垣」こそ、まさに大曲だそうで、当代の観世喜之師にして「披き」の日なのであった。初心者にはツライのではという当然の「予言」もあったのだが、2時間よく頑張りました<自分。
何年後かには、「道成寺」ではなくて「檜垣」に心を寄せるのであろう私の姿も、見えるようではある・・・。


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