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2006.12.21

谷崎潤一郎と幸四郎

Inei  ここ数年、ちょこちょこ谷崎潤一郎を読んでいる。ふっと気が向いた時に、という程度だけれど。この中公クラシックスの1冊も、ちょうど「陰翳礼讃」が読みたくなった時に見つけて買っていたもの。その後、手軽な文庫にしておけばよかったかと思っていたけど、いやいや、他に収載されているエッセイも興味深い。

 中に「藝談」がある。先日電車でこれを読んでいて殆ど目が点。曰く「(松本幸四郎が帝劇でやった『トスカ』がとてもよくて)・・・いったい幸四郎は旧劇よりもバタ臭いものの方が上手で・・・彼が旧派の舞台へ出ると、恫喝的な、聴き取りにくい大声を出してセリフをいい・・・それでも彼のように勧進帳の弁慶がやれるという役者は幾人もいないのだから」云々。

 これは昭和8年に書かれたものだから、先々代あたりのことかしら。全然知識がないんだけど。で、なんというか、脈々と受け継がれていくんだなぁ、と。というわけで、なんか俄然、幸四郎という人(当代の)に、興味を持ってしまった。時に「う~う~」って感じで何言ってるかよくわかんない、と思うこともあったけど、もうちょっと面白がって見てみよう、と思った次第。

 ついでに。「東京をおもう」(昭和9年)には、千住の「鮒の雀焼」のことが書いてあって、懐かしいというか可笑しかった。しかも辻潤のお土産だったそうで、いかにも彼が土産にしそうな「侘びしい、ヒネクレた、哀れな食い物」。「(タタミイワシと)雀焼にある一脈の淋しさ、それを私は東京人の生活の有らゆる方面に感じるのである」というあたりが、妙にツボであった。はい、私の本籍地は20年以上、足立区千住で、雀焼きを売ってる佃煮店まで走れば数十秒という場所だったからね~。

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