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2005年1月

2005.01.24

今年は満足、浅草歌舞伎

1月23日(日) 15:00~ 「新春浅草歌舞伎 第2部」 於・浅草公会堂

(お年玉=年始挨拶、門之助)
「御所五郎蔵」 獅童(御所五郎蔵)、愛之助(星影土右衛門)、亀治郎(甲屋女房郁)
「鏡獅子」 七之助
「恋飛脚大和往来 封印切」 愛之助(忠兵衛)、亀治蔵(梅川)、男女蔵(八右衛門)、門之助(おえん)ほか

去年は、これは面白い(カッコイイ)というのがなくて、今年行こうかどうしようか迷ったのだが、浅草観光も含めて友人と楽しむ、ということで、3年連続で1月の浅草歌舞伎へ。

結論から言うと、ほんとに満足しました! それは第一に、愛之助さん。封印切の忠兵衛は、すごい熱演だったと思う。ちなみに第1部は「成駒屋型」で、私が見た第2部は「松嶋屋型」で演じられた。・・・って、封印切を見るのは初めてで、どうしても「新 近松心中物語」の阿部寛の忠兵衛が浮かんでしまう私だったが。
最初はけっこう、軽くておかしい忠兵衛なのだが、それが井筒屋の場では一転、にくたらしい八右衛門に挑発されて、封印を切ってしまうまでに追いつめられる。その葛藤や苦悩。冷静に考えれば「思慮がない」んだけれど、純粋な一途さは、前半の忠兵衛があればこそ。
井筒屋おえんを演じた門之助も、ぴりっと締めて印象深い。

そして第二に「鏡獅子」。やっぱり見せ場の多い踊りだし、迫力あり。七之助の毛振り(髪洗いというのか)はもうちょっと?のような気がするが。でも、彼のファンだと目がハートになりそうではある。で、何が良かったかというと、実はお囃子。傳左衛門さんの小鼓をはじめ、緊迫感たっぷりで、引きこまれてしまった。長唄もとてもよかったし(これで、去年の「吉野山」の時の、変な清元は帳消しか。あ、去年も七之助の踊りだったんだ)。

獅童も、持ち味が出ていて、去年よりはうんとよかったように思う。役によるのか?

去年ぶつぶつ言っていたら、「長い目で見守らなくっちゃ」と友人に言われた。確かに、若手が大きな役を演じるのだから、完成品を求めてはいけないよね。浅草歌舞伎の意義とか良さが、ちょっとはわかったかもしれない。
それにしても、光ってました。愛之助さん!!

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2005.01.22

二度目の一人芝居は、戸田恵子

1月21日(金) 19:00~ 「なにわバタフライ」 於・PARCO劇場

作・演出/三谷幸喜
出演/戸田恵子

三谷幸喜の芝居は今まで観たことがなかった。今回も少~し気になりつつもパス、だったのだが、友だちの友だちから「行けなくなっちゃった。救済してくれない?」と回ってきて、「友だちの輪」にのっかって観劇、とあいなった。あ、まだ支払いをしていないぞ。一人芝居は数年前の、南果歩「幻の光」(シアタートラム)以来、二回目である。

開演前から、三谷幸喜。携帯電話等の注意が、彼の声で流れてくるのだが、これは勿論通り一遍であるはずもない。ここですでにクスクスっときて、その気分で開演を待つ。

芝居は、戸田恵子(ミヤコ蝶々)が楽屋で尋ねてきた若い記者を相手に、自分の半生を語る、というスタイル(最後に仕掛けはあるが)。すべての台詞が、姿の見えない相手に向かってのもの。最初は記者に向かって、7歳から舞台に立っていた事情などを語り始め、そしてキーとなる人たち=父、兄やん(最初の漫才の相棒)、ぼん(和歌山の興行主の息子)、師匠(最初の夫)、ぼくちゃん(二度目の夫)を相手に、語るのである。
父、師匠、ぼくちゃんは、やがて照明によって、「確かな存在」として舞台の上に「現れる」。

