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2005.08.27

面白うて、やがて「もとの黙阿弥」

8月26日(金) 「もとの黙阿弥 浅草七軒町界隈」 13:00~ 於・新橋演舞場

作/井上ひさし 演出/木村光一 キャスト/高畑淳子(坂東飛鶴)、村田雄浩(番頭・飛太郎)、筒井道隆(河辺隆次)、柳家花緑(書生・久松)、田畑智子(お琴)、横山めぐみ(女中・お繁) ほか

 井上ひさし作の芝居は、ものすご~く久しぶり。「黙阿弥」の三文字に反応したのかもしれないが、ふらふらと見に行くことにした。明治中期、浅草の芝居小屋・大和座が舞台で、この劇場は黙阿弥のまがいものを上演して人気を博したが、それがアダとなって興行停止の処分を受けている。ここに時代背景として、秩父困民党事件や、新劇運動などが盛り込まれて、いかにも井上ひさし、なのである。

  とにかく役者さんが、みな想像以上によかった。座頭・飛鶴役の高畑淳子はきっぷがよくてしっかりもので頭が切れて・・・ピッタリ。村田雄浩と落語家の花緑くんの、ちょっとオーバー気味の演じ方が、違和感なくうまくはまっているし。特に花緑は、以前「居残り佐平次」で見たときとは格段の差(「居残り」ではただ走ってたという印象で、落語家としての彼が出る必然性があるのか疑問だった)。何よりも田畑智子が、声も滑舌もよくて、テレビのイメージとはずいぶん違うなあと感心した。

  ストーリーは男爵家の相続人と、金持ちの商人の娘の縁談が軸になって、それぞれ、男爵相続人-書生と、お嬢様-女中が入れ替わって、ドタバタと。そこに、時代背景が大きく絡み、芝居小屋だから「劇中劇」もあって。当時の風俗や時代を楽しんだり、アハハハと笑って「娯楽劇かい」と楽しんでいると、やっぱり最後の最後にそうじゃない!! なるほど、井上ひさし、なんだもの。

 ・・・という最後のしかけのためには、女中の描き方が少し弱かったのではないかと思う。山形の子だくさんの家に生まれて苦労していることは、言葉では分かるんだけど、まともに受け取れなかったんだよね~。

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