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2007.08.15

酷暑の昼に、義理と人情の悪漢ワールドへ

8月15日(水) 「朗読劇 天切り松 闇がたり ~第一夜 闇の花道~」 14:00~ 於・俳優座劇場

原作/浅田次郎 台本/中西良太 構成・演出/中嶋しゅう 出演/すまけい、鷲尾真知子 増田英治 音楽・演奏/藤原道山

 なかなか見に行く機会がないのだけれど(公演そのものが少ないのか? 出演者にもよるし)、朗読劇はわりと好きなのだ。最小限の舞台だてで、イメージを喚起する、という部分に、とても惹かれる。「天切り松」は、かなり前にチラシを見て興味をもっていたのに、そのまま忘れていて、直前に救いの手が!

 朗読劇にしては、ちょっと高いのではないか(6500円)と思っていたのだが、演じるお二人と、藤原道山さんの尺八(舞台の下手側にて演奏)、舞台美術も考えると、なるほどという感じ。すべてをひっくるめて、贅沢な大人の時間、という気がした。ええ、客席も熟年世代。

 出演者は3人いるのだけれど、そのうち増田さんは黒衣で物語世界の外にいる人。語り手であるすまけいさんの世話を焼き(お茶を出したり)、場面転換をしたり。

 そもそも台本(というか構成)がとても良いのではないか、と思った。休憩ナシで90分弱だけれど、途中に場面転換が一度入る。それまでは老人・松の一人語りで、安吉のもとに泥棒の弟子入りした9歳のときの情景、安吉の親分である仕立屋銀次が出所して検事のワナにかかったときの「義賊」の渡世人らしい安吉のあり方。銀次を迎える駅頭の風景が目に浮かぶよう。

 前半、ほぼ舞台の中央で語っていたすまけいさんのデスクが、上手寄りに移される。代わりに、背景として存在していた2枚の襖(障子ワク)が組まれ、槍を掛け、畳が3枚敷かれる。この一連の動きを黒衣の増田さんがひとりでキビキビとこなす。それ自体が演技?

 そして、この場は、因縁の山県有朋の金時計をきっかけにした、山県別邸での、おこん=鷲尾真知子と、山県の奇妙な愛情関係となる。原作では「第二夜 槍の小輔」。

 鷲尾真知子さんはテレビドラマの脇役などで見ることはあったが、きょうは縦縞の着物をキリリと着こなし(帯結びはなんというんだろう)、まさに「振袖おこん」という名の鉄火な女、なのだった。いやぁ、演技派女優の底力とはこのことか。老齢の山県=すまけいも味があって、すごくよかったなぁ。

 これはもう、大人だからこその舞台。そこに尺八(3~4種類くらい)の生の音がマッチして、すごく満足!な時間だった。唯一、残念だったのは、冷房があまりに強すぎたことくらいかな。それと、「荒らげる」は私の中では「アララゲル」だなぁ、「アラゲル」じゃなくて、という違和感くらいかな。テレビ放映されても、それほどライブの雰囲気を壊さずに見られるかもしれない。

 

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