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2008.09.04

精進潔斎して能楽堂へ参ります

9月3日(水) 「国立能楽堂 開場25周年記念公演[初日]」 13:00~

」観世清和(翁)、野村万蔵(三番叟)、観世芳伸(千歳)、小笠原匡(面箱) 能・観世流絵馬シテ観世銕之丞、前ツレ柴田稔、後ツレ浅見慈一、後ツレ馬野正基、ワキ福王茂十郎 ほか 狂言・和泉流末広かり」野村萬、万禄、祐丞--休憩--能・喜多流湯谷 三段之舞シテ香川靖嗣、ツレ佐々木多聞、ワキ殿田謙吉、ワキツレ大日方寛 ほか

 タイトルはまあ冗談ではあるけれども、そのくらいの「覚悟」をして出かけた、ということで。2、3回、矢来能楽堂で見たお正月の「翁」も、他にお能が2曲あって5時間近くかかった記憶があったけど、実際に、終演予定6時半というのを見つけたときにはクラッと来たわよー。なので、とりあえず前の日にはちゃんと睡眠を取って、体力を養って、座り続けるのに楽な服装で・・・と、あれこれ心構えだけはできてたの(現実には、前日に飲みに行って日付が変わる頃に帰宅したんだけども)。

Fuku ←観能スタイル。ストンとしたワンピースで、共布をリボン結びにするベルトもナシで楽ちん優先。外を歩く時には、上着は着たくなかったけど、二の腕が逞しすぎるので、何はともあれ上に着て隠さなくっちゃ、というわけで、今日は暑かったよー。一緒に並んで見たオトモダチは秋めいた素敵な単衣で、うらやましー。あっ、よく考えたら、私はこのカッコで出雲大社の本殿を拝観したので、どことなく「神様」つながりかもね。

 「翁」の儀式性というか、あらたまった雰囲気がとても好きなんだけど、今日はまた一段と特別な感じ。25周年記念能の初日の、観世宗家の「翁」だものね。ほんとに息をつめて見てました、というところ。ものすごく短く感じちゃったのは、この緊張感のなせるワザかな。

 「三番叟」は、同じ和泉流でも萬斎さんの場合、張りつめた雰囲気が強く、万蔵さんは祝祭っぽさがより伝わる。「鈴ノ段」の最初に鈴を振ったところで、いくつかが取れて飛ぶというハプニングにはびっくり。皆が心の中で「アッ」と叫んでいたことでしょう。すぐに後見の人が別の鈴を用意したのが見えて、いつ渡すのかな、というのが気になったりした。思わぬところで、後見の重要さを認識した、ということでもある。何事もなくただ座っているだけなのが一番いいのでしょうが、「アッ」というときに大事な存在なのねぇ。

 「絵馬」からは座席の字幕表示にお世話になる。「絵馬」も「湯谷」も見たことないし予習も全くしてないし。「絵馬」は一言でいうと視覚的に面白かった! まず老夫婦が絵馬を掛ける、その白絵馬・黒絵馬を手にした姿と、絵馬そのもの。そしてアイの4人の鬼。後場の天照大神と天の岩戸のシーン。・・・おめでたいしねぇ。五穀豊穣、天下泰平、ほんとに頼んだよ、と言いたい。

 「湯谷」のワキは平宗盛。あらまっ、1日の演舞場に続いて宗盛さまではありませんか。こちらは「絵馬」に比べると結構地味というか、ドラマチックな何かがあるわけではないのだけれど、そして私も頑張って見てたという程度なんだけど(時々意識が・・・)、終盤の「中ノ舞」以降はシテの美しさにとても惹かれたのだった。そこに美を見つける、というのも一種のトランス状態かしらね。20分の休憩が一度入るだけというハードな5時間半。どなたさまもお疲れ様でした。

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コメント

ほんとに、お疲れさまでした〜!
「湯谷」、さすがにくたびれて、落ちました。
「絵馬」の後も、ちょっと意識が遠のきました。

「翁」は「ああ、神事なんだなぁ〜」というのを強く感じました。やはりご宗家のアウラはすごかったです。

「三番叟」の鈴はやはりアクシデントですよね・・・。
出る前に点検してるはずなのに、あんなことがあるんですねぇ。
万蔵さんが落ちた鈴を踏んでしまわないか、なんていうことを心配しちゃいました(動きが激しいので、踏んだら危ないぞ!なんてね)。
萬斎さんと万蔵さんの違いは、万作先生と萬先生のキャラクターの違いを受け継いでいらっしゃるのかな???なんて漠然と感じましたよ〜。

投稿: おまさ | 2008.09.04 07:10

私も同じようにストンとしたワンピースに羽織モノでした(^^ゞ
「翁」は初めて見たんですが、内容がこんなに濃いとは想像もしてなくて。もちろん観世宗家の凄さってのもあるんですが、とにかく自分自身が微動だにせず!ってほど息をつめてみてしまって消耗しました…時間を知らずペース配分できなかったせいもあるけど「絵馬」の前半はほとんど寝てたような。アイからバッチリ覚醒できたのは「絵馬」の持つ面白さのせいか、役者の芸か、起こしてくれて「やっぱりすごい!」なんて思ったりも。
実は、優先順位4番目だった初日は、あとから「ちょっと投資しすぎ?」と思ったりもしたんですが、いやいや見逃さずに良かったし、パスした2日目も取っとけば良かった!と後悔してたりして。

投稿: 猫並 | 2008.09.04 07:29

おまささま
ほんとに何度でも言いたい「お疲れさま」。
でも不思議とスッキリしているんですよね。眠気をこらえていてちょっと頭が痛くなったりすることもあるのに、そういうことは全くなくて、今朝の目覚めも心地よく(笑)。御利益でしょうか
萬斎さんと万蔵さん。ほんとにそれぞれのお父上のキャラクターの違い、という感じがしますね

投稿: きびだんご | 2008.09.04 08:03

猫並さま
お互いワンピースの「楽ちん組」だったのですね。私の場合、着物で行くとなると、会場に到着した時点でエネルギーの半分以上を消費しているはずなので、この長丁場では絶対でした。
「翁」いいですよね。私は「翁」に出会わなかったら、いくら萬斎ファンとはいっても、いまもお能を見たりはしていないと思うんですよ。今回初めて国立能楽堂で、観世宗家の「翁」が見られて、ほんとによかったです。
友人に「能楽堂まつりに参加してるの?」などと揶揄されてますが、あとは19日に行くだけです。15日のチケットを手放したのをちょっと後悔している今朝の私です。

投稿: きびだんご | 2008.09.04 08:13

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