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2006.07.14

不思議な「ひまわり」を見た

7月13日(木) 「没後30年 高島野十郎展」 於・三鷹市美術ギャラリー(17日まで)

(さて、しばらく絵の話題が多くなるかも・・・。頭のキャパが極小なもんで)

 三鷹市の劇場は不便だけれど、ギャラリーは三鷹駅前。JRの改札を出ると地上に降りなくても行けちゃうのだ。と言いつつ、実は初見参。演劇といい美術といい、三鷹はがんばってるね。いつものように、予備知識もなく出かけた。

 駅前のビルの5階。4階までは普通の商業ビルなのに、「取って付けたよう」に、5階だけが異質である。狭いといえば狭い。そこに高島の作品がびっしり並ぶ。会期終了間近ゆえ、平日の昼前とはいえ、かなり賑わっていて、多少窮屈な気分でもある。

 入ってすぐに、若い時の自画像3点。いや、まずこれにやられてしまった。特に東京帝大在学中に描いた「傷を負った自画像」は胸を締め付けられる。これを描かなければならなかった心のありよう、不安、といったものが迫ってくる。この自画像の印象が、結局最後まで離れなかったように思う。

 基本的には「写実的」な風景であり、静物なんだけど、後ろに闇とか孤独とかが必ずあるような・・・。そうそう、雑誌などでよく出てたのは、何点も描いたという「蝋燭」、そして「月」。「蝋燭」ばかりを並べたコーナーでは、照明も工夫されていた。静かに向き合いたい絵たちである。

 でも実は圧倒されたのは「ひまわり」という作品。30センチ×20センチ余くらいの大きさで、展示されていた中では(「蝋燭」を除いて)最も小さい部類だと思う。そこに、奇妙にゆがんだひまわりと背景(ゆがみはムンクをイメージされたし)。ちょっと気持ち悪くなるくらい。これが制作年不詳ということでか、欧州時代のわりと明るい(けどスモーキーな)色調の風景画の近くにあった。

 ポストカードも売ってたけど、ちょっと私とは趣味が違ったみたい・・・というか、上に挙げた2点なんか、決して人には出せないタイプの絵だもんねぇ。

 人がワンサカ集まる都心の美術展だけじゃなくて、こんな身近な美術館にも目を向けなくっちゃ、と改めて思ったのだった。

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コメント

キビダンゴさんの数時間後に、私も初めてあのギャラリーで、人の後ろから首を右に左に傾け、絵を覗き込んでいました。説明も文字が小さくてよほど近づかないと読めないし。窮屈というのが、ピッタリ。
あの「傷を負った自画像」は一目みて、正視に堪えずパスして進み、出るときに改めて前にたちました。「絡子をかけたる自画像」の眼も忘れられません。「ひまわり」は人が邪魔になって横目に見て進んでしまったのですが、残念、もう少しちゃんと見ればよかった。なぜか他の絵と違っていましたね。どういう風にとは表現できないのですが。
全身全霊を込めた不思議な迫力に圧倒されました。
田無にお見舞いに行くついでがあったのですが、はるばる出かけた甲斐がありました。


投稿: タンゴ | 2006.07.14 23:48

タンゴさま。ほんとに、は~るばるお出かけだったのですね。
それにしても、同じ日になんて、なんたる偶然!
運命的だわ(大笑)。
私はそれでも午前中だったから、まだマシだったのでしょう。
スペースはこぢんまり、内容はたっぷり、でしたよね。

「ひまわり」は明らかに異質でした。何か爆発したというか噴出したとしか思えない・・・。

投稿: きびだんご | 2006.07.15 00:34

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