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2007.06.26

「大阪で江戸落語」の意味

6月24日(日) 「二人のビッグショー vol.4」 14:00~ 於・TORII HALL(大阪・千日前)

林家染左・軽業、喬太郎・夫婦に乾杯、市馬・佃祭--仲入り--市馬・雛鍔、喬太郎・へっつい幽霊

 大阪在住の市馬ファンであるやどかりさんが主催する二人会も、すっかり定着している感じ。そして会を追うごとに、お客さんが増えていって、「完売」になるのが早いんだよねー。私は去年7月の第2回に続き、2回目。

 トリイホールはコンパクトな会場で、客席もフラットだけど椅子の配置がいいのか、とても見やすい。1時半くらいに到着して、センターはほぼ後ろまでいっぱいだったので、ひゃぁ、だったけど、奥側(上手)からナナメに高座を見る感じで。この位置って、お客さんの様子(雰囲気)もわかるから、なかなかよかった。

 お初の染左さんが、「上方らしい噺を」ということで「軽業」を。いやはや鳴り物がにぎやかで、うわぁというくらいびっくりしました! お伊勢参りの途中でしたっけ。場所がよくわかんないのは仕方ない。喬太郎さんは深いブルー(群青色?)の着物に黒の羽織で登場。羽織には紋がないのかな、と思って見ていたら、そのうち羽織を脱いで・・・SWAの着物だったのか!! ジャージのようなラインと背番号まであるから大受け。着物にふさわしく噺は「夫婦に乾杯」(春風亭昇太・作)。私は初めて聞く噺で、みょうに身につまされたりして?(笑)

 さて、私がこの会で一番印象に残ったのは、個々の噺がどうこうというよりもむしろ、市馬「佃祭」までの、前半の噺の流れ(というか空気感の変化)と、そこから後半の2席の充実という、全体の構成である。構成ったって、別に「この噺を」と決めてあったわけではないだろうし、それこそ空気を読んだ上で成り立つものだろう。そこに、染左さんも含めて、落語は個人の芸なのに、チームワークを感じてしまった。ま、ある意味、主催者、演者、観客それぞれの「こころざし」の産物、といえるのかもね。

 「佃祭」は、会場の外のちょっと猥雑な風景と、こてこての上方噺&新作に熱されていた空気を、静かに確かに江戸に変えちゃったなー、という気がして、そのことに一人で感動してた。落語を聞いて「いい心持ちになる」というのは、きっとこういうことなんだ、と。その「いい心持ち」のまま、後半の2席にも聞き入って、それぞれの噺を聞いただけじゃない満足感があった。

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コメント

ありがとうございました。遠征お疲れさまでした。
関西以外のお客さんも来られていたので「軽業」を選びました。
こんな賑やかな噺、江戸落語にはないでしょうね。(笑)
両師匠のネタは当日のお任せで、私にも分かりませんでしたが、
その場の空気を読んで決められたのだと思います。
両師匠の大阪ならではのマクラがあったと思います。
それらを含めて、大阪での楽しさを味わってもらえて嬉しいです。
また、機会がありましたら、お待ちしていますよ!

投稿: やどかり | 2007.06.27 17:52

やどかりさま
どうも、お疲れ様でした。ほんとに雰囲気のいい落語会ですよね~。でも演者にとっては「手強い」会なんだろうなあ、とも、今は思っています。
トリイホールに通じる道だけを外して歩いたのには、ちょっとワケがあって、不気味なおっさんと目が合いコンビニに入ったりしてるうちに・・・。あなた幾つ?と笑われそうだけど。そういう「外」の世界があったから尚更、対照的な「内側」の空気を満喫した気がします。

投稿: きびだんご | 2007.06.28 09:55

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