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2006.11.12

「鵺(ぬえ)」とは何だ

世田谷パブリックシアター・レクチャーシリーズ「鵺」  各日・16:30~

11月11日(土) 講師・小田幸子/11月12日(日) 講師・鎌田東二

 現在、シアタートラムにて上演中の、「現代能楽集Ⅲ『鵺/NUE』」(宮沢章夫)に関わるレクチャー。と言っても、お芝居の方はあくまでも能の「鵺」にインスパイアされて宮沢さんが作ったものであり、レクチャーは能「鵺」の読み解きが中心である。

 私はこれまでのパブリックシアター「現代能楽集」は見ておらず、この宮沢作品も「まあ見てみようか」というくらいだったのに、レクチャーの企画にはかなり積極的に乗ってしまった・・・お勉強気分の「秋」だからかな。「鵺」は「平家物語」から、ということもある。自覚はしてなかったけど(早い話が忘れてた)、もともとの能「鵺」も見ていたのでした・・・ほんとにこういうとき、備忘録ブログは役に立つ(苦笑)。 

 小田さんは、能楽研究者の立場からのお話。能とは(成立過程、芸態など)→夢幻能の劇構造→「鵺」の場合は、という流れで、実際に「鵺」が依拠した「平家物語」覚一本・巻4や、詞章なども読みながら解説された。

 そして、レクチャー室のスクリーンで、実際に『鵺」が演じられているビデオが見られたのは、すごくよかった。友枝昭世さん(「白頭」の小書)と、先代観世銕之丞さん。前者がかなりきびきび明晰な感があるのに対し、後者はいかにも重々しくて、ふだん見比べたりすることがないから、とても新鮮な感じだった。ついでに、という調子で、若手のも短時間だけど見せて貰ったが、小田さんは「もっと重みが必要!」というおつもりらしかった。

 鎌田さんは宗教哲学者、らしい。ご本人は「フリーランス神主」と仰ってたっけ。こちらも、一段と資料の山で、やはり「鵺」の詞章を読んだりもした。が、のっけ、ご自身の吹かれる「岩笛」の話や三島由紀夫「英霊の声」から入っていき、吉野の天河弁財天神社のこと、ご先祖・徳島の鎌田一族(源義朝の一の家臣、鎌田正清)などなど、話が多岐にわたり、聞いてるだけでせいいっぱいだったなあ。

 こちらの方が、宮沢版「鵺」を意識した話ではあったか。そして世阿弥がなぜこの「鵺」を作ったか、歴史的精神的な背景の部分が面白かった。最後に部屋を暗くして、岩笛を吹いてくださった。能管のルーツと考えていらっしゃるとのことで、たしかに、想像以上に高く鋭角的な音だった。

 両日とも、1時間半の中におさめるのは苦しい、という感じ(実際に延長された)。もう少し体系的に連続講座、みたいにしてもいいんでは・・・。あ、カルチャーセンターじゃない、と言われるかな。

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