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2007.11.12

「傾城反魂香」は大向こうさんにも拍手

11月12日(月) 「吉例顔見世大歌舞伎 昼の部」 11:00~ 於・歌舞伎座

(種蒔三番叟)「傾城反魂香 土佐将監閑居の場」吉右衛門(浮世又兵衛)、芝雀(おとく)、錦之助(土佐修理之助)、歌六(土佐将監)ほか 「素襖落」幸四郎、魁春、左團次ほか 「御所五郎蔵」仁左衛門(五郎蔵)、左團次(土右衛門)、菊五郎(甲屋与五郎)、福助(皐月)ほか

 所用のため、11時には間に合わないことがはっきりしていて、いっそのこと午後の「素襖落」から見ようか、なんて思ったりしていた。3階Bだしねー。布団を干したくなるような天気でもあり・・・。それでも、と思って出かけてよかった。「吃又」はあまり惹かれる演目ではなかったはずなのに、なんか感動してしまった。

 役者さんの演技以外にもいろんな条件が揃ったのだと思う。3階で時々「大外れ」の席(環境的に)があるけれど、今日は周りもほぼ一人で来ている中高年のオバサマで、集中できたこと。オペラグラスはあっても表情よりむしろ言葉に集中していたこと、などなど。言いたいのにうまく言えない又兵衛の、もどかしさというかくやしさというかが、ストレートに伝わってきた。もしかしたら舞台から遠いからこそ、芯になるものが伝わって、またそれをうまく受け止められる客席だったのかもしれない。

 だから、最後に土佐光興(こんな字?)という名前を貰った時の拍手は、他の場面での役者が「決まった」ときに起こる拍手じゃなくて、「あぁよかったね」という拍手で、すごく客席にも一体感があった。それにプラスして、実は私は大向こうさんにも感動しちゃった。それは、おとくが「手は2本、指も10本ありながら」と嘆く場面での「京屋!」の声が、トーンといい、かけ方といい、これ以外はありえないというものだったから。なんか励ますような(というのとも違うか)、きっぱりあたたかなかけ声。聞き覚えのある声だから、ベテランの方なのでしょう。

 それに比べると、「御所五郎蔵」では、全く私と趣味の合わない大向こうさんが、やたら同じ調子で(しかもタイミングをはずして)連呼するのに閉口。ま、五郎蔵はひたすら仁左衛門さんにウットリしてたから、いいんだけどもね。

 ほんとに3階には3階から見る楽しみがあるなあと、つくづく思ったことだった。今日の「吃又」のような舞台に、また出合いたいものだ。

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コメント

いい大向うさんの声がかかると、舞台が締まりますよね。
あれも、才能+場数だと思うので、ある程度、初心者がかけるのも、未来のためと思えば、我慢しなくちゃとは思うのですが・・・。
最近、トンデモ大向うさんが多すぎて (T-T)

自分が目立ちたいからかけてるんじゃない???と、襟首つかんで、表に引きづり出したくなることがあります!

本来は、役者を褒めるための手段だったはず。その芝居に共感できたり、「よかったー」と思えるところで、それも他の人が聞いても、気持ちがよくなるような、そんな大向うさんを望みたいですわ・・・。

投稿: おまさ | 2007.11.13 00:05

おまささま
全く同感です!!!
「御所五郎蔵」の時のブブブーな大向うさんが
「吃又」の時にいなくて幸いでした。
まったくあらゆる舞台は「一期一会」ですねぇ。
トンデモさんは、ほんと「自分が目立ちたいの?」
としか思えない。声をかける自分に酔っちゃイカン。
確かに場数が必要とは思いますが、勉強してほしいです。

投稿: きびだんご | 2007.11.13 01:53

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