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2008.01.23

「等身大」を拒否する人・野田秀樹

(通算600個目の記事です)

1月23日(水) 「野田地図 第十三回公演 キル」 14:00~ 於・シアターコクーン

作・演出/野田秀樹 美術/堀尾幸男 衣裳/ひびのこづえ 出演/妻夫木聡(テムジン)、広末涼子(シルク)、勝村政信(結髪)、高田聖子(人形)、山田まりや(フリフリ)、村岡希美(J・J)、市川しんぺー(案人ガイド/ヒツジ・デ・カルダン)、中山祐一朗(旅人ポロロン)、小林勝也(イマダ/蒼い狼)、高橋恵子(トワ)、野田秀樹(バンリ/真人バンリ)

 公演パンフレットの中では、たぶん野田地図のパンフが一番好き。1000円という値段も納得だし、内容は読み応え充分! 特に野田さんの「巻頭言」にはいつも注目しているのである。

 今回は「富士山を太平洋にブン投げる」というタイトルの文章で、またしてもガツーンと。「私は、大風呂敷を広げて、大嘘をまことしやかに作り上げることに、全身全霊を傾ける類の作り手だ」とする(タイトルの意味もここにある)。ええ、私も「まことしやかな壮大な嘘を見たい」です!!

 「キル」はNODA・MAPの第1回公演作であり、キャストを変えながら今回が3演となる。私は全く初めてで、あえて内容などを知らないまま見に行った。まあなんとなく「モンゴル」「遊牧民」などという言葉は聞こえていたのだけれど。

 いつもながら、あらすじなどを書くのは全く不可能。もうねぇ、繰り出される言葉のいろんな意味と、重層性の中で、きもちよく遊んでいる気分すらする。「きるはいきる」とか、キル、切る、着る、生きる・・・? 蝋人形のろう、「とろう、かげろう、しんきろう、もうろう」・・・? 世界を征服? 制服で??

 上演時間、15分の休憩込みで2時間22分(終演が16時22分と書いてあった。20分でも25分でもなく)。その中で、確かに壮大な空間も時間も見えたと思う。さすが、3演も重ねるだけのことはある。この物語を作り出す才能に、まずは感嘆。

 そして出演者。最近のいろいろなお芝居同様、主役が・・・という声はあった。私も特に、ヒロスエ?と思ったりしたのだけれど、シルクという役には悪くないのでは。妻夫木くんも初舞台だそうだけれど、輝いてたよー。でも、うまさで注目はやっぱり勝村&高田かなあ。この2人がいると、舞台が生き生きする。高橋恵子の母性とかもね。ピンと来なかったのがあるとすれば、旅人ポロロンくらいかな。

 あ、役者としての野田さんは相変わらず走り回り、身体の柔らかさを見せつけ・・・。ずーっとこんな調子で行くのでありましょう、彼は。次はどんな「壮大な嘘」を見せてくれるのか、今から楽しみにしていよう。もっともっと、どんどん、走り続けてほしい。

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