舞台、楽屋のセットの上段、奥側には、楽器が置いてあって、マリンバとパーカッションの生演奏で進行するのだが、この音楽がまたとても効果的。

戸田恵子の語りを聞いていると、確かな発声できちんと届く言葉の大切さを、あらためて思う。
そして、最後に記者に語りながら、追いつめられるように「自分は弱い人間だ」と認めるとき、たしかにミヤコ蝶々のどこかおびえたような眼差しを思い出していた。

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2005.01.15

力を抜いて楽しんだ、緒形&篠井

1月15日(土) 「子供騙し」 14:00~ 於・紀伊國屋ホール

作・演出/水谷龍二
キャスト/緒形拳(理髪店主)、篠井英介(探偵?)、 冨樫真(理髪店員?)

全く同じキャストでの再演(というか、チラシの写真は前回と同じ?)。以前いつ見たのか・・・それほど前ではないのに、細部は殆ど覚えていないのにビックリ。東北の小さな町の理髪店での、閉店後のできごとである。一人で店をやってきた店主と、一ヶ月半前からここで手伝いをしている女、そして彼女の夫に依頼されて探しに来た探偵。この3人のみで進行する。といっても、もちろん一筋縄ではいかないわけで。
前回は勿論、篠井さん目当てで見に行ったから、あんまり緒形拳には注意を向けていなかったと思う。でも、今日はストーリーがわかっていたからかもしれないが、油の抜けたような、ちょっと情けないけど「何者だ」的匂いのする役を、楽しみながら見た。
その篠井英介は、スーツにトレンチコートとという格好いいスタイルで登場するのだが、夜8時を境に、人格が男から女に変わってしまう。その変わりっぷりがおかしいし、彼にしかできない役だなあと思う。

上演時間は1時間半で、出演者は3人。小さな理髪店の店内での1、2時間(+翌朝のシーン)を、ちょっとした言葉や動きのギャグで笑わせたりしながら進んでいく。ありそうでありえない、陳腐なようで妙にディテールに凝っている、不思議な味の芝居だと思う。舞台の上の3人が、なんだか楽しんでやっているような「余裕の力」が、こちらにも伝わって、純粋に楽しめる心地よさがあった。こういうのも悪くない、としみじみ思う。

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2005.01.09

観世九皐会一月定例会

1月9日(日) 13:00~ 於・矢来能楽堂

「翁」 観世喜之、三宅近成(面箱)、三宅右矩(三番叟)、長山耕三(千歳)
「東北」 シテ鈴木啓吾、ワキ森常好
狂言「鶏婿」 三宅右近
仕舞「難波」「羽衣」「花月」
「野守」 シテ古川充、ワキ野口能弘

とりあえず半期分のチケットを購入した観世九皐会定例会の、第1回。今年から指定席方式になり、私の席は正面席の左右中央・・・つまりは、中央に立つ演者と向き合うような位置である。それはいいのだけれど、前に7列ほどある椅子席ではなくて座敷席(座椅子)なので、はっきり言って足がツライ。それさえなければ、見やすい特等席なのに。「寝ないで見る」に加えて、「ちゃんと座り続ける」という課題まで増えてしまった。

「翁」は喜之師の凛とした厳かさと、三番叟のエネルギーが、心地よい余韻を残す。「お正月には翁よね」、と思ってしまう。
「東北(とうぼく)」とは何か、と思っていたら、都の「東北院」のことであった。和泉式部と軒端の梅の物語である。後シテ(和泉式部の霊)の舞がとても美しかった。装束の色合いと扇が完璧に合っていて、その色のバランスに気がついた時には、驚きさえ感じた。

「野守」のシテは、10月の「道成寺」と同じ古川さんということで、ついつい頑張ってね、と見守るような気持ち。前シテ(老人)と後シテ(鬼神)の間に、舞台上に置かれている「塚」の中に入って、そこで着替え、歌舞伎の鏡獅子のような赤い毛をつけて出てくるのである。大鼓は大倉正之助さんで、たまたま10時からの「ソロモンの王宮」(テレビ東京)に取り上げられていて、不思議なシンクロであった。

