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2006.12.24

円丈さんの古典落語を聞く

12月23日(土・祝) 「円丈の『文七元結』をやる会 古典も新作派の時代」 13:00~ 於・国立演芸場

 円丈・FAX無筆(←聞きながら私がつけた)、白鳥・初天神、山陽・谷風情相撲、昇太・浮世床--仲入り--三増紋之助(江戸曲独楽)、円丈・大晦日文七元結

 落語は会場キャパが小さい所が多いから(といっても、国立演芸場だって300はあるけど)、このところの人気でチケットがとりにくい。これも「あぜくら会」会員でなければ挫折していたかも。円丈さんは寄席に行ったときに出会う程度で、別段思い入れはない。でも、新作の彼がほんとに古典を、しかも文七をやるの?という興味と、もちろん白鳥、山陽、昇太という人気者が勢揃いするという魅力もあって、出かけたのだった。電車に乗ってる時は「遅刻だぁ。前座さんの開口一番には間に合わないけど、いいや」と思ってたら、意外に乗り継ぎがよかったのと、数分遅れの開演で、計ったようにセーフ! そして開口一番は、白鳥、昇太、山陽、紋之助の4人(全員着物)による「前説」なのでありました。

 ここでの白鳥さんは「いじられキャラ」? 話をリードするのはやっぱり昇太さん。彼がよく寄席に行ってた学生時代には、円丈さんは古典の人だったそう。この会のために、円丈さんは新しく着物を作り、稽古も着物を着てやった、などなどの話の合間に、白鳥「寝っ転がって稽古したら上下が切れない」、山陽「アザラシみたいじゃないか」・・・なんてのを挟みながら。

 白鳥「初天神」は出だしだけは、なんか普通の古典ぽかった(笑)。マクラで、自分の子ども時代の「世の中にこんな美味しい物があったのか」というレディーボーデン体験をおもしろおかしくやって、「甘い物」を希求する子ども(ましてもっともっと昔には)を、はっきりイメージさせたことはすごく新鮮だった。この金坊がまたダダをこねると舞台上手袖まで転がっていっちゃうしね。

 山陽さんはイタリアから帰国してからは初めてだから、相当長らく聞いてない。レモンのような黄色の着物に赤い襟(エンジではなく朱の方)で、長襦袢も赤かったけど、どんな色彩感覚? あ、眼鏡のフレームも赤だったっけ。彼のほとんど落語のような講談をもうちょっと聞いていたかったかも。

 昇太「浮世床」。面白かったんだけど、細部の記憶があんまりないのは、これいかに? でも今日も彼が語る柳昇師匠」は少し聞けた。ほんとに好きだなぁ、師匠の話のえもいわれぬほのぼのしたところ。・・・というあたり、昇太さんの「人徳」(あるいは甘えんぼキャラ)もあるかもね。紋之助さんは、構成なども以前の「染二独演会」とほぼ同じ。でも、下座さんや助手くんが東京の人だから、こちらも安心して見ていられた。(大阪の人の時に「わぁ、大変」と思っちゃうこと自体、紋之助さんの術中にはまってるのか?)

 そしてそして円丈さん。寄席では私は聞いたことのない師匠・円生のことを(19で入門した時、師匠は64、今自分は62。彼が○人抜き(6人だっけ)で真打昇進したこと、師匠に期待されてたことの自負、でも亡くなったとたんに新作ばかりに、などなど)。そんな円丈さんの「文七」だから、やっぱりポピュラーな筋書きではない。いま、国立のプログラムを見て「大晦日」とわざわざ入れてあるのに気がついた。大晦日の1日の出来事。年末の感じがクリアになるんだけど、ついつい、文七が店に帰ってからの時間の経過が忙しかろう、なんて思ってしまう。これは長兵衛夫婦が夜っぴて喧嘩してたりするのに慣れてるからかしら。もう一つの大きな「改変」もあったけど、これからもいろんな「円丈の古典」を聞いてみたい。

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コメント

ホントにとりづらいですよね、チケット。
落語が人気だとは聞いていましたが、こんなに取れないとは。
それゆえ、大きなハコでやるマイクを通して遠くからっていう寄席か、地元の超ローカルなものでしか、落語が聞けない状態が続いております。
能狂言もそうなんですが、国立のは安いせいか、人気のはあっという間。
で、いらないと思ってたのに、ついに私もあぜくらに入会しちゃいました(^^ゞ
国立が取れないなんて、悪夢だわぁ…

投稿: 猫並 | 2006.12.25 22:47

猫並さま
そうなんですよ、チケ争奪戦には困ったもんです。
お正月の「新春国立名人会」にも行きたかったけど、
仕事の都合で初日に電話できず、そのままアウト。
むしろ窓口に並ばせてくれたら!!
落語はやっぱり、あんまり大きなハコもイヤですし。
文楽も取りにくいから、やはり「あぜくら会」には
使い道がある気がします。

投稿: きびだんご | 2006.12.26 01:33

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