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2008.02.16

インドネシアの演劇を見る

2月16日(土) 「アジア現代演劇プロジェクト〈インドネシア『オン/オフ〉』」 13:00~ 於・シアタートラム

作・演出/ディンドン・WS 出演/テアトル・クブール (インドネシア語上演:字幕つき)

 何しろ、一番好きな劇場が世田谷パブリックシアターなもので、その様々な試みも楽しみにしている。・・・のではあるが、このアジアの現代演劇とのコラボレーションは2005年以来、今回が3本目にして初観劇。しかも誘われて、という次第で、全く自慢できたものではありませぬ。今年はこのインドネシアの「オン/オフ」と、マレーシアの「ブレイク-ィング」の上演で、ものすごく正直に言うと、時間さえ合えばむしろマレーシア(言語にまつわるものらしい)を見たかった。が、この「オン/オフ」、かなり面白かった。

 シアタートラムの、俯瞰する座席は舞台を見るにはいいのだけれど、両端に置かれた字幕の映る大型テレビモニターを見るには、少しツライ。自由席だったから、中央ブロックのかなり後方を選んで、この選択はよかったと思うのだが。舞台には、ちょうど土俵のように円形のラインが引いてあって、その外側で俳優が衣装を替えたりもする(かといって全くのオフステージというのでもない)、不思議な空間。そして、その外側、下手寄りに演奏者(太鼓など)。

 演じるスタイルなどが全くわからないので、最初のうちはちょっと戸惑い気味に観劇。インドネシアの森林地帯に先祖代々暮らす一家(母親、長男夫婦+息子、次男夫婦)に、「アメリカ的価値観」が押し寄せ、男たちは別々にアイデンティティを求めてさまよい傷つき、その結果として女も・・・。正味1時間50分ほどの中に盛り込まれたものはあまりに多い。グローバリゼーションであり、森林破壊=環境問題であり、またイスラム(自爆テロ)であり、男社会でありetc.。でもそれが過剰に重くならないのは、身体表現の豊かさとリズムのゆえ、なのかもしれない。観念を台詞ではなくて身体が表現しているから、とでも。

 面白かったのは、中盤あたりの「兄」の立ち回り的シーン。兄以外の8人の男たちがそれぞれ竹の棒(2メートル余りと思われる)を持っていて、最初のうちは踊りのような感じだったのが、だんだんアクロバティックになる。ちょうど歌舞伎のハシゴを使った立ち回りをイメージするといいかもしれない。ここが動的に熱くなるシーン。そしてその後、「ジハード」に向かうことを妻に告白する「弟」のシーンが、ラストに向かう前の静寂、というところかな。

 謎の男の存在(神のようだけれども、そうでもない?)もあって、わかりにくい部分もあったけど、なかなか刺激的だったと思う。字幕操作が大変なのか、台詞においつかなかったり、というのもあったけど(でも、そもそも字幕も見るのが大変)。ふだんはウヘヘと思う英語だけど、インドネシア語の中にちょこっと入ってるとむしろホッとしたのが(とりあえずインドネシア語よりは意味のわかる単語だから)、我ながら意外な発見だった。

 この公演は確か、マレーシア、インドネシア、各3公演だったと思う。そんなにお客さんの入りもよくないし、この先、大丈夫なのでしょうか・・・。なんにつけ、数字で表れる成果を求められる現代、こういう取り組みの行く末が気にかかる。

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