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2005.07.02

「解体新書 七」は、義太夫解体の巻

kaitaisinsyo7月1日(金) 「MANSAI 解体新書 その七」 19:00~ 於・世田谷パブリックシアター

テーマ:日本演劇のアイデンティティ~ドラマと語りのダイナミズム~

企画・出演/野村萬斎 出演/豊竹咲甫大夫、いとうせいこう、(三味線)鶴澤清馗

  昨日、人間国宝で義太夫を聴いたと思ったら、今日は若手の大夫さんがゲストの「解体新書」。前回のその六、白石加代子さんの回は仕事のため泣く泣くパスして、そのDVDが今朝届いたところだった。これは私にとっては「レクチャー」という位置づけなので、にょろにょろ文字でメモを取りつつ、話を聞いた。

  3人の鼎談というよりは、萬斎さんが聞き手となって咲甫大夫さんにあれこれ聞いて、その言葉をいとうせいこうさんが、よりわかりやすく説明する、というほうが正確かな。義太夫、狂言の語りの実演のみならず、大夫、三味線がどういうふうに座っているのかもみせてくれて、へええと驚いたのだった。みんな洋服だから、そのあたりよくわかる。お腹から声を出すために、そうとう緊張を強いられるような(=負荷をかける)座り方。一方、三味線はぺったり座っているのだった。

  話の中で興味深かったことを少しだけ挙げておくと

・文楽においては、大夫、三味線、人形遣いは、それぞれに距離感をもって演じており、融和しない。結果的に合っているだけ。合わせようと思ってはダメ。

・義太夫の節と三味線がぴったり一致すると伝わらない。そのために音程をずらしたり、タイミングをずらしたりして、言葉を通じさせる。

  実際に狂言の発声と義太夫の発声を比べてみると、狂言は押さえつける感じ。かためていく、と表現されたけれど緊張した語りである。逆に義太夫は「上に声を出す」感じで解放感がある。ほかに、「景清」に義太夫の節をつけて語り、それで萬斎さんが舞うという異種格闘技的なこころみと、「雨ニモマケズ」を狂言&義太夫で語る、というのがあって、どちらもとても刺激的で楽しかった。

  伝統芸能の中で、あえて言葉にしないで修業を通してつたえられてきたことを、言葉にして残したい、という部分も、萬斎さんからは強く感じられた。咲甫大夫さんの「イメージ」している難しい部分・・・「息・音(おん)・間(ま)」の説明、型とは違う風(ふう)とは、などなど・・・を、なんとか言語化しようと、いとうさん共々頑張っておられた。受けている咲甫大夫さんが、これまた天然ボケのような楽しいキャラで、あっという間の2時間が過ぎたのだった。

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