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2008.05.26

勢揃い!を楽しんだ白浪五人男

5月25日(日) 「團菊祭五月大歌舞伎 夜の部」 16:30~ 於・歌舞伎座

通し狂言 青砥稿花紅彩画 白浪五人男」菊五郎(弁天小僧菊之助)、團十郎(日本駄右衛門)、左團次(南郷力丸)、時蔵(赤星十三郎)、三津五郎(忠信利平)、田之助(柵)、富十郎(青砥左衛門藤綱)ほか 「三升猿曲舞(しかくばしら さるのくせまい)」松緑

 夜の部の外題は、どちらも難読。歌舞伎検定では、読みを問われたりするのかしら。とくに有名な「あおとぞうし はなのにしきえ」の方は。読めたとしても、雑学以外、なんの意味もないかな。でも、お芝居ができた背景なんかが、この7文字の中に込められているそうで、そんな楽しみもある。「青砥」だものね、がぜん青砥藤綱に興味を持っちゃったわー。

 などと、なんだかワケのわかんないことから書き始めてしまったけど、それもこれも、「この人にこの役」というのがほんとにピタリと決まっていて、すごく面白くて、余韻に浸っているから。冒頭の田の助さん、ラストの富十郎さん、團蔵さん、東蔵さんなどなど、少しだけ登場の皆さんもそれぞれに素敵で、いや~満足満足。

 ところで、すぐに忘れる私は、以前に「通し」で見たのはいつだったのか、と、ものすごく考えてしまった。それが知りたくて筋書を買ったようなものかも(いや、もちろん舞台写真入り、というのも楽しみだけど)。そうしたら、4年前の4月、勘三郎(当時はまだ勘九郎)の弁天小僧の時だった。彼の弁天と三津五郎の南郷力丸コンビは、すごく記憶にあるのに、それは通しで見た時だった、というのが結びついてないんだわー。

 序幕・千寿姫の梅枝くんが、いかにも一途なういういしいお姫様で可愛かったなー。守ってあげたい感じ(笑)。ダメダメだまされちゃ!と。 梅枝くんを私は国立劇場「本朝廿四孝」奥庭の人形遣いで認識したんだけど、着実に成長していて、ほんと先が楽しみ。こうして次の世代が出てくるのね。

 菊五郎丈は、最初に登場した時が一番おトシっぽくて、場面がすすんでいく間にどんどん若者のように見えてくる(まっ、ほぼセンターとはいえ12列という「遠さ」もいい方に作用したのかもしれないけど)。途中でそんな感覚に襲われて、目を凝らしたりしちゃった。左團次・南郷との呼吸もピッタリで、浜松屋の場は、それぞれのシーンシーンを大事に記憶の中に留めておきたい、という気がした。

 そして、三津五郎・忠信利平が想像以上に大きくて立派で、カッコよかった。團十郎・日本駄右衛門の圧倒的な存在感や、時蔵・赤星十三郎のきわだつ柔らかみ・・・5人の勢揃いはほんとに眼福ではありますまいか。こうして役者が揃うことの重要さもまた、教えられるような気がした。タイトルにした「勢揃い」というのは、稲瀬川の、5人の、ということではなくて、先に名前を挙げた人間国宝のお二人をはじめとした皆々様のことだけども。

 大詰めの屋根の上での立ち回りから始まる、さまざまな仕掛け。これまた歌舞伎を見る楽しさに満ちあふれている。よくあんなのを考え出すよね。あの派手な仕掛けの中で死んでいく弁天小僧の、その死に際が、より印象的に残っている。通しで見ることができて、とても幸せでした。

 ところで、何ヶ月か前の「オール讀物」のグラビアで、時蔵さんたちが小さいころに「五人男」を演じたときの写真が載っていた。たしか芝雀さんが日本駄右衛門、時蔵さんが赤星。その時蔵さんの「おちょぼ口」のかわいらしい写真を思い出した。もう一回、雑誌を探し出して見てみようっと。

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コメント

今月の「白浪五人男」ほんとに、役者揃いでしたね。今、最高の配役じゃないか?と思います。
もう一度、見たかった!

きびだんごさんにつられて、わたしも、4年前の日記をひっくり返したら、下と上から1回ずつ見てました(笑)。
その月、三津五郎さまについては、昼の部の青山播磨にノックアウトされていたようです・・・。

梅枝くん、成長が楽しみですよね~。千寿姫は、ほんと守ってあげたくなりました(笑)。

投稿: おまさ | 2008.05.26 16:08

お、微妙にニアミス、今日の千穐楽を観てきました。團菊祭、しめました!って気分で。
なんか、コクーンの初日にお目にかかれなくて、あとはずっとすれ違ってますよね。博多も?!

私は、この前歌舞伎座で観た通しでは、勘三郎が大屋根で立ち腹を切ったあと、がんどう返しで退場してから早代わりで奈落に下りて、藤綱になってセリ上がってきたのだけ、妙に印象に残ってました(^^ゞ

投稿: 猫並 | 2008.05.26 23:03

おまささま
私も今月前半の多忙さえなければ・・・ですが、でもそうするとコクーンとの間で身を切られる思い(? どうせなら分身の術が使えればよかった)だったでしょうから、まあ一度きりを堪能しました。
しっかり見せていただきました、という気持ちです。
三津五郎好きの母親に、夜の部も見せればよかったかな、というのがちょっと心残り。


投稿: きびだんご | 2008.05.26 23:37

猫並さま
ええ。今日の猫並さんは絶対に歌舞伎座・夜の部だよな、と思いながら、前楽のコクーンの席に座っておりましたよー この微妙なズレ具合がたまりませんね。博多は、さて・・・? 日曜月曜で遠征する人はそうはいないかしらん。
勘三郎の時の私は、きっとあまりに派手な「仕掛け」に目を奪われてたんじゃないかな。

投稿: きびだんご | 2008.05.26 23:42

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