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2006.11.09

宝生能楽堂は緊張感に包まれていた

11月8日(水) 「狂言ござる乃座  36th」 18:30~ 於・宝生能楽堂

舞囃子「高砂 八段之舞浅見真州(大鼓・亀井広忠、小鼓・大倉源次郎、笛・一噌幸弘、太鼓・金春國和)ほか 「末廣かり万作(果報者)、高野和憲(太郎冠者)、万之介(すっぱ)--休憩--「釣狐」萬斎(白蔵主/狐)、石田幸雄(猟師)

 この春くらいから、「萬斎さんが今年は『釣狐』をなさるんですって!?」という話が、流れていた。「猿に始まり、狐に終わる」という修業の到達点であり、また最高秘曲と言われる大曲だから、ほかの曲とは見る方の気持ちも全く違う。

 ござる乃座は3回公演だが、11/8と11/25、そして12/1と間隔があいている(あとの2回は国立能楽堂)。そして、8日はその最初だから、いっそう緊張感があったと思う。そういえば、裕基くんが初めてお猿さんを演じた「靫猿」も秋のござる乃座で、あの時は抽選に外れたのでした。今回は無事に当選! ふだんは中正面席だけど、こういう時はがんばって正面席にしちゃうのだ。

 前日の記事にも書いたように、この日は朝から予定がいっぱい(というか、落語を入れてしまった)。開場の1時間くらい前に水道橋駅に着いたから。早くもクリスマス・イルミネーションの東京ドーム付近を散歩したりお茶したり。コーヒーを気付け薬に(汗)。

 とにかく、観客の方も期待と緊張に溢れてる、という感じかな。その空気はほんとひしひしと感じた。それは、いま萬斎さんの「釣狐」を見られる喜びでもある。

 で・・・実は「高砂」と「末廣かり」では時々、意識が遠のいたりしてしまった。ちょこっと、なんだけど(と思う)。浅見さんは全く今まで見たことがないが、何もわからない私の目でも、うまいと思えるのは、どこがどう違うのだろう。

 そして「釣狐」。いや~、狐の様々な鳴き声、揚げ幕があがったところからの動き・・・。その前の白蔵主としての語りなどなど、何一つ目を離せない、という感じ。たぶん我々が狐に持つ「こざかしい」というイメージとか、やっぱりケモノという罠の中の餌への執着とかが、いろんな場面で表面的にじゃなく迫ってくる。根源的なかなしみ、みたいなものかなあ。

 ものすごいスピードで駆け続けたであろう30代を経て、40歳の今年、「釣狐」を演じることで、彼の「立ち位置」を宣言しているのよね。もっともっと、これからも見守らなくてはなりますまい。

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コメント

やややっ!!
あのお別れの後、こんなところに行かれてたんですねっ!
濃い1日ですこと。

萬斎さんが息子さんにお猿を教えるドキュメンタリーを観ましたけど、やっぱり厳しい世界ですよねえ。
「にほんごであそぼ」をたまに観て、萬斎さんが出ていらっしゃると姿勢を正す私です。

投稿: まー坊 | 2006.11.10 19:02

そうなんですよ。我ながらすごい一日で
午前の部、昼の部、夜の部、って感じ。
だから、寄席に行くわりには、気持ちおめかしだったの。

萬斎さんの息子・裕基くんが舞台に出ると、
孫を見てるような気持ちになるんだなぁ。
万作さんのお弟子さんには、国立劇場の研修生出身の人も
何人かいて、頑張ってるのよ。
こちらも応援しなくっちゃ。

投稿: きびだんご | 2006.11.10 21:28

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