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2005.04.27

「山中常盤」とは何だ

4月26日(火) 映画「山中常盤」 11:30~の回  於・岩波ホール

ゴールデンウィークを控えたこの時期、クドカン映画でも香港映画でもなく、「山中常盤」を観に行くというのも、私なりのミーハー路線ってわけで(しかも、再上映だから1周遅れだね)。
しかし、上っ面にのみとらわれているから、岩佐又兵衛、絵巻・・・くらいの知識しか持たずに行ってみましたらば、常盤とは常盤御前、サブタイトルも「牛若丸と常盤御前--母と子の物語」だなんて、やはりどうしたって出会ってしまう義経サン。

「山中常盤」は全12巻の絵巻で、古浄瑠璃を題材にしたもの。150メートルに及ぶというこの絵巻を映画にするという発想そのものに、まず驚く。そして、詞書としてつけられていた古浄瑠璃に曲をつけ(by鶴澤清治)、太夫が語る。といっても、エンエン絵巻が順を追って映し出されているのではなくて、ストーリーに関わる風景、ナレーションが挿入される。この時の音楽はサティのヴェクサシオン。

最初のうちは、正直、面食らったようなところもあったのだけれど、だんだん絵巻の世界に取り込まれていった。クライマックスの、山中宿で常盤と侍女が盗賊に殺されるシーン、そして牛若が仇を討つシーンなど、いまもその絵の構図や色彩(コミカルなまでに残酷な殺しの場面!)が脳裏に甦る。

映画は、単に絵巻を新たな音楽で見せるのではなくて、そのストーリーに重ねるようにして、作者・岩佐又兵衛の生い立ち(戦国大名の子に生まれながら、父が織田信長の怒りをかったために一族がみな殺され、乳飲み子だったがゆえに助かった)と、21で斬首されたその母への思いを映し出す。

個人的には、浄瑠璃の作調と小鼓などを担当している仙波清彦さんの名前が懐かしかった。10年くらい前に何年か続けて、彼が出演するコンサート(Asian Fantasy)に行っていたんだもん。鼓の家に生まれたパーカッショニストという認識だったのだが、久しぶりに彼の名前に出会った。そういえば、サティをよく聴いていたのも同時期だったかもしれない。浄瑠璃を語ったのは豊竹呂勢太夫さん。淡々としていながら深みのある声だったなぁ。

 

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コメント

「岩佐又兵衛をご存じか」という山下裕二の某紙の記事がきっかけで、あわてて地元の美術館へ。
というわけで、昨年秋「山中常盤」を観ておりました。絵巻物が1時間40分の映画になるというのは、監督も、もとの絵の力もすごい!とカンゲキしたことを思い出しました。

投稿: タンゴ | 2005.04.28 10:52

おそらくタンゴさんはご覧になってる思ってました。当たり~。
にしても、私が観に行ったのは平日の第1回の上映なのに、
ほぼ満員だったのよね。明日は最終日で祝日だから混むでしょう。

投稿: きびだんご | 2005.04.28 22:42

そういえば絵巻で牛若に殺された盗賊たちの、無惨な姿と、
歌舞伎の「石切梶原」で、刀の試し切りで切られる罪人とは、
視覚的な効果(?)の面で、通じ合うものがある・・・かな。
と、吃又と岩佐又兵衛あたりを考えているうちに、はたと浮かんだのでした。

投稿: きびだんご | 2005.04.29 00:50

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