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2008.06.12

帰りたくなくなる博多座

6月9日(月) 「六月博多座大歌舞伎 昼の部」 11:00~

 「寿曽我対面」松緑(五郎)、菊之助(十郎)、梅玉(工藤祐経)、翫雀(小林朝比奈)、松也(大磯の虎)ほか 「京鹿子娘道成寺」藤十郎、所化=翫雀、松江、男女蔵、亀三郎、亀鶴、松也、梅枝、萬太郎、寿治郎ほか 「髪結新三」菊五郎(新三)、時蔵(手代忠七)、菊之助(お熊)、秀調(車力善八)、松緑(下剃勝奴)、團蔵(弥太五郎源七)、左團次(家主長兵衛)ほか

 昼の部の席は、3列目の左ブロック・通路際。すなわち花道から4つ目の席でした。うーん、夜の部をこっちで見たかった? 「道成寺」では左隣の人が手拭いをキャッチ、そのお隣さんは「花子」が口紅をぬぐった懐紙を。いや、どちらも全然うらやましくはないですケド

 「寿曽我」。小林朝比奈の顔を見てると、キャンバスとして描き甲斐がありそうだなぁ、なんて不埒なことを思ったりして。先月、コクーンで大活躍だった亀三郎さんはあの役作り(?)で、痩せたんだっけ。夜の部・忠信利平にしても今ひとつの感が。演技云々じゃなくて(そんなものは語れない)、こちらへ向かってくるもののパワーみたいなものが。・・・いや、こちらの期待が大きいと思ってくださいな。松也くんの大磯の虎、梅枝くんの化粧坂の少将。気分的には久しぶりに松也くんの綺麗な女形を見た、というところ。ここでも、菊之助&松緑を楽しむ。安定してるから、見てる方に余計なものが混じらない。

 藤十郎「道成寺」は今回も満喫。夜の部の青衣の上人とともに、目に見えない芸の力というのを、しかと感じたように思う。特に、鐘入り(というか上るんだけど)の直前、ほんとに情念がうずまいてるみたいな雰囲気に、はっとしちゃったもん。ところでこの日の「舞尽くし」は、誰だかワカンナイ 所化の中で極めてお年の人、筋書の名前からして、寿治郎さんかな、というくらい。なにしろ花道に所化さんたちが出て来たとき、近くの人が、「わー、お年寄り」って言ったんだよね。近くの人ということは、花道の近く、ということでご本人にも聞こえてるんじゃないかしら。翫雀さんが指名する時も「一番の老僧」なんて言ってた。ま、他の人が助け船を出しつつ、短めに。松也くんとか亀三郎さんに当たりたかったなぁぁ。記憶には残っていい、と思うことにしよう。

 「髪結新三」を前に菊五郎で見たのは、もう5年も前なのか。やっぱりお熊は菊ちゃんよねー、と、その後、見るたびに思ってしまうのだった。季節感と江戸の風情満載で(お店、髪結、魚屋、大川、そば屋などなど)、そこにピシッとおさまる菊五郎の存在感・・・取り立てての演技とかってことじゃなくて・・・を改めて感じたのだった。

 もちろん音羽屋親子が見たくて博多まで行ったわけだけど、時蔵、松緑の充実もあって(特にこの二人をいいなぁと思ったので)、ほんとに満足 

 もう一回、見たいのにな・・・と、後ろ髪を引かれながら博多座を後にした。違う路線に乗っちゃったのも、そんな虚脱状態ゆえでしょう。初の博多座も、いい場所にあるし美味しかったし。客席の「スレてない」雰囲気もくつろげるモトだったと思う。

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