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2007.10.15

声についても考えた、勘三郎奮闘公演

10月14日(日) 「錦秋演舞場祭り 中村勘三郎奮闘 十月大歌舞伎 昼の部」11:00~ 於・新橋演舞場

俊寛」勘三郎/俊寛、勘太郎/丹波少将成経、七之助/千鳥、亀蔵/平判官康頼ほか 「連獅子」勘三郎、勘太郎、七之助、亀蔵、彌十郎 「文七元結」勘三郎/長兵衛、扇雀/女房お兼、勘太郎/文七、芝翫/角海老女房お駒ほか

 1、2ヶ月に1回、数人の友人たちと見に行ってる企画の一環で。といっても、提案やチケット確保は私の担当なんだけどもね。集まって話に花を咲かせる、という側面があって、「きれい」「すごい」「おもしろい」etc.が第一、とくれば、今月は演舞場ではありますまいか。よく(orなんとなく)知っている演目揃いという点でも、ポイントが高かった。

 それにしても、「俊寛」はかかりすぎの感がある。今月は国立劇場で幸四郎の「俊寛」もあるなあと思っていたら、前進座も、ですか? 右近さんたちの巡業の演目だったっけ。あ、今年お正月に歌舞伎座で吉右衛門・俊寛を見てるし・・・。

 私の中では、吉右衛門・俊寛がスタンダードなのかもしれないなあ。出演者の顔ぶれから言っても、華やいだ若々しさのある「俊寛」だったが。亀蔵・康頼が千鳥を見るときの「兄」のような慈愛の目が好き。で、途中から、私がなんとなく勘三郎・俊寛がしっくりこないと思う原因は、彼の声ではないかと感じた。ちょっと色気がありすぎというか、世話物ならピッタリ?というか。でも、幕切れのシーンは、これも説得力があって、たぶん役づくりも含めて首尾一貫してるんだよね。お馴染みの清太夫さんも含めて、まさに「勘三郎の俊寛」であった。

 多くの方々と同様、一番の楽しみは「連獅子」。もう、期待以上! 踊りのみならず長唄囃子連中もね。途中が全くダレないのは、その力もあると思う。最初のうち(昼食休憩後ということもあってか)、私の隣の3、4人組がちょっとお喋りして、またそれをいちいち前のおじさんがガンつけして・・・やや困った状態だったんだけど、まもなくそんなことは全くなくなって、私も周囲のことなんて全く目に入らなかった。長唄の方も伸びやかなつやのある声で、この長唄にも魅了された。お囃子では特に太鼓や笛の緊迫感を、今まで以上に感じたのだった。なんにもワケわかんない素人の耳さえも引きつけるんだから、おそろしや、だなあ。そして、勘三郎さんは、親子3人でこんな素晴らしい「連獅子」ができて、幸せなことだよね、とも思う。勘太郎くんの膝はもうすっかり大丈夫なのかしら。

 山田洋次監督が補綴しシネマ歌舞伎にもなるという「文七元結」。なんとなく上品に仕上がってる気がした。それにしても角海老女房で出演の芝翫丈の存在感はさすが! あれが見られただけでも幸せ。お茶っぴき女郎で小山三さんが出演されてるのも嬉しかったなあ。お声にも張りがあってお元気。欲を言えば、大家さんもどっしりした年配の役者さんがよかったけど・・・。「連獅子」で肩に力が入ったから、これで凝りをほぐして満足して劇場から出ることができた。

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歌舞伎・文楽」カテゴリの記事

コメント

「連獅子」の地方よかったでしょ~!
って、別にわたしはなんの関係もないのですが・・・(笑)。
伝次郎さんの太鼓にすっかりヤラれているので、この「連獅子」はほんと、すごく満足でした。
歌舞伎座の方は、太鼓はイマイチ活躍するところがない演目なので(先月含め・・・)、もう「待ってました!」って声をかけたいぐらいでしたよ(爆)
お笛の福原寛さんも、よかったですねぇ~。
能管のあの「ヒー」が耳に刺さりそうなぐらいで、かっこよかったぁ・・・。
地方さんのメンバーを確認するために、筋書を買ってしまった、おバカなわたしです (^_^;)

お唄は、歌舞伎座で唄っていらっしゃる直吉さんの方が好きなんですけど、お三味線は、どちらも勝国先生ということで、バリバリと弾くお三味線を演舞場で、しっとりとしたお三味線を歌舞伎座で堪能させていただきました。

演舞場に幕見があれば、「連獅子」通いたかったです~(涙)

