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2006.11.23

マイノリティを生きる

11月22日(水) 「トーチソング トリロジー」 14:00~ 於・パルコ劇場

作/ハーヴェイ・ファイアステイン 演出/鈴木勝秀 出演/篠井英介(アーノルド)、橋本さとし(エド)、長谷川博己(アラン)、奥貫薫(ローレル)、黒田勇樹(デイビッド)、木内みどり(ベッコフ夫人) ヴォーカル&ピアノ/エミ・エレオノーラ

 お能を見るときなどは少し予習をするんだけど、それ以外は全く何も考えずに劇場に足を運ぶ。できるだけ劇評の類も読まずに。だけど、この「トーチソング~」は、ちょっとは予備知識があったほうがよかったかな、と思う。わかっていたのは、篠井さんが「封印」を解いて、ゲイの役をする、ということだけ。まあ、時間がたつにつれて、いろんなことを思い出し納得し考え・・・というのでも、いいんだけどね。だからと言って、もう一度見るには、私のエネルギーが不足している。休憩込みで3時間10分という長さだけの問題ではなくて。(以下、ネタばれ)

 トーチソング:失恋、失意の哀しみを歌った歌曲。トリトジー:3部作。主人公アーノルドは、13歳の時にカミングアウトしたゲイのユダヤ人で、「女装のオカマ」として働いている。

*ブルックリン(バイセクシャルの恋人エドとの出会い)--短い休憩--*郊外のエドの家の農場(アーノルドと若い恋人アラン、エドとローレル)--休憩--*5年後。マンハッタンのアーノルドの家(養子デイビッド。妻ローレルと別居中のエド、アーノルドの母)

 アーノルドが「女装のオカマ」と言っても、それは働く時だけなので、メイクばっちりでロングドレスの篠井さんは冒頭部分のみ。美しいです!! 2列目のセンターブロックで見ていたので、眼福(笑)。でも、第1部(と呼んでおく)は、ゲイ・バーのシーンが多くて、暗かったり、「会話」ではなくて「独白」で進行する場面が殆どなので、ちょっと疲れた。全体を通して舞台装置もシンプルなんだけど、特に第1部はそうで、これがどうも・・・。

 第2部は4人が並ぶ巨大なベッド(ナナメになってる)の上で進行する。入り組んだ人間模様・・・。ちょっとアランが弱かった気がする。まぁ、若い子の設定なんだけど。ここで、ボンヤリしてしまったことを後悔している私。

 そこから一転、にぎやかで動きのある第3部。ここが面白かったのは、シーンの明るさやわかりやすさのゆえだろうか。アーノルドはアランと一緒に「養子」を迎えることにしていて、彼が亡くなった後、ストリート・チルドレンだったゲイの少年を引き取って学校に通わせている。エドは転がり込んでくるわ、母親もやってくるわ、のドタバタ調。デイビッドの、悲惨を知っているからこその明るさや優しさ、「ゲイである息子」と向き合わねばならない母親の葛藤・・・。でも、でも、大丈夫!なラスト。

 感想が書きにくい(言葉にできない)芝居ではある。奥貫、長谷川の2人が少し不満。篠井さんにはついていきますわ!

 トーチソング~は、20年ほど前に同じパルコ劇場で2度、上演されたという(主演・鹿賀丈史)。原作者の脚本・主演による映画は1989年公開。80年代がそういう時代だったとも言える。むしろ、マイノリティが生きにくくなっている「今の私が住む世界」を、考えている。

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