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2008.10.22

「十八年は、ひと昔。夢だ~」はサド侯爵夫人

10月20日(月) 「サド侯爵夫人」 19:00~ 於・東京グローブ座

作/三島由紀夫 演出/鈴木勝秀 出演/篠井英介(ルネ=サド侯爵夫人)、石井正則(シミアーヌ男爵夫人)、小林高鹿(アンヌ=ルネの妹)、山本芳樹(シャルロット=家政婦)、天宮良(サン・フォン伯爵夫人)、加納幸和(モントルイユ夫人=ルネの母)

 「女方・篠井英介×演出・鈴木勝秀 第二弾」。ちなみに第一弾は去年秋の「欲望という名の電車」で、第三弾は来年「サロメ」のよう。

 ま、篠井さんでなければ「サド侯爵夫人」をグローブ座まで見には行かなかったのは確か。いつもにもまして、ストーリーや出演者等の予習もせず、ただただ篠井さんと加納さんが共演する、ということだけがわかっていた。

 いやはや。男性が女性を演じるのは、篠井さん(と加納さん)だけじゃなくて、全員だったのか。そして、膨大な台詞劇とでも言えばいいのか、軽い台詞の応酬はなくて、それぞれが言いたいことを語る語る。そして家政婦への言葉と、「はい」というくらいの短い返事すらも、双方、棘がある。

 開演してしばらくは、天宮良(伯爵夫人)と石井正則(男爵夫人) の2人のやりとり。役者の体格が物語るような、対照的な2人である。男爵夫人はみょうにカワイイであるよ(小柄だと女装も似合うのか)。天宮さんはキャラクターとしては伯爵夫人(悪徳の擁護をし、のち革命のさなかに娼婦として圧死)に合ってると思うけど、いかんせん、私が見た日は台詞を噛みすぎ。滑舌もあまりよくないし。役柄として悪くないだけに惜しい。

 小林さん、山本さんも、今までほとんど見たことがないけど、すごく印象に残る(存在感のある)芝居をする人たちだなぁと思う。

 篠井・加納の共演を聞いたときには、あらまあそれは嬉しい、と思っただけだったけど、女方・篠井さんがルネを演じるとき、相手役は加納さんをおいていなかったんだろうな、とつくづく思った。第二幕の後半の、二人の激しいやり取り。互いに一歩も引かないんだから。

 この「サド侯爵夫人」は、第一幕1772年から第三幕1790年まで、18年の物語である(18年、と台詞の中で示される)。篠井さんが「花組芝居」と袂を分かってからこの共演までも、18年。ああそうなんだなぁ、と、不思議な感慨を持った。

 テレビや映画では、どうしてもオカマちゃんっぽい役が多くなるけど、女方・篠井英介の力は、これからも舞台で存分に発揮して欲しい。

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コメント

行かないですよねー、グローブ座。
こんな芝居でもなきゃ一生行かなかったかもって思うくらい。
場所が不便ってだけじゃなくて、劇場に向かうワクワク感や劇場から帰る陶酔感をいっきに冷ますような環境が…

石井正則って、女形っぽい芝居はしてないのに「ああ、こういうオバサンいる!」って感じて、凄いなぁ、この人お笑いのヒトだっけ?あれ?ってびっくりでした。
あー、グローブ座じゃなかったらもう一回観るのになぁ。

投稿: 猫並 | 2008.10.23 22:23

猫並さま
グローブ座・・・なんと言ったらいいのでしょう。舞台や客席の作りはいいのにねぇ。やっぱり立地条件はとても大事
石井正則は三谷幸喜のドラマや映画では見たことがありましたが、上手いのでビックリでした。そういえば、唯一、親近感のある役ですね。
作品自体は期待以上で、正直言うと「欲望~」よりも見応えがありました。篠井-加納で(他の人は変えてもいい)、またやってほしいです。

投稿: きびだんご | 2008.10.23 23:42

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