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2008.06.22

「声の力」を実感した

6月21日(土) 「第6回 朗読の日 Cプログラム」 16;00~ 於・博品館劇場

朗読作品:「母べえ」(野上照代)、「ありがとう名人」(齋藤茂太)、「にごりえ」「十三夜」(樋口一葉)、「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか」(アレン・ネルソン)、「雪解け」(覚和歌子)--休憩--「火垂の墓」(野坂昭如)、「おこんじょうるり」(さねとうあきら)、「雨月物語より『吉備津の釜』」(上田秋成)、「世界から読む バイリンガル源氏物語

 チェーホフの戯曲を声に出して読む、という講座を一緒に受けた人が出演するので見に行った。個人的にあれこれ話しているわけではないのだけれど、15人程度という少人数なので、何かと親しくなるのである。彼女はその講座でも、「専門的にやってるでしょ」というのがすぐにわかる発声だったのでした。

 ほんというと、世田谷パブリックシアターの「能楽現在形」が昼の公演だったなら、迷わずそちらへ行ったと思うけど、夜だったので、さんざん迷ったすえに、こちらに行くことにした。何しろ、金曜は「かもめ」で、日曜のコクーン歌舞伎も夜、という予定を早くから入れていたから、さすがに週末に3日連続で夕食時にいない、という事態を自粛したっていうわけ。

 朗読を聴くことはわりと好きだけれど、こんなにまとめて、しかも照明や音楽などもきちんとついたのを聴くのは初めてだと思う。読む人の個性に合った作品を、それぞれの味のある声で聴く、というのは、ほんとに面白かった。主催の「NPO日本朗読文化協会」の理事長さんが挨拶でおっしゃってたけど、音読と朗読の違いは、「聴き手の存在」なんだよね。幸せな聴き手でありました。また、ただ椅子に座って読むjのかと思っていたら、それは大違いで、場面ごとに立ち位置を変えたり、照明も考えられていたり、なのでした。衣装も、作品に合わせて着物だったりも。

 作品として印象に残ったのは、映画(未見)にもなった「母べえ」と、ベトナム戦争帰還兵の「ネルソンさん~」、「火垂の墓」という、戦争に関わるもの。特に「ネルソンさん~」の説得力のある読みは、忘れがたい。また、その「ネルソンさん~」の後に、シュールな創作世界の「雪解け」だったりするような、構成の面白さにも感心した。どの朗読も、この人以外ではありえないのでは、と思わせるような味わい深さがあった。

 ただ、ふだん落語などで「イメージする」という作業に慣れているからか、背景となる映像や音楽が、かえってうるさく感じられる時もあった。「雪」と言ってるときにバックでそういうシーンが映ったり、ほんとに嵐のような音がしたり、などというのは、余計なんじゃないかなあ。有名な曲の部分が使われると、そちらにも気を取られるし。

 「バイリンガル源氏物語」は、4人が並んで立って(日本語2人、英語2人)、基本的に同じシーン(源氏の冒頭部分)を日本語と英語で。うーん、英語だけで、字幕があった方がわかりやすいかもしれない。そうすると趣旨とははずれるのかもしれないけど。

 全体を通して、直接「声」で聴くことの、確かさや優しさみたいなのを、すごく感じた。聞きながらふっと、だれもがこんなふうに人の声をちゃんと聴くことができたなら、悲惨な事件も減るのではないかしら、なんてことも思ったのだった。

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