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2008.10.12

「から騒ぎ」を楽しむ(講義+観劇)

10月12日(日) 「から騒ぎ」 13:00~ 於・彩の国さいたま芸術劇場+10月10日(金)「松岡和子『から騒ぎ』を楽しむ」 朝日カルチャーセンター新宿

原作/W・シェイクスピア 翻訳/松岡和子 演出/蜷川幸雄 出演/小出恵介(ベネディック)、高橋一生(ビアトリス)、長谷川博己(クローディオ)、月川悠貴(ヒアロー)、吉田鋼太郎(ドン・ペドロ)、瑳川哲朗(レオナート)ほか

 いつもは小田島先生の話を聞いているわけだけれど、朝日カルチャーで松岡和子さんの話を聞き、後日そのお芝居を観るという企画があって、ちょうど都合もいいし、と申し込んだ。日曜マチネのチケットを自分で取る苦労をしなくていい(ただし、どういう席かは10日の講義の後にチケットを渡されるまでわからなかった。K列の右寄りだから、まあまあこんなものでしょ、というところ)。

 まず、松岡さんのお話について。あらかじめ資料として簡単なレジメとパンフレットの「人物相関図」のコピーが渡された。この「から騒ぎ」に関しては、人物関係を把握していた方がよい、とのこと。誰と誰が恋仲になる、とかいうことじゃなくて(それもあるけど)、主従あるいは上下の関係。たとえば、クローディオとベネディックはあくまでも伯爵であるクローディオが上。ヒアローとビアトリスにしても、メッシーナ知事の娘であるヒアローが、姉妹同様に育ったとはいえビアトリスより上。そういう2組のカップルの「主筋」と「副筋」は厳然としてある、とのことだった。ついつい会えば口論、活発に自由に動き回るベネディック-ビアトリスに目を向けがちだけれども、確かにお芝居を観ていると、この「主筋」は明確に現れていた。

 松岡さんの話を聞くのは初めてだったけど、キュートというかちょっぴし「おきゃん」な雰囲気もあって楽しかった。月川さんのことを自然に「彼女」と言っちゃったりして。糸井さんの「言いまつがい」の本なども、楽しまれているもよう(というか、まさに「言いまつがい」訳をしなければいけないのだからねー)。

 そしてお芝居。ああ、そうだ。今回の舞台装置は、蜷川さんがパレルモにいらした時に「これだ」と決められたとのこと。メッシーナ(シシリー)らしい感じ?

 最終的に2組のカップル、クローディオ♡ヒアロー、ベネディック♡ビアトリスができあがるわけだけれど、前者はあくまでノーブルというかエレガントというか。後者は才気煥発、口角泡を飛ばす。まさに静と動。・・・で、クローディオの長谷川さんにますますゾッコンな私でございます。ヒアローの月川さんは、そのエレガントさが過剰にも思えた時もあったけど、当時の令嬢とはそんなものだったのかも。「古風なカップル(中世的)」なのだから。

 いっぽう、一生くんのビアトリスは、くるんとした巻き髪も顔立ちの雰囲気に合っていて、かわいい。声をあんまり作ってないから、うーん、と思っちゃう部分もあるけど(cf.月川)生き生きと演じてた。初舞台という小出恵介くんとともに、フレッシュな躍動感が溢れていたと思う。そして、今回は台詞がタップリある瑳川さんの、娘を思う父親の言葉は、聞かせました!! 身分としては、吉田さんのアラゴン領主の方が上だけれど、領主さまはいたずら好きのようで・・・。ドン・ジョン(大川浩樹)の暗さ=どよーんとしたくらさじゃなくてねじ曲がった暗さ、も記憶に残った。

 でもねぇ、夜警トリオのうち、井手らっきょが演じる夜警は、いちいち「そうそうそうそう」とか繰り返しの合いの手を入れるんだけど、それが漫才の「のいるこいる」を思い起こさせてどうも、そこだけ世界が変わっちゃいそうで。そんなことを思うのは私だけか。それと、お芝居を見ていて台詞に1カ所納得がいかないところがあって(ヒアローの窓の下での陰謀を、ドン・ジョンたちが語るところ)、それこそ言い間違いかと思ったけどそうではないようなので、もうちょっと考えてみることにする。理解力の問題なのかな。

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コメント

お、最近、また怒涛気味になっていらっしゃいましたね 
「からさわぎ」、私は来週です(あんまり色々入れているので、時々、見過ごしたかと不安になります。手帳を見たら、まだ、で一安心)。
松岡さんのレクチャーをレポしていただいたおかげで、ポイントを心得ました。ありがとうございます(言いまつがいは、「ジャポニカロゴス」で楽しみましたが、そろそろ「もういいかな」と思いだしたころ、番組が終わりました)。
長谷川さん、最大の期待です 初舞台の小出恵介クンにもかなり期待。
のいるこいるの世界、感じてきます(^^)。

投稿: SwingingFujisan | 2008.10.15 09:06

SwingingFujisanさま
ちょっとやけっぱち気味でもある怒濤の日々、ですかねー。まだまだ続く・・・です。というより、続けさせてほしい。パタっと止まったら、それは「よろしくない」事情が生じたということなので。

それはさておき。「から騒ぎ」単純に楽しめます。笑えます。長谷川さんや小出恵介くんはカッコいいし 鋼太郎さんたちお馴染みのメンバー(鋼太郎さん、すごく弾けてます)の安心感と、フレッシュな小出&一生のいい意味での緊張感が、相乗効果になってると思います。お楽しみに

投稿: きびだんご | 2008.10.15 22:58

おはようございます。
長谷川さん、ヒアローを優しく包む姿も、不実を信じ込んでの怒りも、みんな素敵でした。
小出恵介クンがあんなにかっこいいとは思いませんでした。これを機に、もっとお芝居に出てほしいなと思いました。
井手らっきょの「そうそうそうそう」…きびだんご様の<のいるこいる>をがずっと頭にあったので、1人でウケました 井手さんがあんまり可笑しくて、鋼太郎さんが笑いをこらえるのに必死で、芝居が一時ストップしましたっけ。長谷川さんも思わず笑っていました。みんなよく立て直して芝居を戻したものです

投稿: SwingingFujisan | 2008.10.22 07:50

SwingingFujisanさま
>芝居が一時ストップしましたっけ。長谷川さんも思わず笑っていました。みんなよく立て直して芝居を戻したものです。
なんか目に浮かぶようですよ。舞台の上ですまして「喜劇」をやってるんじゃない、って感じですよね。

今日、小田島先生の講座があって、今回の「から騒ぎ」の話も出ました。そもそも、クローディオヒアローと、ベネディックベアトリス、どちらがメインか、という点で、松岡さんとは意見が違うんですよ。そのことからだけも、誰の訳でどんな演出をするかで、ほんとうに舞台は変わるだろうな、と思ったのでした。
それと、初日近くに見たのでは、やっぱり小出くん、高橋くんは固かっただろうと思うし、ああいう丁々発止やりあう二人が、公演中にどんなに進化していくのか、というのも興味深いです。
私にとっては小出くんは「のだめ」の真澄ちゃんだったのに・・・。いきなり「カッコいい組」に昇格です。

投稿: きびだんご | 2008.10.22 21:15

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