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2007年5月

2007.05.31

見応えたっぷり「藪原検校」

5月30日(水) 「藪原検校」 19:00~ 於・シアターコクーン

作/井上ひさし 演出/蜷川幸雄 音楽/宇崎竜童 出演/古田新太(杉の市:後の二代目藪原検校)、田中裕子(お市)、壤晴彦(語り手役の盲太夫)、段田安則(魚売りの七兵衛、塙保己市ほか)、梅沢昌代六平直政山本龍二松田洋治神保共子景山仁美 ギター奏者/赤崎郁洋

 久々に(?)、お芝居をたっぷり見たぁ!という気になった。綱を多用したシンプルな舞台装置と、10人の出演者だけで何役もこなし(と言っても、3人は一役だから残りの7人が)、徹底的に言葉にこだわった舞台だからか--あるいは、鐘の音や雑踏なども声を使ったり、語り手の盲太夫の後ろに控えるギターなど、すべて「生身の人間」の表現だからなのか。

 古田新太が悪人役、というのだけは聞いていたのだけれど、表面的にはそう。人を騙し、殺し・・・でも、台詞じゃない部分(表情とか動き)に、彼のかわいらしさがたっぷり。そこが得難いものだなあと思うし、正味3時間ほどの芝居の隠し味、だったかも。

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2007.05.29

土曜ドラマが楽しみ!

NHK土曜ドラマ「こんにちは、母さん」 5月26日より、全4回

作/永井愛 演出/岡崎栄 出演/加藤治子、平田満、児玉清、段田安則、いしだあゆみ、渡辺えり子、小山萌子ほか

 NHKで「こんにちは、母さん」をドラマ化する、と聞いただけでもワーイなのに、加藤治子、平田満が、舞台と同様に母親と息子を演じるというのには驚いた。3年前?の再演時(その少し前から、永井愛作品にとても惹かれていた)、どうしても仕事の都合がつかず、泣く泣くチケットを手放しただけに、この顔ぶれでのドラマ化は、ものすごく嬉しい。

 第1回。いきなり、中国人留学生役で、お馴染みの小山萌子が登場。舞台でも同じ役だったとのことで、さすがにグイグイ引き込まれた。キャストがすごく魅力的で、丁寧に作られているあたり、いかにもNHKのドラマだね。脚色も永井愛さん自身が担当だとか。

 平田満(なんだか私は久しぶりに見た)、段田安則(舞台よりテレビで見る方が好き)の、緊張感あるやりとりの中に、ふっと「おかしさ」が紛れ込んでるあたり、永井愛ワールドという感じ。児玉清の元教授がカッコよく、いしだあゆみ、渡辺えり子は強力だし! ほんと久しぶりに楽しみなドラマです。

 放映直前に、「スタジオパーク」に加藤治子が出演していた。ポワンとしたような役柄とは裏腹に、一筋縄ではいかない人という雰囲気(彼女の話を聞くのに、つい背筋を伸ばしてしまうような)。インタビュアー(有働アナウンサー)とミスマッチというか、正直、もっと別の聞き手ならよかった・・・。

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2007.05.28

「読む」と「見る」との間には

5月28日(月) 「しゃべれども しゃべれども」 於・シネ・リーブル池袋

監督/平山秀幸 原作/佐藤多佳子 脚本/奥寺佐渡子 出演/国分太一(今昔亭三つ葉)、香里奈(十河五月)、松重豊(湯河原太一)、森永悠希(村林優)、八千草薫(外山春子)、伊東四朗(今昔亭小三文)ほか

 当ブログ、昨年6月1日付けで触れた映画「しゃべれども しゃべれども」がやっと公開になった。完成してから公開までに、ずいぶん日にちがかかるものなんだなあ、というのが実感。それにはいろんな要因というか思惑があるのでしょう・・・。たしかに、秋冬よりも、こういう緑の季節に見るのにピッタリ、という気がした。浅草のほおずき市シーンもあるし。

 で、私がエキストラ参加した一門会シーンは、実際に太一くんの落語(火焰太鼓)がとてもよくて、「落語の聞かせどころ」。噺家・三つ葉くんがスクリーンの中で、生き生きと喋ってました! あと、一門の4人がずらり並んでの小三文師匠の挨拶は、やはり思い出深い。何回撮ったか忘れたけど、その度に伊東四朗のアドリブが! すると、師匠にいじられた前座くんの反応がとても自然で、そういう風に醸し出される雰囲気が、いろんな場面に流れていたように思う。それも含めて、伊東四朗の師匠は流石、なのでした。某誌の映画評で、太一&伊東の噺家ぶりに、☆が1個贈られてたのもわかる、ってなもので。

