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2008.08.31

静謐な舞台!

8月31日(日) 「『冬物語』劇場版2008」 14:00~ 於・あうるすぽっと

作/W・シェイクスピア 翻訳/松岡和子 構成・演出/栗田芳宏 出演/谷田歩(レオンティーズ)、河内大和(ポリクシニーズ)、山賀晴代(ハーマイオニ)、荒井和真(カミロー)、栗田芳宏(アンティゴナス/羊飼い)ほか

 りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ。かつ、7~8月のヨーロッパツアーを終えての「日本凱旋公演」である。このシェイクスピアシリーズは5作くらい上演されているようだけれども、私が見るのは今回が初めて。

 「あうるすぽっと」へ行くために、(エレベーターには乗れそうになくて)階段を上がっていると、私の地元の図書館や劇場が入った複合施設の階段とすごく似ているなぁ、と妙なところに感心する。公共施設の標準的な建築、素材、なんてものがあるのかしらん。まあ、地元の方は劇場への大きなエスカレーターがあったりなど、もうちょっと親切なんですが。こちらの施設はまだまだこれから・・・? 前回は使われてなかったカフェコーナーはちゃんと機能していて、よかったよかった。広いロビー(ホワイエ)に、ヨーロッパツアーの記事や写真などが貼られていた。

 りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ、というもの自体がわかってないんだけど(能楽堂で上演されてるんだよね)、衣裳や小道具などにも「和」が使われ、何よりも休憩の後には「作り物」を模したスペースに、能面の女! ほぼラストまで、そのままじっとしている。シンプルな舞台に、やわらかい明かり、そして音は鐘と時折のピアノと。ピンと張りつめた空気が、能楽堂の見所のよう。・・・というかキャパが小さい分だけ、もっと緊張感があったかもしれない。たぶん、こういう舞台こそ、終わってから拍手をする代わりにじっと座ったままで味わっていたいようなものなのかも。

 原作はかなり前に読んでいて、読み返したりせずに見に行ったから、だんだん思い出してくる、というくらい。タイトルのわりには、まず前面に出てくるのは「男の嫉妬」ですからねー。この困ったシチリア王レオンティーズを演じた谷田さんは、劇団AUNの役者さん。とても見映えがする上に、単純に嫉妬しそうな感じもある(笑)。

 舞台の上がシンプルなだけではなくて、ストーリーもかなりシンプルにそぎ落とされているんだけれど、その中で、生まれたばかりの赤ん坊を捨てに行ったアンティゴナスが、そのままその子を見つけた羊飼いに変わるシーンは見事!! さすが、この2役を演じているのが演出家だけのことはある。またその羊飼いが道化ふうでもある(原作では道化は羊飼いの息子)。

 早替わりの時に大きな白い布が使われるのだが、この時以外にも白い布が効果的。また、白ということで言うと、役名では「言霊」としてある4人の、基本的に無言の人たちの「白い姿」が、奈良美智の立体作品(作品名失念)を彷彿させて仕方なかったなぁ。

 お妃以外の女優たちが、ちょっと弱い感じもあったけれど、徹底的に静かで美しい、新たなシェイクスピア、という感じがした。

 すぐチケ+座席選択をしたのは、この「冬物語」で、通路のすぐ後ろH列サイド席があったのでホクホクでクリックしたのでした。H列のセンターはたぶん招待者用で、植本潤さん?という人も(違うかもしれないけど)。

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コメント

私は逆に、りゅーとぴあの能楽堂シリーズはいくつか観てるけど、普通の劇場でやっちゃうんだ?と思ったらコレは見送りました(^^ゞ
谷田さんはレギュラーのような存在に見えるんですが、どの作品でも(能楽堂で観ると)妙にハマっていて。
植本潤がイアーゴーをやった(デズデモーナは笑也だった)時が一番好きかなぁ。だから?観に来ていたのは本人で正しいのではないかと思いますです。ブログに出るかも(^。^)

投稿: 猫並 | 2008.09.01 09:05

と、postしてから見に行ったら、植本さんブログに書いてましたよ、観にいったって。やっぱり本人(^。^)

投稿: 猫並 | 2008.09.01 09:07

猫並さま
植本さんのブログ、見たことなかったので、早速探してみました。Googleに名前だけ入れて検索したら、2番目に「坊主サービス」とあったから、これだな、と 実は休憩時間に、物販のあたりでお見かけしたのです。帽子がかえってあやしいでしょ、と。・・・美人女優が目の前にいてもワカンナイ私らしい発見ですかねー。
りゅーとぴあのシリーズ、ここ何回かは、気になりつつも見逃す、というパターンでした。公演日数が少ないし。谷田さん、そんなに出てらっしゃるのですか。次はぜひ、能楽堂で見なくっちゃ。

投稿: きびだんご | 2008.09.01 19:11

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