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2008.01.21

「老い」にとらわれすぎた、私の「リア王」

1月20日(日) 「リア王」 13:00~ 於・さいたま芸術劇場

作/W・シェイクスピア 翻訳/松岡和子 演出/蜷川幸雄 出演/平幹二朗(リア王)、内山理名(コーディリア)、とよた真帆(リーガン)、銀粉蝶(ゴネリル)、池内博之(エドマンド)、高橋洋(エドガー)、山崎一(道化)、吉田鋼太郎(グロスター伯爵)、瑳川哲朗(ケント伯爵)ほか

 同じさいたま芸術劇場で、開演時間を間違えたのはちょうど1年前の「コリオレイナス」。のど元過ぎればなんとやら、で、今回もあやうく2時に行くところであった。あぶないあぶない。前回の「オセロー」は平日ソワレを見に行って、終演が11時近かったのに懲りて今回は日曜日のマチネにしたのだけれど・・・どっちがいいかは微妙なところ。つまり、ほぼこれだけで一日が終わってしまうので。いずれにせよ、やっぱり根性(相当な熱意)が必要なことには変わりない。

 そして、「オセロー」同様、見に行くかどうか迷うとしたら、コーディリアが内山理名、という点でありましょう。でもまあ、平幹二朗のリア王を見たい!というのが、うんと勝ったのでした。(若干ネタバレあります)

 うーむ。まる一日たっても、重厚な平・リア王に酔っているような感覚。圧倒的な存在感なのである。それでも、吉田、瑳川の善人チームとか、高橋、池内の若者チーム、とよた、銀粉蝶の悪女組・・・それぞれに持ち味を発揮していて、すっごく厚みのある「リア王」であった。

 その中で私が意外に思ったのは、エドマンドの池内さん。ぎらぎらとどすぐろい若者の心情が、きっぱり直線的に演じられていてとても惹かれた(しかしとても顔が小さい! 父親役の吉田さんの顔の横に彼がくると1/3くらいにしか見えない)。で、高橋さんの「善良」な部分が強調されるような。でも、エドガー・高橋は、とても難しい役。「オセロー」ではイヤーゴーを演じたし、それだけ蜷川さんが評価してるってことに他ならない。

 同じく、意外なほどよかった(というのはテレビの人のような気がしていたから)のは、とよた真帆。で、問題は内山理名、かな。頑張っているのだけれども、声を張り上げてるだけというか、台詞がちゃんと伝わってこない。なんていうのかな、他の人たちが、(手抜きということではなくて)80くらいの力で100を伝えるとしたら、彼女は100以上の力でもまだまだ・・・というイメージ。出番は少ないが、見ている方もちょっと緊張しちゃって。

 でも、蜷川さんが蒼井優とか彼女のような、ほとんど舞台経験のない女優を起用しつづけることにも、きっと意味があるのだろう。

 で、今回の「リア王」は、蜷川さんが「老い」という観点から見つめ直した(?)ようなことだったっけ。私自身も、たとえば兄弟が親の世話をする、なんていう話が身近になってきていて、その分、若いときとは見方が違ってきてるのかもしれない。それがかえって自分の視野を狭くしてしまったのではないか、という気もしてくる。

 幕が開いたらば、能舞台の鏡板のような一面の松の絵に、左右に大きな紅白の梅。そして舞台の上には土が・・・。重要な嵐のシーンも、別に水を使ったりするわけではなくて斬新的。

 リア王がコーディリアの亡骸を抱いて、嘆き、「二度と、二度と・・・」を5回繰り返すその言葉を、私も味わいました!!

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コメント

私も今日、見てきました。役者さんについての感想はまったく同感。池内クンと吉田さんの顔の大きさについても、私もまったくその通りの感想をもちました(^^)。
とよた真帆さんも同感。こんなに上手いとは期待していなかった。
芝居もよかったです。私、後半かなり泣きました。
ちなみに私のご贔屓は高橋洋さんです。

投稿: SwingingFujisan | 2008.01.31 20:37

SwingingFujisanさま
1月の観劇の締めは「リア王」でしたか。まずはお疲れ様でした。あ、劇場へは私よりは行きやすいのかな。
高橋洋さんって、私自身は見てる間はいろいろ文句つけてるんだけれど、後々その芝居を思い起こすときには、いの一番に出てくるんですよねー。きっとこの「リア王」もそうに違いありません。
また全く違うキャストや演出のリアも見てみたいな。シェイクスピアにはそんな楽しみがずっとずっと続きますね。

投稿: きびだんご | 2008.02.01 00:31

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