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2007.10.04

静かな秋の「野宮」

10月3日(水) 「国立能楽堂10月定例公演」 13:00~ (「高島屋コレクション 華麗なる能装束」展)

狂言「魚説法」野村万之介、石田幸雄 「野宮」シテ観世喜之、ワキ殿田謙吉、アイ野村萬斎 笛一噌仙幸、小鼓林光寿、大鼓佃良勝

 このところ、お能からは少し離れていたのだけれど、秋の深まりとともに(?)ちょっとだけ復活。万作家の狂言と、能の各派の中では唯一何度も見ている観世九皐会なので、行きやすい、というのがあった。しかも、シテは喜之先生(←矢来へ集う皆さんのまねっこ)。「野宮」は見ていたつもりだったけどそれは錯覚だった。そういえば生まれて初めて見た能が、やはり国立能楽堂の「葵の上」だったので、六条御息所には不思議な縁があるのかも。

 しかし、平日の昼間でも客席は一杯。高齢の方と外国人が多いのが目についた。でも「魚説法」は、言葉遊びの部分で楽しむものだから、日本語がわからないと気の毒? 魚の名前を織り込んだ「法談」を聞いてると、落語にも通じるものを感じちゃうな。新発地の万之介さんが、最後に「飛び魚」「飛び魚」と言いながらぴょんぴょん逃げていく後ろ姿が、めちゃくちゃ可愛かった。失礼な言い方だけど、可愛いとしか言えない。万之介さんのキャラクターでもあるな。ただしこの前、出雲で思いっきり派手な狂言を見たからか、よけい地味に感じちゃったけど。

 今日の席は、正面5列のほぼ真ん中で、申し分ないはずだったけど、橋がかりに立って喋る万之介さんが目付柱の陰&アイの萬斎さんが作り物の鳥居の柱の真後ろに(細い柱だけど、お顔がちょうど分断される位置)。笛の一噌さんなんか、作り物の小柴垣で完璧に隠れてちゃったし。ちょっとだけ、あらら~。

 九皐会を見ていた時には、ワキは森常好さんが一番記憶に残ってるけど、今日の殿田さんは「声」で記憶してた。気持ちいい声なの。それはシテの喜之師も同じかな。古稀を過ぎてらっしゃるとはとても思えない。特に後ジテの迫力には圧倒された。迫力ったって激しく動くとか、そういうことでは全くないんだけども。地謡の静かな迫力もあいまってのことだろうか。そう! 全体として静かな炎とでもいう感じ。

 終演後は展示室で能装束を見るのも楽しみだった。季節がら、紅葉を描いた装束がパッと目に飛び込んできたけど、ほかにも素晴らしい装束がほんとに間近でみられてよかった。3期に分けての展示とのことなので、また来月も行きたいな。

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コメント

うーん、国立定例は、水曜午後ってことで、見たい演目でも、たいていムリなんですよねぇ・・・(泣)。
平日昼間が都合のよい方もいらっしゃるだろうから、仕方ないですが・・・。

展示室、無料じゃ申し訳ないような展示ですよね・・・。
欲をいうと、図録が欲しいです。もちろん、有料でかまわないので。

投稿: おまさ | 2007.10.04 11:26

おまささま
そうなんですよね、水曜の1時からなんて、行ける人が限られちゃうから、高齢の方が多いのも当然。私は今はとても都合がいいんですけれども。でも狂言公演は木金の6時半からだから、ほぼ不可能なんです・・・。
能装束、ガラス越しじゃなくて直に見られるものがあって、それも嬉しいですね。

投稿: きびだんご | 2007.10.05 00:46

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