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2007.04.23

小劇場の風の音

4月23日(月) 「黒テント第62回公演 かもめ」 19:00~ 於・シアターイワト

作/アントン・チェーホフ 訳/小田島雄志 演出/斎藤晴彦 出演/足立昌弥(トレープレフ[コンスタンチン])、遠藤良子(ニーナ)、斎藤晴彦(トリゴーリン)、横田桂子(イリーナ)ほか

 いつもなら、せいぜい「へぇ」と思うだけで見には行かないと思うのだけれど、二つの要素が重なって、「どれどれ」という気分で初・黒テント。その一。訳者が小田島氏ということ。えーっ、チェーホフも訳してらっしゃるの? と思いきや、マイケル・フレインの英訳からで、白水uブックスにも入っている。小田島氏が直接この芝居をPRされた場に、居合わせたので・・・。そして、その二。会場がシアターイワトであるといういこと。昨年、「いわと寄席」に2度ばかり伺い、雰囲気はわかっていた。というわけで、名前だけは聞いたことのあった「黒テント」で、チェーホフも「かもめ」は初めてであった。

 ほんとは予習をしようと思って。白水uブックスも買っていたのだが、いつものように時間がなく・・・。で、最初ちょっと人物の把握に苦労する(立派なプログラムも貰ったのに)。つまり、ポリーナとマーシャが母娘とは思わなかったり、ということ。

 全4幕の、3幕と4幕の間に休憩が入り、そこに2年の月日が流れている。3幕までが、いろいろに入り組んだ「恋」を語る春とすれば、4幕は荒涼たる冬、というイメージ。実際の季節は知らないけれど、ちょうど昔と同じ人たちが集まった家の外は、ヒューヒューと風が吹き荒れている。この風の音が、ちょうど劇場の大きさに合っていたようで、とても効果的だった。

 俳優さんも、たとえば足立さんが、2年の間に、マザコンの甘ちゃんから内面を見つめる作家に成長していたと思う。でも、概して年長者の役(イリーナの兄とか、医師とか、マーシャの母)が、年っぽくはしていても若すぎて、ちょっと違和感。女優と小説家のカップル(横田-斎藤)は、やはりすごく存在感があったなー。

 小さな劇場で、シンプルなセット、場面転換なども面白くて、お芝居を楽しむ原点に戻ったような気がした。それと客層もちょっと不思議な感じかな。わりと年配の男性たちは、みょうに文化的なニオイが・・・。こんな所へ一人で座っていた私は、どんな風に見えただろうか。

 

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