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2008.03.09

今年の卒業式では、国歌を歌いましたか?

3月8日(土) 「歌わせたい男たち」 14:00~ 於・紀伊國屋ホール

作・演出/永井愛 出演/戸田恵子(仲ミチル・音楽科講師)、大谷亮介(与田是昭・校長)、小山萌子(按部真由子・養護教諭)、中上雅巳(片桐学・英語科教諭)、近藤芳正(拝島則彦・社会科教諭)

 2日続けて、新宿・紀伊國屋のホールである。これ、片方だけだったら劇場を間違えてる可能性が大あり。まぎらわしいと思うのはソコツだから?

 初演時に数々の演劇賞を取った作品の、同じキャストでの再演である。初演が3年前というのはよく覚えている。息子の高校の卒業式があった年で、思わぬ成り行きから親子でベニサン・ピットに見に行ったのだから。その時も書いたと思うけれど、学校行事での「君が代」というのは、息子の小学校の卒業式いらい縁がなくて、ある意味、幸せなような、しかしあまりに葛藤がないがゆえに「それでいいのか」という思いもあったのだった。

 今回は劇場の規模が大きくなっているから、その分、緊張感が分散しているような感じも受けた。緊張感というのは、テーマゆえの、という意味で。客席にいて受ける、客の側の「切実感」とでもいうか、それは前回の方がより濃密だったように思う。ま、ベニサンの空間ゆえ、だったのかもしれないが。

 二兎社に直接申し込んだチケットは、2列目の上手寄りで、舞台を見上げるような感じになるので、最初はどうかな・・・とも思っていたのだが(校長の演説シーンを知っているだけに)、近い分、俳優さんの迫力はすごく感じられた。特に近藤さん! 熱血体制派教師の片桐=中上さんの熱さは、まったく今どきの青年っぽい軽いものなんだけど、社会科教師・拝島=近藤さんには、悲哀すら感じさせられるような重みが。ちょっと圧倒されてしまった。戸田恵子さんはまさに適役。しっかり者のイメージが強いと思うんだけど、教育現場のことはわかってなくて、だけど「学校で生きていく!」という切実さが伝わってくる。

 比べれば、なぜか今回の方が面白く見られたんじゃないかな。今はまさに卒業式のシーズンではあるけれども(そういう時期にあえて上演しているらしい)、むしろ自分にとって卒業式が縁がなくなったゆえに、ちょっと距離を置いて見られて、面白さにつながったのかもしれない。アハハと笑っていいじゃない、生きていくことのつらさもせつなさも、ひっくるめてアハハと言っちゃえ、そんな気分。前回よりも、拝島先生にも校長にも(正反対の二人に)、親しみを覚えちゃったな。

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