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2007.05.25

情熱的なピアノ

5月24日(木) 「イングリット・フジコ・ヘミング ソロ・リサイタル 2007」 19:00~ 於・東京芸術劇場大ホール

ショパン:別れのワルツ、華麗なる大ワルツ、ノクターン、12のエチュード作品25--休憩-リスト:ため息、いずこへ、愛の夢、ハンガリー狂詩曲、ラ・カンパネラ (アンコール)ドビュッシー:月の光、ショパン:革命

 今年もフジコ・ヘミングのソロ・コンサートの季節です・・・またもや、母親がそのために上京したので付き添いで。去年は私は仕事の帰りに池袋へまわって「現地集合」だったのだが、さすがに今年は仕事を休んで家から同行。年が年だからね。付き添い料(笑)は、1万2000円也のチケットということかな。高い! でも、大ホールが満員なんだよねー。

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2007.05.22

第1部だけで、まんぞく!の文楽

5月21日(月) 「通し狂言 絵本太功記 第1部」 11:00~ 於・国立劇場小劇場

発端・安土城中 六月朔日・二条城配膳、千本通光秀館 六月二日・本能寺 六月五日・局注進、長左衛門切腹 六月六日・妙心寺

 10日ばかり前に、国立劇場チケットセンターで「どの席がいいか」と迷いながら買ったのは11列右寄り。1列・2列の左端も残ってたけど、床もよく見なくっちゃ(笑)というわけで。月曜朝というのに、ほぼ満員。相変わらず平均年齢はめちゃくちゃ高そう。実は第2部も見るならイープラス「得チケ」で買えることを確認していて、きょう見終わった時点で、どうするか決めようと思っていた。

 さて、「太功記」は大劇場の歌舞伎も見たなあ、などと思いつつ。・・・発端は、地味なので(大夫さんが床に登場するわけじゃないし)、ちょっとボンヤリしてしまった。ま、光秀いじめの第1弾というのはわかったけど。

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2007.05.21

盗人の笑い、奥方の笑い

5月14日(月) 「五月大歌舞伎 昼の部」 11:00~ 於・新橋演舞場

鳴神」染五郎(鳴神上人)、芝雀(雲の絶間姫)ほか 「鬼平犯科帳 大川の隠居」吉右衛門(長谷川平蔵)、歌六(船頭友五郎)、福助(長谷川久栄)、歌昇(小房の粂八)ほか 「釣女」吉右衛門、歌昇、錦之助、芝雀

(遅まきながらやっと感想をば) 

 webで安い席を見つけたときに速攻クリック。そのとたん、3階・東では鳴神上人の庵が見えないか!?と気がついたけど、まあいいか、贅沢は言えない・・・。でも結局、西とはいえ一番1列に近い所の上に、右隣が空席だったから殆ど不自由なく見えるしノビノビ座ってられて、ものすごくラッキー!!

 タイトルは、「鬼平犯科帳」で印象的だったことから。

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2007.05.20

ナイスセレクト(自画自賛)、親と歌舞伎見物

5月19日(土) 「團菊祭 夜の部」 16:30~ 於・歌舞伎座

女暫」萬次郎(巴御前)、彦三郎(蒲冠者範頼)、権十郎(清水冠者義高)ほか 「雨の五郎」松緑 「三ツ面子守」三津五郎 「め組の喧嘩」菊五郎(辰五郎)、團十郎(四ツ車)、時蔵(お仲)、海老蔵(九竜山)ほか

 東京駅に実家の母を迎えに行って、そのまま歌舞伎座へ。今まで母は上京すると義母たちと歌舞伎見物に行くことはあっても、私と一緒にというのは初めて。なにぶん年も年なので、体力がもつのか(つまり途中で寝ないか)心配だったけど、まあ大丈夫だったもよう。そして歌舞伎って台詞がゆっくりだから聞き取りやすく、言葉自体も「昔の人」には難しくないから、スンナリ楽しめるんだなぁと改めて実感した。

 今まで聞いたことのない、「むかし『オオタニトモエモン』が人気だった(つまり今の雀右衛門だよね)」とか「先代の時蔵はめちゃくちゃ綺麗だった」とか、どうして知ってんの、田舎住まいなのに、という話がボロボロ出てきたのにはびっくりだった。いや~、今月、あまり歌舞伎を見慣れていない親を連れて行くのには、この歌舞伎座の夜の部がピッタリ(次は演舞場の昼かな。たぶん「鳴神」は好きじゃないと思うんで)。むふふふふ。

