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2007.07.30

スタンディング・オベーションの歌舞伎座

7月29日(日) 「NINAGAWA 十二夜」 16:30~(千穐楽)

 今回の再演「十二夜」は、初日が土曜日、千穐楽が日曜日という嬉しい日程だったので、どちらも見ることができて、それがまず幸せなことであった。楽日のにぎわいの中、早めに到着して(すでに気合い十分)、少しの寂しさを感じつつも、ひたすら楽しむゾ、という気分で席に座ったのだった。

 再演で、私がなぜ「獅子丸の踊り」に心惹かれるのかはよくわからないけれど(単に、綺麗だから、という理由かもね)、踊っている菊之助だけではなくて、その場にいる左大臣たちのちょっとした動きや、お囃子等も含めて、情景として印象的なんだと思う。それは全体の構成からも、言葉遊びやおふざけ的シーンの間で、「見えるままを、目で耳で楽しむ」という効果なのかも。見てる側のテンションが一瞬フラットになる(下がるんじゃなくて)。そして次の向月台での笑いが新鮮になる。

 俳優さんたちも揃って適役で、この人以外にはありえない、と思わせる。ということがすなわち「役を自分のものにしている」ということなのかな。團蔵さんの、なんか軽々としたおかしさがとても好きだし(やっぱり相当ファンなわたくし)、権十郎さんのピリッとした存在感に再演でやっと気づいた。ついつい、菊之助くんの美しさとか、亀治郎さんの縦横無尽の活躍とかに目を奪われがちだけれど、繰り返し見ていると、そういうところの良さにも気がつくんだなぁと思う(とっとと気付け、と言われるかな?)

 こうしてまたも「十二夜」にはまってしまった私の、区切りとしても、千穐楽を見ることができてよかった。何かサプライズあり?と、菊五郎丈が登場するたびに(笑)思ったりしてたけど、やはり蜷川演出ゆえか、それはなし。ただ、坊太夫として麻阿にお説教するシーンで、匍匐前進する麻阿になかなか声をかけなかったくらい。それはそれでおかしかったけどね。英竹役の翫雀さんが一番はしゃいでいたのかな(ちょっとやりすぎの感もあった、というか、内輪ウケの雰囲気が・・・)。

 カーテンコールで菊五郎丈が花道から蜷川さんを伴って登場。私も最初はおとなしく拍手してたんだけど、2度目? 3度目??からは立ちましたともさ。はぁぁ終わってしまったなあ。

 ロンドンで上演したい、ということが「公然と」語られる、ということは、実現しそうだということなのかしら。その暁には是非とも、わたくしもロンドンへ!! それまでに一段とシェイクスピアに親しんでおこう。いやその前にロンドン貯金をせねば。

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コメント

私、権十郎と團蔵の普段のイメージって逆だったんですよね、古典では。権十郎は白塗りして殿様っぽい感じ、團蔵はめばりぎりぎりで悪い奴。もちろん飄々とした團蔵もきりっとした権十郎も観たことはあったけど。十二夜でも、あの二人を入れ替えてたらどうだったろうなぁって。

投稿: 猫並 | 2007.08.01 07:28

猫並さま
私はほとんど権十郎さんを意識してなかったんですよ、今まで。
團蔵さん、素敵! ばっかりで(筋書に入る顔写真はひどいけど)。で、今回、再演でやっと、権十郎さんに目が行ったという次第。これから注目しまーす。
二人の役を入れ替え!? ひゃー、考えてみたこともなかった。

投稿: きびだんご | 2007.08.01 09:19

ふぇ~ん、結局、楽まで見られずでした・・・。
でも、楽しかった~!

亀ちゃんの麻阿にすっかりヤラれてしまいました。
うるわしさでは、圧倒的に菊ちゃんなんだけど、あのおきゃんな感じとか、頭の回転が速いぞ!っていうところとか、シェイクスピアっぽいなぁ・・・。

権十郎さん、ここで注目を浴びるとは・・・(笑)。

投稿: おまさ | 2007.08.01 15:04

おまささま
ほんと楽しかったですよね。初演の時には、いろんな「美しさ」に気を取られてどっぷりはまった気がするんですが、今回は歌舞伎らしい音楽とか、より「歌舞伎味」を感じることができた気がします。
亀治郎さん・・・大河ドラマの信玄とのギャップがたまりませんわ~。麻阿は原作では「魔女」とトービーに呼ばれてる、その感じが出てたなあと思いました。

投稿: きびだんご | 2007.08.02 10:57

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