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2007.11.28

カフカ:ある朝、目が覚めたら・・・

11月28日(水) 「審判(2作品交互上演)」 14:00~ 於・シアタートラム

原作/フランツ・カフカ 訳/池内紀 演出/松本修 音楽/斎藤ネコ 出演/笠木誠(ヨーゼフ・K)、石母田史朗(監督・頭取代理ほか)、斎藤歩(ランツ大尉、弁護士フルトほか)、ともさと衣(銀行員・レニほか)

 11月15日から12月8日まで、同じスタッフ、俳優で、カフカの「審判」と「失踪者」を交互上演する、というちょっと魅力的な試み。23日~25日と29日~1日の「失踪者」に挟まれて、今日のマチネ、ソワレに「審判」がぽっかり入り込んでいる。これ、出演俳優が同じだから(しかも基本的に5つ以上の役を演じる)、よく切り替えられるね、と思ってしまう。というか、わりと台詞を噛むシーンが多かったと思うけど、それはむべなるかな、とさえ思ってしまう。

 シアタートラムは小さいので、あえて後方の席をえらんだのだけれど、はたしてよかったのかどうか・・・。かなり見下ろす位置に舞台が作られていて、前の人の頭で見えづらかったのだが、その後ろに2階、3階的な部分もあるので、プラスマイナス・ゼロというところかな。開演前は、舞台上のドアとベッドくらいしか見えてなかったのだが、始まって、突然、ヨーゼフ・Kが逮捕される、というシーンで、その後方の上から見下ろす人が、マリオネットのようだった。プラハの先入観が私にありすぎ?

 さて、カフカ。ある朝目が覚めると・・・というのは「変身」だけではなくて、「審判」もそうなのである。ある朝、何も悪いことをした覚えがないのに、逮捕されてしまったヨーゼフ・K。裕福な銀行員(支配人)である30歳の彼。逮捕されているのに、普通に銀行で働いている。でも、裁判はうまくいかない。だって何もかもが(審理の場所や、弁護士や)、近代的な「常識」の外にあるんだもの。

 あ、逮捕されるけれども、罪状は告げられない。最後まで、なぜ逮捕されたのかはわからない。わからないまま、処刑される。その処刑シーンでは、時代が違うのに、アウシュビッツさえ想像させられてしまった。

 休憩込みで3時間ほど。すごく濃密な時間だった。音楽の素晴らしさも特筆ものではないか。また、聖堂の鐘が計4回鳴ったと思うけど(開演時、休憩あけ、終幕ちかくストーリー中で2回)、これもまた印象的。舞台装置や演じ方など、スタイリッシュにも思えた。

Kafka02 Kafka01画像はプラハ、スペイン・シナゴーグそばのカフカ像。

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