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2007.05.19

二夜連続の独演会

5月15日(火)「市馬落語集上巻 16日(水)下巻 いずれも19:00~ 於・国立演芸場

上巻:開口一番(市朗・道具屋)、市馬船徳--仲入り--東京ボーイズ(歌謡漫談)、市馬らくだ 下巻:開口一番(市丸・出来心)、市馬首提灯--仲入り--ボンボンブラザース(曲芸)、市馬百年目 ☆上下の色は、当日の師匠の羽織

 このところ、○夜連続独演会というのが流行りのようでもあり・・・。その流れに乗ったみたいなのは、へそ曲がりの私としては気に入らない(笑)のではあるけれど、結果的には四席をまとめて聴くのは予想以上に楽しかった。二日くらいならば続けて行くのも難しくないし、今後も期待しておこう(今後、というのはあるのか??)

 それというのも、こうして集中して大ネタを聴くことで、市馬師匠の噺に流れる空気をあらためて満喫できたように思えるから。

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2007.05.16

長谷部浩さん

 去年の12月に、長谷部浩さんの劇評に触れた。

http://kibikibi.txt-nifty.com/diary/2006/12/post_15ca.html#comments

その後は、ちょっと予想を外してたけど、それでも今月号の「写楽考」まで、ほぼ私の見ている舞台が続いている。中で驚いたのは、5月号で、2月3月の歌舞伎座、菊五郎がテーマだったこと。時に歌舞伎の話題はあったけど、すごく意外に思えた。勘三郎じゃなくて菊五郎ですか、みたいな感じ。

 でも、来月、この長谷部氏の著書「菊五郎の色気」が出ることがわかってみれば、なるほど、というところ(文春新書・6月の新刊)。比較的若い世代の書き手(誰と比べてる?笑)、というか同世代の人として、彼の感性が捉えた菊五郎を知りたい。

 (さて、感想を書かねばばらない舞台(演舞場、落語)が、たまりつつあるのだけれど、それはまたいずれ。)

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2007.05.13

なんという巡り合わせ

5月13日(日) 「死のバリエーション」 14:00~ 於・シアタートラム

作/ヨン・フォッセ 翻訳/長島確 演出・照明/アントワーヌ・コーベ 出演/高橋恵子(年をとった女)、長塚京三(年をとった男)、伊勢佳世(若い女)、瀬川亮(若い男)、杵鞭麻衣(娘)、笠木誠(友達)

 今日ほど、お芝居を見るということが、自分自身と深く結びついていると感じたことはなかった。友人の突然の死に直面し、昨日お通夜に参列したばかりで、「死のバリエーション」を見ることになろうとは。

 なんだって、今日、「死のバリエーション」なんだろう。そればかり考えて席に座っていた。いざ開演、となり、全ての照明が落ちた瞬間、ああ! 亡くなったタンゴさんから、以前このトラムで上演された芝居にコメントを貰った、それはやはりアントワーヌ・コーベの演出だった!!(永井愛作品)と、思い出したのだった。そんなわけで、彼女と一緒に見ているようなつもりにもなりながら・・・。

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2007.05.11

タンゴちゃん、さようなら。

 当ブログを始めた当初から、ウィットに富んだコメントを寄せてくださっていたタンゴさんが、本日急逝されました。ご病気が見つかったのは2月でした・・・。

 思えば、2月の文楽チケットを取ってらしたのに、「行けなくなったから使ってください」という2月1日付けのコメントが最後だったんですよね。私より少し年上で、視野の広い、母親としても目標にしたい方でした。

 ご冥福をお祈りいたします。

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2007.05.10

「生活の中の美」

5月9日(水) 「日本を祝う 開館記念展Ⅰ」 サントリー美術館 6月3日まで

Midtown02_1  サントリー美術館が、東京ミッドタウンに移転・新オープンして早や1ヶ月あまり。連休も終わったし、そろそろいいかな、と思って出かけた。交通の便がわりとよくて、ビル自体もゆったりした作りなので、ロケーション的には森美術館より好きだなぁ、と思いつつ。しかし、森美術館(というより六本木ヒルズ?)から受ける、あの圧迫感はなんなのでしょう。

