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2006.04.03

やっぱり「勘三郎オンステージ」のコクーン

4月2日(日) 「コクーン歌舞伎 東海道四谷怪談(南番)」 17:00~ 於・シアターコクーン

演出・美術/串田和美、出演/勘三郎(佐藤与茂七、お岩、小仏小平)、橋之助(民谷伊右衛門)、扇雀(お袖)、弥十郎(直助)、七之助(お梅)、笹野高史(伊藤喜兵衛、お熊)ほか

 あら、今年はコクーン歌舞伎は3~4月なの!? 四谷怪談を春に見るってのは、しかも南番、北番って・・・。と、いろいろに思いつつも、日程や一緒に行く友人の都合などにより、南番のみを見ることにする。着物だと絶対「平場」は無理だろうということで、椅子席。

 コクーン歌舞伎で「四谷怪談」を見るのは初めて。序幕の「浅草観音堂の場・按摩宅悦内の場・浅草観音堂裏田圃の場」も今回初めて見た。ここでは後に続く人物・因縁の紹介という感じ。小山三さんが宅悦女房おいろの役で出演しているが、主役の勘三郎とはまた違う意味で、舞台が不思議に昂揚するんだよね。こういう時に、歌舞伎の観客は、「その役と演じる役者の両方」を同時に見ているというのを強く実感する。四谷左門を演じた源左衛門さんもいい味で、南北のグチャ・コテな世界の清涼剤だったなぁ。

 2幕からが、まあ見どころ一杯の場、ということだろうか。「髪梳き」「戸板返し」「提灯抜け」を今か今かと思いつつ・・・。でも、以前歌舞伎座で、同じ勘三郎のお岩を見たとき、ちょうど座席位置が悪くて髪梳きがよく見えずガッカリしたのではあるが、今回は「そんなにタップリ(これみよがしに)しなくても」という感想を持ってしまった。これってワガママ? 「戸板返し」と「提灯抜け」は、あのワッという感じ(を共有できること)が楽しい。特に「提灯抜け」で出てきたお岩の亡霊が、上手へ消えるまでは、絵になる美しさだった。

 幕間に平場前方の客には透明な合羽?が配られており、最後に水をかぶるぞ、という期待(笑)が高まる。その上、場面転換の間に、七之助と笹野さんが水鉄砲を手に現れて、1列目の人用の大きなシートを使う「練習」も。この辺りから、もはや四谷怪談というより、コクーン歌舞伎のカタルシスに向けて一直線。水の中での立ち回りにヤンヤの喝采、そしてスタンディングオベーションなのであった。

 思えば、去年の勘三郎不在のコクーン「桜姫」で、圧倒的に不足していたのは、このカタルシスだったのでは。という意味では、やはりコクーン歌舞伎は勘三郎のもの、ということを実感した。橋之助も伊右衛門にはいい意味での余裕を感じた。

 観客にはやはり若者、特に若い男性が目についた。歌舞伎座には行かなくても、コクーンで、勘三郎だから行く、という人たちだろうか。観客といえば、宮沢りえさんが来ていて開演直後の客電が落ちた瞬間くらいに着席。これは目ざとい友人が発見したので、私だったら絶対気がついていない。ちょうど前日に彼女が主演した「父と暮せば」(DVD)を見たばかりだったから、個人的にはすごいタイミング。友人は他にも見つけていて、私の目がいかに節穴か、よ~くわかった。

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