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2007.11.18

篠井さんだから、の「ブランチ像」

11月17日(土) 「欲望という名の電車」 18:00~ 於・東京グローブ座

作/T・ウィリアムズ 翻訳/小田島恒志 演出/鈴木勝秀 出演/篠井英介(ブランチ)、北村有起哉(スタンリー)、小島聖(ステラ)、伊達暁(ミッチ)、明星真由美(ユーニス)ほか

 篠井ブランチの三演である。私は初演を見ていないので、青山円形劇場での古田新太スタンリー以来、2回目。けれども、イメージ的には、おそらくシアターコクーンの大竹ブランチ&堤スタンリーの方が、未だに残っているような気がする。舞台装置など、「画」として焼き付いているものが多いのかもしれない。・・・という点では、円形劇場を経てグローブ座というのは、篠井さんにとって「最後になるかもしれない」ブランチの、集大成、の意味もあるのだろうか。相手役が北村さんということで、配役を聞いた時からとても楽しみだったのでした。

 東京グローブ座には初めて行った。地図を片手にちょっと不安になりながら・・・。天王洲の銀河劇場のようなつくりで、悪くないかも。ジャニーズ・ファンの友だちからは、見づらい席がある、と聞かされていたけど、とりあえず今回はA列(最前列)なので、その心配はナシよ。通路をよく使っていて、それはあまり見えないんだけど、まあ、間近で見る迫力は多大! ちょうど電話台のまん前の席で、この台が落ちてきたら・・・という妄想をしてしまった(笑)。

 さて、印象に残った演出上の特徴として、いきなり登場してフランス語を喋る謎の男(役名として「見知らぬ男」=永島克)の存在がある。以後、場面転換も担う彼の存在(最後には医師とともに現れる。原作は看護婦だけども)と、同じく重要なシーンでの電車の轟音は、繰り返されることによって、意図が明確になる気がする・・・。まあ、最初は「この人なに?」と、あっけにとられたのではあるけれど。

 いつも思うんだけど、ステラは役としてすごくいい、というか、言ってしまえばお得な感もある。でも、それゆえの難しさは確かにあるんだろうな、と、だんだん気がついてきている私でもある。「妹」だからできた様々なこと、に思いをめぐらすのは、ブランチの抑制にあるのかもしれない。

 女方・篠井英介が演じるブランチは、常にクールで誇り高い。女優が演じれば甲高い声で叫ぶように喋るはずのシーンはない。その分「狂気」は薄いのかもしれないけれど、静かに壊れていく感じがある。過去の(そして空想の)男たちではなくて、現実のスタンリーとミッチとのやりとりに、より重点が置かれる。

 スタンリー。カッコいいじゃないの。粗野と子供っぽさが同居してる。エネルギッシュな「新しいアメリカ」なんだよねぇ。ミッチは思いっきり甘ちゃんの雰囲気で、もしかしたらそういうところにブランチは欲得ぬきで惹かれたのかも、と思わせるものはある。

 このところ、明星さんを見る機会が多くて、そのたびにピリリといい感じだなあと思うんだけど、今回もまさにそう。たくましいおっかさん的な雰囲気。彼女の存在は、ストーリーの中で「救い」なのね・・・。

 今回は小田島恒志さんの新訳での上演。私は雄志氏の訳(新潮文庫)は持っているんだけど、息子・恒志さんがパンフレットの鼎談の中で「父の訳はかっこいい」と言っていて、同じ道を選んだ父子の関係が垣間見られる(「日本で一番、長嶋一茂の気持ちが分かる人間を自称している」、とも)。

 これから3年、グローブ座で鈴勝&篠井の芝居がかけられるそうで、来年は「サド公爵夫人」。8月です!

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