投稿: おまさ | 2007.10.15 17:50

おまささま
私も一瞬、地方さんチェックのために
筋書きを買おうかと思ったんですよ!!
なにぶん、「鼓の家」兄弟しかわかんないもんで。
でも、買わなかったのは、やっぱりそちら方面は
チンブンカンプンだからですねー。
(あっ、昔、我が家には吉住ナントカさんから年賀状が
来てたんですよ。夫の友人がお弟子(素人)で、
一緒に麻雀をしたりの関係だったとか。
以上、芸には全く関係のない余談でした)

三味線に至っては、なんにもわかってない気がするんですが、
それでも聞いてれば、だんだん耳がついてくるでしょうかね。

演舞場、幕見がない上に、3階の安い席も少ないですものね。
やっぱりああいう舞台に出会えると
ほんとに生の良さを実感します。

投稿: きびだんご | 2007.10.15 22:02

なんでも、いろいろ聞いていると「あ、この音、好きだなぁ」とか「この声、好きだなぁ」ってなるじゃないですか。
きっと、お気に入りの方が見つかると思いますよ〜。
上手い人って、なんとなくわかりますしね。
好き嫌い以前の問題として・・・。

お囃子は、「鼓の家」ご兄弟以外は、若手ですね。
大鼓の方は、小鼓で並んでいる人たちよりは、ずいぶんベテランだそうですが。
そのお三方が、歌舞伎座にそのまま掛け持ちで出演されてます。

あのご兄弟も、30代そこそこですからねぇ・・・。
あの若さで、あの芸は、すごすぎです。

投稿: | 2007.10.15 23:49

歌舞伎座の昼をまだ見てないんですが、玉三郎の羽衣と、連獅子の地方はほぼ同じのようで。
同じ昼のうちに歌舞伎座から演舞場へと掛け持つのは凄いけど、歌舞伎座の夜の最後の奴道成寺には出てあげないのね(笑)
なんかこう、玉三郎と勘三郎と三津五郎の、チカラ?の差ってのは踊りの技量じゃないんだな…。改めてこう3人並べてみたら、やっぱり奴道成寺の地方は気の毒だったなと思っちゃいます。

投稿: 猫並 | 2007.10.16 07:59

名なしのおまささま
そうですね、歌舞伎も最初は役者さん(と台詞)だけで
そのうち踊りにも少しは目がいくようになり
だんだん地方さんのことも、「あら」「おや」という感じ。
私は自分では弾きも歌いも打ち鳴らしもしないから
純粋に「わあ素敵!」とキャッチできるようになりたいな。

猫並さま
うっきゃー。羽衣、かけもちなんですか。
知らなかった。知ってたら、昨日の3階B、挫折しなかった、かも?
三津五郎さんって、「ほんと、踊りお上手よね」の方なのに・・・。ちょっと複雑な気分です。


投稿: きびだんご | 2007.10.16 23:44

あー。失礼しました・・・。

えーと、演舞場は、タテ唄が今藤尚之さんで、歌舞伎座の「羽衣」は杵屋直吉さんがタテ唄です。
お三味線は、どちらも杵屋勝国先生、お囃子も田中社中ということになっております。

直吉さんは、玉三郎さんの、尚之さんは、勘三郎さんのタテ唄(出囃子)っていうのが、ここ数年のお決まりですわ。そして、お三味線はどちらも勝国先生。
今月は、どうなさるのかしら?と思ったら、田中家ともども掛け持ちされてますね。

夜の部の「奴道成寺」は、三津五郎様が菊五郎劇団なので、劇団系の地方さんになるのが、まぁ、普通なんですよね・・・。
でも、今月は、名古屋に菊五郎さんがいらっしゃっているので、巳紗鳳先生と長左久さんは、たぶんあちらですよね・・・。その結果、「奴道成寺」が・・・(泣)。
筋書をまだ買っていないのと、4階からしか拝見していないので、細かい地方さんの布陣は???ですが。
劇団は、朴清先生が旅立たれたのが、イタいですね。

実は、直吉さんと三津五郎様は、学校の同級生なんですよ。どこかで、ぜひ、同級生共演を拝見してみたいのですが・・・。

投稿: 名無しのおまさ | 2007.10.17 08:17

おまささま
いろいろ、どうもありがとうございます!!
巳紗鳳さんは、名古屋で拝見(拝聴?)しましたよ。
地方さんも、役者さんとの組み合わせ?があるんですね。
勘三郎さんと清太夫さんみたいならわかりやすいけど。
これからはそういうのも気をつけて見てみたいです。

朴清さんは、私でもよくわかりました。
先月、歌舞伎座で拝見してたのに、とほんとにビックリ。
ご冥福をお祈りします。

投稿: きびだんご | 2007.10.17 22:00

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