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2007.07.17

ロンドン版のBEEは想像以上!

7月17日(火) 「THE BEE ロンドンバージョン」 19:30~ 於・シアタートラム

原作/筒井康隆 共同脚本/野田秀樹&コリン・ティーバン 出演/キャサリン・ハンター(Ido)、野田秀樹(Ogoro's wife,Reporter)、グリン・プリチャード(Anchoku,Ogoro's son,Reporter)、トニー・ベル(Dodoyama,King of Chefs,Reporter)

 気がつけば「十二夜月間」の今月。あらら~、うっとり夢の世界から一気に暴力世界へというのはツライなあ、と思いつつ、三軒茶屋へ向かった。電車の中でも、小田島訳「十二夜」を再読してたんですが・・・。

 ところが! このロンドンバージョンが面白かった。舞台装置は、日本バージョンと全く違うし、私としてはこちらの方がピタッと来た。「ぴあ」綴じ込みの葉書で申し込んで当たった席は、日英ともに1列目だったのだが、ロンドン版はかなり中央。ぎょっとするくらい役者さんが近かったです。(以下ネタバレあり)

 日本版が巨大な紙を使った舞台で、ちょっと無機的な感じだったのと違って、ロンドン版は「鏡」! ちょうど「NINAGAWA 十二夜」のよう、といえば、わかりやすいかもしれない。開演を待つ間、ちょっと不思議な感覚。 その鏡の壁に、ドアとテレビが組み込まれてる。そして、向こうにいる人が効果的に映し出される仕掛け。発端の、Ido(井戸)が帰宅して警部やレポーターに囲まれるシーンは、ゴムが効果的に使われていて、スピード感があった(スピード感は日本版と同じだけど)。その他、小道具は基本的に変わらず。

 この後、Idoが犯人宅へ向かうところから、ぐんぐん面白さが増したのは、日本では近藤良平が演じた役のグリン・ブリチャードがとてもよかったからでもある。全体にあっさりめの演技なんだけど、メリハリがあってスムーズ。他の3人も、役的にはほんとにピタッと来たなあ。野田さんも、私はこの妻役の方が好き。

 面白いと感じる要素はいくつかあると思う。ストーリーがすでにわかっていることで、より舞台に集中できたし、英語上演(字幕つき)だから、日本語で聞くのより「言葉」そのものに驚かないですむ。また、IdoとOgoroの妻を、本来の性とは逆に演じることで、暴力シーンなどがより象徴的になったように思う。そうそう、日本版では、巨大な蜂の姿が映し出されたけれど、ロンドン版は音のみ。

 日本版で圧倒された「暴力の応酬(仕返し)」の場面。あの衝撃は2度目だから薄れてはいたけれど、いろいろ細かく感じ取れる部分があった。Idoがピストルを手に入れた時の昂揚や、暴力それ自体が目的となっていくところ、逆に抵抗できなくなってむしろ自らを差し出してしまうところ、など、よりハッキリ感じ取れた。また、日本版で今ひとつ見えなかったその時の百々山の意味は、ロンドン版で、鏡の向こうでIdo家とOgoro家を往復する彼を見せることで、鮮明になったと思う。

 やはり、日本版とロンドン版の両方を見る面白さが確かにあるなあと、強く感じた。どちらか片方、というなら、ロンドン版!

 

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