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2007.02.19

祖母の立場(?)で涙した奥州安達原

2月19日(月) 「文楽公演 第1部 奥州安達原」 11:00~ 於・国立劇場小劇場

「朱雀堤(しゅしゃかつつみ)の段」「環の宮 明御殿の段」

 朝早い(ったって11時)のは大変かと思ってたけど、前日にひたすら充電したゆえ元気復活。珍しく走らずに余裕で劇場へ。第1部の楽しみのひとつは、呂勢大夫さんだったのだが、友人から、つばさ大夫さんもよく見る(聞く)ように、とのことで・・・(笑)。

 こういう若手がずらり床に並んで(6人だったかな。そして入れ替えもあって総勢9人)語る「朱雀堤」は、ストーリーというか状況を楽しむ、という感じかなあ。

 カメラが入っていたけど、のっけからいわゆる差別語がズラズラ。ついチェックしちゃうんだよー。呂勢大夫さんは袖萩の語りだが、少し声の調子が悪いようで残念。八重幡姫のつばさ大夫さんは、外見同様、少し繊細でいいお声でした!

 始まってすぐくらいに、娘のお君が袖萩に三味線を渡すシーン。渡し方がちょっとぞんざいでは?と、心の中でダメ出し。小さい子だからいいのかもしれないけど(これが今回の「重箱の隅」)。

 休憩後に、人気の「環の宮」を一気に。新大夫→千歳大夫→十九大夫→咲大夫と繋いでいく。昼食後ということもあって、前2人には少し気の毒かなぁ。私も頑張ったんだけど千歳さんの時にかなり意識が・・・。あのねばっこい声が苦手だというのも、あるとは思うが。

 しかし、袖萩とお君の母子が御殿の門に現れてからは、一気に引き込まれてしまった。三味線を弾く場面の手の動きなんかもついつい凝視してしまうし、でも、その時にも、袖萩の母・浜夕や父・傔仗の表情を見たいし、浄瑠璃は別方向から頭にガーっと入るし、ほんとにフル回転なのである。で、門の外の娘とけなげな孫に、浜夕が裲襠を投げてやるシーンでは、つい涙が出ちゃった。これって絶対、孫を思うおババに感情移入しちゃってるんだよねぇ。この時は、舞台の下手側で見ればよかったなと思ったけど、最後に貞任、宗任が見得を切る勇壮な場面は、上手側、3列目で見てたから、ものすごく迫力を感じた。

 プログラムによると、この「環の宮」の段は、「あだ三(安達原の三段目の略)」と呼ばれて親しまれてきたのだとか。たしかに、親子の情愛のせつなさには普遍的なものがあり、最後の勇壮さもあいまってカタルシスにつながるのかもしれない。

 

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コメント

私は下手の最前列で、三味線を弾く袖萩のまん前だったのですが、そのせいで最後の決まりの絵面がイマイチでした。
朱雀堤は初めて見たのですが、これがあると直方の行動がすごく腑に落ちますね。判りやすい。たまにゃぁ通し、実感しました。

投稿: 猫並 | 2007.02.20 09:08

うーん、とりあえず、明日の2部だけはゲットしたのですが(文雀さんが、もう「合邦」は遣わないだろうとおっしゃったというマル秘情報を得たため)、劇評やらみなさんのレビューを拝見していると、1部と3部も見たくなりますねぇ・・・。

しかーし。もう楽日までに行けそうな日がないです・・・。

投稿: おまさ | 2007.02.20 13:55

>猫並さま
下手の最前列とは!! いやぁ、袖萩が三味線弾いてた時は、「下手にすればよかった!」と激しく後悔したのですが、貞任で少し持ち直しましたよ。
ほんと「朱雀堤」があって、よかったですよね。

>おまささま
そうでしたか、文雀さんが。2部はもっとゆったりした気分で見たかったです。ちょっと反省するこの頃。と言いつつ、明日は3部を見る予定で、その前に1カ所・・・。

投稿: きびだんご | 2007.02.20 21:33

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