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2008.02.22

せんがわ劇場と、「時の物置」ポストトーク

Sengawa_2  ←せんがわ劇場オープニングイベント「せんがわ劇場アンサンブル 0(ゼロ)番目企画」は、「時の物置」(=1961年の日本)と、「モバイル」(=テロの現代、携帯不可欠の世界)の2本が上演される。入口で渡されたプログラムは、2作品共通で、A4判カラー16ページ(画像はその中の、芸術監督と俳優の座談会)。観劇料は2500円(通しだと4000円)というのに、こんな立派なのをタダでもらっていいのかしらん。あ、私の払った市民税も入ってる? いや、自治体の財政が悪化すると、真っ先に切られそうな部門だからこそ、末永くねー、という思いなので。

 せんがわ劇場アンサンブルとは、昨年9月のオーディションで選ばれた70名の俳優・スタッフからなる劇場所属の劇団で、自主事業をプロデュースしていくという。ボランティア・スタッフではあるが。趣味的なアマチュア集団ではない、とプログラムで宣言している。

 2月20日のポストトークでは、ペーター・ゲスナー氏の思いの一端もうかがうことができたのだった。

 ゲスナー氏は旧東独・ライプチヒ生まれで40代半ば。1993年に来日して、北九州市で「うずめ劇場」設立。現在は桐朋学園短期大学演劇専攻科准教授である。日本語は時々、?のこともあるけれど、まあ不自由のない程度にはしゃべれるので、ポストトークは、永井愛さんと2人で対談(というか、聞き手)。その前に、劇場の理念などをひとくさり。

 目指すのは「地域に根ざした演劇」ということに尽きるのではないか、と思う。せんがわ劇場アンサンブルの活動が端的に表すように、ヨーロッパの町々に見られるような真の意味で「地元の劇場」。だから、学校教育ともリンクしていく構想らしい。

 さて、永井愛さん。実は公演にあたっては、ゲスナー氏は彼女に演出も依頼したそうである。しかし、忙しいからと断られ、自身の演出ということになった。という経緯の話から・・・劇作家としての永井さんは、「とにかく作品が全く書けてなくても、とりあえず劇場を押さえるところから始まる。そして押さえてしまったら絶対に作るしかない」ということの繰り返しに疲弊しているのだという。なので、このところ新作を作っていない。去年はピースリーディングのみ(これにも私は行ったけどね)。

 この「時の物置」は稽古段階で作家の目から、ダメ出しもしたらしい。とはいえ、出来としては、うーん、というニュアンスに私は見えましたが・・・。ゲスナー氏は何でも忌憚なく言ってほしい、それを受け止め、作っていくのが大人としてのあり方だ、という考えの持ち主。(対して、永井さんは、以前もそう言われていろいろ言ったらすっかり嫌われたことがある、なんてことも)

 あ、永井さんは桐朋の卒業生なので、京王線に乗ってるときに昔を思い出して胸キュンだったそうです。劇団に入って女優になりたいと思っていたけど果たせず、卒業式では役者へ「前途洋々」のグループと、お先真っ暗のグループ、見事に二分されてたんだって。

 永井さんから見たゲスナー演出で、「自分には絶対にない発想」は、要するに男女間のことのよう。光洋と萩さんのキスシーンとか、長女夫婦(物質主義の権化)が新庄家でイチャイチャするところなど、すごく新鮮だったそう。このあたり演出家・永井愛の目、ですねー。

 せんがわ劇場は、駅から近いという立地条件のよさもあって(快速と各停しかとまらないけどもね)、おもしろい存在だと思う。見守って行きたい。

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