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2006.02.22

ジャン・ジュネ「女中たち」を男優で

2月22日(水) 「3軒茶屋婦人会 第2回公演 女中たち」 19:00~ 於・本多劇場

作/ジャン・ジュネ 翻訳/青井陽治、武藤洋 演出/G2 企画・出演・演出/3軒茶屋婦人会(=篠井英介+大谷亮介+深沢敦)

 同じメンバー、演出家による第1回公演「ヴァニティーズ」を見たのは、もう3年近く前のことになる(2003年4月、本多劇場にて)。あの時は、なにも考えずに、ただ篠井さん出演というだけで見に行って、ちょっと衝撃だったんだなぁ。「いい年をした男性が3人揃って、女性を演じる(しかも最初は高校生のチアガール!)三人芝居」。スピード感のある展開、ばかばかしいほどのおかしさと、余韻が、とても新鮮だった。で、待望の第2回公演は、え~っ、全く趣が違うの?

 最初のシーンは、白の下着姿(といってもフリフリ)の大谷さんと、黒の下着姿(あまりに美しく似合いすぎてクラクラ)の篠井さんから。あら、篠井さんが奥様で、大谷さんが女中なの?と思いきや、それは本物の奥様が留守の間に、2人の女中がしていたお芝居で・・・。

 今回は、お屋敷の一室という限定された場所での数時間のできごと、次々に繰り出される台詞も、けっして明るくはない。そして最初から破滅に向かっているようでもある。基本的には大谷(ソランジュ)-篠井(クレール)の遣り取りが中心でちょっと難解なのだが、途中、奥様=深沢が帰宅したところで、雰囲気ががらっと変わった。それまで観念的だった物事が、いきなり実体を伴った、とでも言えそうな感じ。淡いピンクのドレス姿がどうしてこんなに素敵なの!という深沢さん。実はクレールが出した密告の手紙により捕まっていた旦那様が保釈されたという知らせで、再び奥様が出ていき、あとはまた二人に。

 今回は特に、終盤に大谷さんの長い台詞があって、ついつい「歌わせたい男たち」の校長先生を思い出しちゃった。他の二人は「女形」が板についているのに比べると、大谷さんはそうじゃなくて、だからこそ面白いのかなぁと思う。

 前回の「おもしろうてやがてかなしき」からすると、笑いどころも少ないんだけど、演劇の可能性や、この3人が演じることの意味など、様々に広がってくる気がする。パンフの中の「ストーリーをわかろうなんて思わずに、崖っぷちで生きる女たちを、生々しく感じて下さい」という篠井さんの言葉に、妙に納得したのだった。

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