« 毒(白鳥)をもって、毒(笑福亭)を制す? | トップページ | 松也くんを見守ってます »

2008.07.24

150センチ先の篠井さん

7月23日(水) 「3軒茶屋婦人会 第3回公演 ウドンゲ」 14:00~ 於・ベニサン・ピット

作/赤堀雅秋 演出/G2&3軒茶屋婦人会 出演/篠井英介、深沢敦、大谷亮介

 実はイイ年、のオジサンたちが、臆面もなく女装して根っからの女性を演じるこの会、私は第1回から見てますよー。アメリカのハイスクールのチアリーダー、お屋敷の女中&奥さま(ジャン・ジュネ「女中たち」)・・・から一気に、日本のとても庶民なオバサンな雰囲気のチラシ。

 ところで、ベニサン・ピットはたまにしか行かないから、すぐ行き方を忘れる。都営新宿線の「森下」というのはわかってたけど、半蔵門線でも行けたよね・・・? 朝、調べておこうと思ってたのに時間がなくて出かけてしまった。(そして携帯から探そうにも電池が) 青山一丁目から半蔵門線で、そうそう「清澄白河」よ、と暢気に乗ってたのはいいけど、降りる間際になって、あらららそれは「江戸深川資料館」のことだったっけ。ベニサン・ピットの住所もわかんないしなぁ。困った・・・。さすがに真昼の地上をさまようと行き倒れ必至なので、涼しい駅のホームでしばし考えて、これはやはり「森下」に行くのが確実だな、というわけで、「住吉」から新宿線に乗り換えて、無事とうちゃく。コーヒーを飲むくらいの余裕をもって出たはずなのに、十数分前でした。先週の新宿コマといい、ちょっと油断をするとすぐこれだから、困ってしまう。

 G2のサイトから買ったチケットはA列、すなわち最前列。椅子とほぼ同じ高さの舞台まで1メートルと離れてない! その舞台は、なんだか懐かしさを感じさせるようなボロい畳の部屋。座卓とテレビ、丸いくず入れ(中にレジ袋がセットされてるのがリアル)、食器棚が置いてあって、そのまま台所とつながってる。雨漏りもする質素な部屋なのだ。

 そこへ登場した3人は全員、喪服姿。襖の向こうの部屋では、酔っぱらった男が1人寝てるという設定で、みんな30年ぶりに会った高校時代の同級生、50歳。自殺した級友の葬儀の帰りに飲んでここへ押しかけた、ということらしい。そこから、会話によって徐々に関係が明らかになっていく。

 たぶん幸せ(?)な結婚生活をおくっている篠井英介(エミ)と、昔は親友だった大谷亮介(スミコ)は、このアパートの住人。深沢敦(カオル)は、離婚歴のあるオバチャン。奥で寝てる男性は、高校時代のエミの恋人、だったのか?? スミコはこの状況にとても迷惑していて帰ってほしいと思い、それを口にも出すのに、後の2人はお構いなしなんだなー。

 「ウドンゲ」という言葉は、直接的には、この部屋で急に生理になった(3年ぶりに)エミのことをきっかけに、カオルが説明する「3000年に一度花をつける」植物。まあ、その3人の一夜を通して、過去のささいな、しかし長く続いたわだかまりがほぐれ、カオルの殺伐とした日常が少し元気になる、ということ、かな。

 最近見た「まほろば」と同様、女性しか登場しない(ったってこちらは男優だけども)、生理の部分がリアル、というか、それ以外にも、両者ともにいちいち固有名詞が出てくるあたり、若手の作家の傾向みたいなのがあるんですかね。ただの偶然? ここまで生きてくれば、人生のあちらこちらで、わだかまりやほころびを、重ねてきている。忘れてるつもりでも、たまーにトゲみたくなってるそんなわだかまりの一つでも、どこかで解けてくれたなら、ふっと明かりがさすんだろうな、なんて思わせてくれた。

 ほぼ笑わない大谷さんが印象的。彼に限らず、30年間会わないでいた間のそれぞれの人生を想像させるんだなー。これを女優でやったら、やっぱり細部がリアルになりすぎて、観客の気持ちがそこまで行かないかもしれない。

 私の席の真ん前に、ちょうど篠井さんが座ったりする機会が多くて、内心キャーなのでしたわ。ラスト近くでは、頭をこちらにして仰向けで寝転がってて、滅多に見られない角度で見てしまいました。

|

« 毒(白鳥)をもって、毒(笑福亭)を制す? | トップページ | 松也くんを見守ってます »

演劇」カテゴリの記事

コメント

これ、ベニサンピットがやだ、と思ってやめたんですが、見たらよかったかなぁ…面白そうですね。

篠井さんが加納さんと共演するこの秋の芝居、取りましたよー、楽しみ。
座元と看板女優?だったのに、いきわかれてから共演するの初めてですよね。
そういや朝ドラで、篠井さんが子供から「オジサンはオバサンなの?」とマジに聞かれているシーンがかなりツボでした(^。^)

投稿: 猫並 | 2008.07.24 21:32

猫並さま
たしかにベニサン・ピットがイヤだ、という感覚はわかります。過去2回は本多劇場だったはずなのに・・・。でも、この会場には絶対不似合いでしょう、という感じのオバアチャマたちも大勢いらしてて、いったい誰のファンなの?と思ったのでした。えっ、篠井さんかしら。
「まほろば」からの連続、という点で、なおいっそう面白く見られたような気がします。
秋の「サド侯爵夫人」、楽しみです! ほんとに加納さんとの組み合わせが見られるなんて。新しいチラシに、演出の鈴勝さんが「今回の『サド侯爵夫人』は事件である」と題して書いてらっしゃいます。
テレビでの篠井さんは、所詮キワモノですから~

投稿: きびだんご | 2008.07.24 22:12

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 毒(白鳥)をもって、毒(笑福亭)を制す? | トップページ | 松也くんを見守ってます »