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うっとりドキドキ「鳥辺山心中」

1月8日(土) 「寿 新春大歌舞伎 夜の部」 16:00~ 於・新橋演舞場

「鳥辺山心中」 海老蔵(半九郎)、菊之助(お染)、市蔵(坂田源三郎)ほか
六歌仙容彩文屋」 松緑
       「喜撰」 菊五郎(喜撰法師)、菊之助(お梶)
「御所五郎蔵」 團十郎(五郎蔵)、左團次(星影土右衛門)、菊五郎(甲屋与五郎)、福助(皐月)ほか

苦労が多いほど観劇に走る、と。根っからノホホンと生きてるとお思いでしょうが(ほんとにそうかもしれないけど)、それなりに‘明日からどうなるかわからない’という不安もあるわけで・・・とツベコベ言いつつ、ぬゎはは、思い立ってまた行っちまいました。

いや~、今月の新橋で一番よかった、「鳥辺山心中」。海老蔵と菊之助が並んで四条河原に立つシーンなんか、もう見ているだけでドキドキだもの。この感覚は、仁左衛門&玉三郎の若手版ですね、私にとっては。この二人と同様の組み合わせの、松緑-右之助(遊女お花)は、まさに引き立て役として作られていると考えてよいのだろうか。特にお染とお花が朋輩なの?と思ってしまうが。
河原での斬り合いのシーンも、なかなか迫力があってよかった。

そして、菊之助はこの後の「喜撰」には、お染とはがらっと雰囲気を変えて登場するので、なお嬉しい。

「御所五郎蔵」では、逢州役の松也に注目・・・若くて美しい人にしか目が行かないというのが、バレバレ。

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2005.01.06

「玉三郎の古典芸能図鑑」

1月2日の深夜0:00~5:00、NHK教育にて放映

年末年始は、夏に買ってあまり使っていなかったDVDレコーダーが活躍。特に深夜の番組を録画できるのが嬉しい・・・これまでビデオデッキさえ持ったことがなく、一種の「貧乏自慢」的に来たので、宗旨替えには多少忸怩たるものもあるけれどね。この古典芸能図鑑と、中村勘九郎と宮藤官九郎の対談が「二大成果」ということになるかな。

とはいえ、「玉三郎の古典芸能図鑑」は5時間(1時間×5の総集編)もあるので、なかなか見る時間がとれないのも事実。今日はやっと1本目の「能」をクリアして「文楽」に突入したが、それだって「ながら視聴」だから、ちゃんと見たとは言えない。でも前日に能面を見に行ったばかりだから、特に観世宗家の解説による面の話は興味深かった。
3つ目は「歌舞伎の衣装」だから、じっくり見たいなあ。そういえば4日の新橋演舞場では、「毛谷村」のお園の衣装がとても気に入った。スケッチを残しておこうかと思ったくらい=いい考えかも。紫地の着物(黒のアクセントもあり)に、帯揚げと襦袢の赤が利いていた。

まあ一度に見るものでもないので、少しずつ楽しみながら見たいものである。律儀に頭から順に見なくてもいいんだけど、取りあえず。

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2005.01.05

新春アートウォーキング2005「The 能」

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1月5日(水) 「The 能」 於・大倉集古館&泉屋博古館分館(港区虎ノ門、六本木)

行って初めて知ったこと・・・泉屋博古館の泉屋は「せんおく」と読むんだった!! ずっと「いずみや」で、クッキー屋さんの関係かと思っていた。誰かにも言ってるかもしれない(大汗)。分館というからには本館があるので、それは京都、住友コレクションとのこと。大倉&住友、両財閥の収集品ということね。

