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2008.05.27

私の千秋楽:シアターコクーン

5月26日(月) 「わが魂は輝く水なり」 19:00~

 コクーン千秋楽は27日のマチネなのです。なんでなんで・・・。私は月曜日も水曜日も、マチネOKなのに、火曜日はぜったいNGなんだよぉぉ。ゆえに、歌舞伎座の楽を捨てて、コクーン前楽ということになってしまった(理由はまあ他にもあるけどね)。だから、私にとっての千秋楽、すっごい意気込みが周りの人にも伝わっていたかもしれない

 で、席は今までで一番前、2列目の右ブロック、でも比較的通路寄り、というあたり。菊ちゃんがほぼ真正面に来たりして、そうすると頭の中でストーリーがややお留守になってしまうのさ。萬斎さんをたっぷり見た、という実感があるのは、やっぱり近かったゆえでしょうか。

 表面的にはそう難しくはない話だと思う。目の前に与えられるものを、素直に受け入れていけばいい。そういう意味では、今までに見た中で、初日に一番心打たれた「泉のほとりでの親子の夢幻のような世界」とか、透明感があって自在な存在の亡霊とか、美しいままに記憶にとどめたい。考え始めると、いくらでも難しくなっちゃう、というあたりが、演出家の罠、と勝手に決めました(つまり、考えることを放棄したというわけ)。居直り、とも言う?

 でも、妙に心に残っているものがあって、それは、「小釣ケ谷の大ひのき」と「大発生したねずみの群」。どちらも二度、出てくるのだけど、不思議なリアルさを伴っている。きっとこれから私がこの森を想像するときには、必ず天に向かって伸びる大きなひのきがあって、陽の光りを浴びているだろう。近くに泉があるかもしれない。そこだけは不可侵な感じに美しいのに、日の差さぬ木々の根元とかそこら中に鼠の大群。ま、こんなイメージ。

 その森に人を配置すれば、亀三郎さんは小動物のように駆け、菊ちゃんはふわふわ浮遊し、萬斎さんの老将・実盛は、さて、何をさせましょう。父と子の話であり、また「老い」の話である、というふうにとらえても、悪くはないよね。

 俳優さんは、けっこう余裕のようなものも感じられた。ちょっとしたやりとりの呼吸なんか。特に萬斎さん周り。「ふぶき」も少しは聞きやすくなったような・・・こちらが慣れたのか? そして、ひとり維盛の長谷川さんだけが、大将でありながら戦乱の外にいる、いかにも平家なんだわー。

 ところで、今日、最前列のセンターの人がコックリコックリしていて、私はどうしても目に入っちゃうので、正直、気になってしまった。だって、目の前のあんな近くに俳優がいるのに、舞台からも見えてるでしょう、という場所なんだもの。休憩時間で復活してるのを期待したけど(じっさい2幕の方が面白いかも?)、やっぱりダメであった。最後まで・・・。折角そんないい席にいるのに、勿体ないなあ、と。替わってほしいくらいだ。カーテンコールの時に、なんとなく萬斎さんがガンつけてたように思えたのは、私の先入観のなせる技、ですかね。

 私の千秋楽ですから、カーテンコール、最後は立っちゃいました ちょうど目の前にいた城貞康の二反田さんが、すっごく可愛らしい表情をしてくれて(無防備に子どもっぽい)、幸せな5月が終わったのでした。ま、日々幸せに感じることがたくさんあって、舞台を見てれば言うことはないのかもしれない。

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演劇」カテゴリの記事

コメント

えへへ、私もたった1回の観劇が2列目でしたのよ~ 真ん中ブロック下手通路近くで。
何度もご覧になると、なるほど考えることを放棄するという開き直りができるんですね。それが一番かも。演出家はいろいろな罠を仕掛けてきますからね。
私も最前列居眠り経験あり、です。絶対、役者さん睨んでいると思う。

各駅の発車メロディー、昔「タモリ倶楽部」でもやりましたよね。息子さんが凝っていらしたのはその頃かしら(って、具体的にいつだったか覚えていませんが)。

きびだんご様の記事を拝読して、私も「オール讀物」取り出しました。みんな、めっちゃ可愛い。梅枝時代の時様の素顔の写真持っていますが(昔の筋書き)、まあその美しいこと 私、その記憶から時様後援会に入ったという次第でございます。

3種のコメント、1度にまとめたズボラさ、お許しください。

投稿: SwingingFujisan | 2008.05.27 11:53

むふふ、1日遅れて?観てきましたよ。
お腹一杯(^^)v

そうそう、最初と最後にBGMみたいに流れる平家物語。最初聞き取れなくて、「しょうじゃの、かねのこえ」が聞こえてようやく「ああ」と思った初日、そして中日。今日は構えて待ってて、やっぱり最初の「ぎ」がわかんないんですよ…鼻濁音なのかなぁ…気になる。

投稿: 猫並 | 2008.05.27 21:19

SwingingFujisanさま
コクーンはねばってお取りになった席でしょ。下手側の通路の方が、何回も使われてたし、よかったですね
終わってみればあっけなく、今は「宴の後」状態で、ちょっと寂しいですけど、また「次」に向けて私も頑張ろうというところです。

「タモリ倶楽部」は全然見てないんですよ。基本「乗り鉄」なんですけど、発車メロディの前は、電車に乗って行った先の郵便局で100円ずつ貯金する、というのをやってた時代もあります。小学生の頃かなあ。

あの「オール讀物」のグラビア、特に時蔵さんの印象が飛び抜けて強いんですよ。雑誌を私は手元に持ってないんですが、ほんと目に焼き付いてます。

投稿: きびだんご | 2008.05.27 22:28

猫並さま
まっ、その「1日遅れ」は天と地ほども違いがあるのにぃぃ 今日、仕事してて、つい時計を見ちゃいましたよ。今頃・・・と。
「音」はわりとオーソドックスだったですよね。冒頭の「祇園精舎・・・」は、2回目以降は意識して聞いてたつもりでしたが、ぜーんぜん何も感じてなかった耳に問題あり、かも。途中に入るピアノの音が、清らかな水のイメージでした。

投稿: きびだんご | 2008.05.27 22:35

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