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2008.08.22

松尾スズキにはこれからもっと注目します

8月20日(水) 「女教師は二度抱かれた」 14:00~ 於・シアターコクーン

Bungaku 作・演出/松尾スズキ 出演/市川染五郎(天久六郎)、大竹しのぶ(山岸諒子)、阿部サダヲ(滝川栗乃介、研究生1)、市川実和子(白石泉)、浅野和之(鉱物圭一)、松尾スズキ(ルクルーゼ、ダンサー、お子様ランチ、一本木)ほか 演奏/荒野のバンド

 夏休み中とはいえ、平日のマチネである。・・・が、立ち見の人が中2階も2階もいっぱい。すごい人気なんだね~、と今更ながら驚いてしまう。

 私は、松尾スズキ、大竹しのぶ、というあたりで、少し腰が引けてるので、A席(中2階の右側)にしてみた。私の右隣の女性2人は、歌舞伎ファンらしく、開演前に「来年分のゴールドは確保」とか、納涼歌舞伎の話題で盛り上がってた。左隣の若い女性2人は、染五郎ファンだけど歌舞伎は見てない、というところのようで、パルコ歌舞伎で歌舞伎を語っちゃいけないでしょ、というノリ。そして驚くのは背後の立ち見に、50代後半くらい?という女性2人がいたこと。うーむ、休憩込み3時間半、立ち見しようというエネルギーがすごい。・・・でも、どういうファンなのかはつかめないまま。と、なんだか人間観察に行ったみたいですねぇ。

 最近は文芸誌に戯曲が載るというパターンが多くなっているので、今回も掲載誌である「文學界」は売られてました。実はこれは事前に入手していたのだけれど、あえて読まずに行った。

 私は松尾スズキ(および大人計画)を、ちょこっとしか見ていないが、その作に関しては、一番、自分の評価の振幅が大きい気がしている。最終的に、「キレイ」は好きだけどね~、くらいかな。でも、今回の「女教師~」で、どーんとアップ 病気で降板したりと大変だった時期を経て、ここからなのね、というふうに勝手に受け止めたのだった。題材も身近な演劇の世界のことで(しかも小劇場)、一方の舞台が九州ということも含めて、やはり原点に立ち返っているんだろうな、と思える。

 見る前はすっかり忘れてたけど、そういえば、「欲望という名の電車」のブランチに想を得てる、というのを読んだっけ、と。なにぶん、大竹しのぶのブランチは、私が今みたいにしばしば劇場に足を運ぶようになった初期の頃に、このコクーンで見たから、余計記憶に残っていて・・・。見ているうちに、だんだんだんだん、ブランチの影も大きくなっていくように感じた。

 キャストも面白い。染五郎を小劇場の演出家にして、阿部サダヲが歌舞伎の人というんだからね。この実際との逆転が、また笑わせるモトにもなったりしてる。染五郎の色っぽさというのは天性のものですか(笑)。彼と平岩紙のシーンって、すごくよかった。

 大竹しのぶで少し腰が引けた、と書いたけど、彼女が苦手ということでは決してない。ただ、ある種の息苦しさを感じてしまうことがままあって、「わ~い」と見にはいけない、というだけなのだ。その息苦しさはたぶんいろんな感情がリアルに迫ってくるからに他ならないと思うけど。浅野和之も登場の仕方は漫画チックなんだけど、私の中では彼の役が、おかしい→不気味→悲しい、となっていって、徐々に存在感を増していったのだった。

 やっぱり、きちんとした戯曲で、それに見合うキャスティングがなされて、ふさわしい演出があれば、間違いはないんだろうな、という感じ。ちょっと軽く見てました、ゴメンナサイ、と松尾スズキには言いたいくらい。なので、中年の松尾スズキに注目していきます(彼の新著は「中年入門」)。

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コメント

私も腰が引けてパスしましたが(見たとしたら松尾スズキ演出初観劇になっていました)、チケットの売れ行きを知って、取っておくべきだったかな、とちょっと後悔したのでした。
大竹しのぶの息苦しさ、わかります。感情がリアルに迫ってくるから、というのも同感です。
サダヲちゃん、見たかった。
でも、今月はやっぱり無理だったと思うので、きびだんご様の観劇記を拝読して、見た気になりました。

投稿: SwingingFujisan | 2008.08.23 01:40

考えてみたら、今月はコレが取れた日との兼ね合いでお気に入りの再演(宝塚BOYS)があとまわしになったんだっけ…と、今更思い出しました(^^ゞ
BOYSを初日近くに見て、これを後のほうで確保したらよかったかなぁと。
でも、私が観てから随分たってるんですが、今になって「麦麦していやなのぉ」というシーンが蘇ってきて、結局一番印象に残ったのはアレか?と自問自答しております。
私が観た日は、後から思うと劇評を書く立場の人が多かったのかもしれません、やたら挨拶しあってるオジサンをみたし、勘三郎に挨拶に来る男女も多かったです(贔屓じゃなくて)
盛り上がりが内向き?って感じだったのはそのせいかなぁ…
私にとってはいかにもコクーンって感じのお芝居で、チケットの売れ行きも納得でした。
ストレートプレイで、今年のマイベスト3に入るかどうか当落線上(^^ゞ

投稿: 猫並 | 2008.08.23 07:50

SwingingFujisanさま
チケットはweb松竹でもあっという間に売り切れたんですよね・・・。かくいう私も最初からA席狙いだったわけじゃなくて、「意気込み」の欠如により、S席は取れなかった、というだけです。でも、コクーンのA席はけっこう好きだな、と再確認してきました。
期待値がやや低かった分、わーいという感想になってると思います。
サダヲちゃん(「ちゃん」付けが雰囲気)、よかったです。大人計画の皆さんと、染五郎の芝居が妙に馴染んでまして、それも面白かったのでした。

投稿: きびだんご | 2008.08.23 10:24

猫並さま
私は逆に後半しか行ける日がなくて、あんまり選べなかったんですよね。
あれ? 初日近くだと掲載誌はまだ売ってなかったのかしら。やはり、独特の緊張感が客席の方にもあるんでしょうね。松尾演出への期待度、と思っておこう。
そうそう腰が引けたのは、タイトルとチラシの漫画のせいでもあります・・・。

阿部サダヲって、なんか「かぶりもの」が似合いすぎ、と思ったりしました。筋肉質(カラダも声も)な風情が、染五郎と好対照

投稿: きびだんご | 2008.08.23 11:08

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