両館は住所こそ虎ノ門と六本木だが徒歩数分の所にあり、アメリカ、スペイン、スウェーデンの各大使館近く。どちらもコンパクトな私立美術館である。ここに、能面、能装束、狂言面の展示がなされている。
《大倉》尉面、鬼面、狂言、楽器 《泉屋》男面、女面、霊面、子方、能面表現 という分け方で、装束はそれぞれにあったが、泉屋の方が一展示室を使い、数も多い。

よく「能面のよう」という言い方をするが、それは多分違っている? ほんとにいろいろな表情の面がある。ふだん間近で見る機会がないので、様々な「顔」をゆっくり見た。面を使う狂言はそれほど見たことがないけれど、意外にたくさんあるのでびっくりだった。
装束はやはりとても楽しい。18世紀ころの、花束の模様が織り込まれたものなど、デザインがとても現代的で(リボンをかけたブーケといったところ)驚いてしまった。色やデザインなど、どれもこれも見飽きるということがない。楽器は大倉に能管、大鼓、小鼓、太鼓がそれぞれひとつずつだが展示されていて、(皮を張っていない)鼓=鼓の胴というのだそう、に描かれた模様も美しかった。

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2005.01.04

新年は歌舞伎から:「新橋演舞場 昼の部」

1月4日(火) 11:00~ 於・新橋演舞場

「毛谷村」 海老蔵(六助)、菊之助(お園)、亀蔵(微塵弾正)ほか
「奴道成寺」 松緑
「人情噺文七元結」 菊五郎(左官長兵衛)、田之助(女房お兼)、團十郎(和泉屋清兵衛)ほか

年の初めのこんな時期に歌舞伎を観に行くことは今までになかった・・・できるだけ月の後半に観たいという気持ちもあるし。でも、そうも言ってられず、とにかく海老蔵/菊之助を観なくてはと出かけたのだった。
いつも開演ギリギリにしか到着できなくて、この余裕のなさをなんとかしたいと思っていたが、今日は20分近く余裕があった。この調子でずっといきたいものである。

さてさて、まずは脇役の話から。特に伝統芸能って、いかに主役が輝くかというのに尽きるような気がするけれど、人気者目当てに見に行って、ちょっとした時に「ああこの人(役)はいいなあ」という役者に出会えるのも嬉しい。たとえば今日の「文七元結」では角海老娘・お光(菊史郎)。優しい声でふんわりした感じが、あの角海老内証の場の、「強い、くどい」空気をうまく和らげていたような気がする。女将お駒の時蔵もぴしっとしていてよかった。でも・・・襲名披露となる尾上右近のお久はどうかなあ。もしかして年齢にしては上手いのかもしれないけど、もっとあっさりしてくれよ~。と、ついつい平成中村座・文七元結での坂東新悟(弥十郎の息子)と比較してしまった。
幕切れ近くでは、出演者がずらり並んでの豪華な口上もあって、さすが六代目菊五郎の曾孫なのである。

「毛谷村」ではまあストーリーは二の次で、海老蔵、菊之助を堪能する。っていうか、そういう狂言でしょう??臼を動かす場面など、不要なんじゃないかと思ったくらい。「奴道成寺」を去年、亀治郎(浅草)で観た、と思っていたが、もう一昨年のことだったのか!! 三種類の面を次々に替えるところが、わりと見える席だったので、なかなか興味深かった。出だしの踊りの時に、能装束風なのにも注目。
「文七元結」は落語好きにはお馴染みの話だし、ふむふむと思いつつ観る。でもそんなに入り込めなかったのはなぜかなあ・・・。菊之助の文七はよかったと思うけど。

というわけで(?)、今年の観劇目標は、・余裕をもって劇場に入る ・菊之助くんを頑張って観る ・道成寺関係のものをあれこれ観る、にしよう。次々に目標項目が増えそうだけど。

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2005.01.01

謹賀新年

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硬直化していく一方の心と体を、少しでも柔軟にして、
無心に舞台を見つめたいと思っています。
今年も大勢の素敵な人たちと出会えますように。
どうぞよろしくお願いします。
(画像が小さいと卵が見えないので拡大しました)

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