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2007.09.13

チェーホフのボードビルって?

9月12日(水) 「こまつ座&シス・カンパニー公演 ロマンス」 13:30~ 於・世田谷パブリックシアター

作/井上ひさし 演出/栗山民也 出演/大竹しのぶ(オリガ・クニッペルほか)、松たか子(マリヤ・チェーホワほか)、段田安則(壮年チェーホフほか)、生瀬勝久(青年チェーホフほか)、井上芳雄(少年チェーホフほか)、木場勝己(晩年チェーホフほか) ピアノ演奏/後藤浩明

 今年、こまつ座・井上ひさしの新作を見るのは2回目。8月3日から9月30日までという長い公演期間! あいかわらず、チラシ以外の予備知識はほとんど持たず、チェーホフの話だということだけがわかってた。・・・が、チラシに書いてあったストーリーのイメージとは違ってたなあ。

 ロビーでは戯曲掲載の「すばる」最新号も売られていた。野田秀樹は「新潮」だったし、長塚圭史「ドラクル」は「文学界」最新号に載ってるし、最近の潮流なんですか?

 さて、このお芝居では、大竹しのぶと松たか子の共演が目をひくところ。でも私は、二人とも「見たいようなパスしたいような」気分に常になってしまうので、まあそれが二人同時に、ということで、かえってふんぎり(笑)がついたような部分も。見たいようなパスしたいような、というのは、これまた感覚の問題ですかねー。上手いのも、見れば感心することもわかってるんだけど、なんか波長が合わない、というくらい。

 配役のそれぞれに、「ほか」とあるように、出演者は6人のみだけれど、いろんな役をとっかえひっかえ。それでメインのチェーホフの生涯を追う。休憩をはさんで前半は生い立ち(貧しい家に生まれ、医学を学ぶ)。父親の営む食料品店に入った強盗で、生瀬さんが笑わせたり。あちこちに笑いがちりばめられてるんだけど、ちょっと退屈だった。(私は)後半にぐっと引きつけられた。

 中身を盛り込みすぎ?というか、妻オリガとチェーホフにもっと焦点を当ててほしかったな、と思う。それぞれの俳優の演技の素晴らしさが、なんとなくつながっていかない印象。それと、強盗が入った時点からすでに、チェーホフが惹きつけられていた「ボードビル」なんだけど、言葉は何度も語られチェーホフにとってのキーワードみたいなのに、今ひとつイメージがつかめなくて。日本でいうボードビル(アメリカ風のボードビル。それだって言葉しか知らない)とは違うらしい・・・。

 とはいえ、4人がそれぞれにチェーホフを演じる、というのは面白かった。生瀬-段田-木場に共通する「声」の魅力が、私の中では一貫したので。井上・少年チェーホフは、若さが前面に来る声で、それはそれでピッタリと思う。

 登場人物が4人+2人、生ピアノ、有名な芸術家、という部分では、三谷「コンフィダント」を思い浮かべた(生瀬さん出演だし)。だからよけいに、「ある時期のチェーホフ」を見たいと思ったのかもしれない。

 私はチェーホフとはほとんど無縁で(そもそもロシア文学と聞いただけで逃げ出すくらい大の苦手なので)、「かもめ」と「桜の園」くらいしか見ていない。なのに、ちょっとだけ興味がわいてきていたところで見ることができて、それは「時の運」みたいに感じてしまう。もう少し、いろんなこと(チャイコフスキーなども)に素養があれば、もっともっと楽しめたはずなのに・・・、これは自分自身の問題。

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コメント

シェイクスピア・ソナタを演出した岩松了が、自分はシェイクスピアというよりチェーホフなんだといってまして、あのお芝居はチェーホフがみたシェイクスピアの世界になってるんだそうです。
私はチェーホフって課題図書だった「かもめ」を読んだっきりで、どんなイメージも持ってないので、チェーホフ風といわれても(-"-)
で、このお芝居のチケットが取れなかったことが、やっぱり返す返すも残念だったなと思った次第です(笑)

投稿: 猫並 | 2007.09.13 22:24

>猫並さま
少し時間などに余裕ができて、お芝居を見始め
足の向くまま気の向くまま、ほんとに何の考えもなく
見てきたのですが、数年前から
やはりシェイクスピアをもっと、と戯曲も読むようになり
いま、じゃあチェーホフは?となってきたのでした。
「ロマンス」がチェーホフと関係なくても見ていたでしょうが
今、チェーホフ、というのが、ほんとに天啓のよう(大袈裟)。

パブリックシアター、立見の人もかなりいましたが
3時間の立見はとても無理ですね~。腰に来そう。

投稿: きびだんご | 2007.09.14 11:07

職業俳優が定型通りに演じるのと、
深刻な舞台にする演出家に不満があったというから
なんとなくスラップスティク映画の舞台版というイメージで
思ってました。そういえばボードビルって
きちんとわかってませんね。イメージするものと
まったく違うものだったりして。だとするとそのあたりは
もっときちんと伝えてほしかったですね。
わたしはあの舞台に流れている空気が好きでした。

投稿: | 2007.09.27 17:04

↑名前、書きわすれました。

投稿: honjin | 2007.09.27 17:05

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