 例によってあまり予習もしてないんだけど、焼き物というか、うつわも多かった。ちょうど入ってすぐの所にあった鍋島の、現代的なセンスにはビックリ。

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2007.05.09

岡山市内散歩

Okayama (4月30日)画像は県立博物館の入館券:白備前「狂い獅子」(江戸時代

林原美術館・描かれた女性像展→岡山城・月見櫓の特別公開→岡山県立博物館

 連休の前半、岡山へ帰省。Uターンする前に、少しだけ岡山の市街地を散策した。と言っても、JR岡山駅前から路面電車に乗り(なんと電車賃が100円だったので驚いた!)、後楽園へ・・・は行かずに、その周りを歩いた、というところかな。林原美術館はほんとに大昔に行っただけ。たしか刀剣を見たように記憶しているんだけど。能装束が見たいなあと思って行ったものの、特別展のみであっという間に見終わってしまった。

 そこから県立博物館へ(ということは後楽園の入り口へ)向かってとろとろ歩いていたら、太鼓の音が聞こえて、月見櫓公開という看板があったので、そっちへ寄り道(太鼓は近くでの別イベント)。なかに入り急な階段を上って、ぐるり見回す。足もとの旭川と遠くまで広がる町並みが、ほんとによく見晴らせて気分がせいせいするなぁ。県立博物館も、まあ懐かしい場所なんだけどね。こちらの特別展は備前焼だったが、時間が足りなくてパス。古墳時代からの歴史的遺物をもっぱら見たのだった。

 ま、あえて地味なコースを取ったら、ほんとに地味でした、という感じかな。でも、連休の真っ最中に、こんなゆったりした午後を過ごすのも悪くはない。

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2007.05.07

やっとちゃんと「勧進帳」を見た、かな

5月5日(日) 「團菊祭 昼の部」 11:00~ 於・歌舞伎座

泥棒と若殿」(山本周五郎・作) 三津五郎(松平成信)、松緑(伝九郎)、亀蔵ほか 「勧進帳」團十郎、菊五郎、梅玉、團蔵ほか 「与話情浮名横櫛」海老蔵(与三郎)、菊之助(お富)、市蔵(蝙蝠安)、左團次(和泉屋多左衛門)ほか 「女伊達」芝翫、門之助、翫雀

 1、2ヶ月に1回、友人たちと、歌舞伎を見て軽く食事して・・・という集まりを続けている。「これを見ましょう!」という提案とチケット調達が、もっぱら私の役なので、それはそれで責任重大。というか、結局のところ、私が見たいものに連れて行ってるだけ、なんだけどね。今回のポイントは、有名な「勧進帳」があることと、菊ちゃんのお富! というわけで、ま、一番ポピュラーな選択でしょう。

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2007.05.02

歌舞伎メモ 新橋演舞場

5月2日(水) 新橋演舞場・夜の部 16:00~

妹背山婦女庭訓」三笠山御殿の場 「隅田川続俤」法界坊 双面水照月

 予定を変更して、本日まず新橋演舞場へ。しかし、暇だから今日にしたはずが全く予定が狂ってしまっていて、ドタバタ。ゆえに、ちょっと感想だけメモします。

 妹背山、お三輪(福助)が官女たちにいじめられてから後、とても見応えがあった。それまでは、わりと最近、文楽で見ていたこともあって、「いじめ」部分の面白みとエグさなんかを感じつつ・・・。

 法界坊。うーん、だなあ。歌六丈(大阪屋源右衛門)がすごくよかったとは思う。芝雀丈の娘おくみもね。なんかとても安定した女方。でも全体として、もっとぉ!という気がしている。番頭さんが私には今イチかな。双面の福助丈はカンロク。やはりどうしても気になってしまう役者さんなのだ。染五郎さんは法界坊の霊がめっちゃコワイ(笑)。

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2007.05.01

さて今月は・・・《5月の巻》

5月1日(火) 「今月の、予定は未定!(^^)!」 出没予定メモ

歌舞伎・・・團菊祭・昼の部、夜の部、新橋演舞場・夜の部

演劇・・・死のバリエーション、藪原検校

落語・・・市馬落語集・2夜、府中の森笑劇場

その他・・・フジコ・ヘミング

 ちょっとおとなしいのは、今年もフジコ・ヘミングのコンサートのために母親がやって来るから。滞在中、あまりほっつき歩いていてはマズいかと(笑)。でも、まだチャンスがあれば見に行きたいものはあるので、さてどうなりますか。

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