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2009.02.09

「文七元結」を、観る(8日)・聴く(9日)

2月9日(月) 「第3回銀座・堤寄席『柳家喬太郎独演会』」 18:30~ 於・成城クラブ ピアノバーサロン(有楽町)

(19時過ぎに着席=マクラの途中から)喬太郎・左右の姪--休憩--喬太郎・文七元結

 前日に歌舞伎座にて「文七元結」を楽しんだばかりなのに、続けて落語を聞けるとは予想もしてなかった。昨夜は、ああ久しぶりに落語でも聞きたいな、なんて思っていたけれど、まさか実現するとは。しかも喬太郎さんで。

 歌舞伎に関しては、また書くつもりだけれども、菊五郎&時蔵の長兵衛夫婦は絶品だわーと、すっかり楽しんだ。なんていうのかなぁ、江戸っ子の風情がにじみ出てる気がする(わからないなりに、江戸っ子とはこんな感じ?と)。あんな長兵衛なら、文七にお金をくれてやりそうだなぁ、というところもね。時蔵さんも、綺麗なお姫さまだったり、極貧のおかみさんだったり、どちらもが違和感なくはまってしまうのが素敵。やはりこのコンビはいい! と強く思ったのだった。

 さて、今日の会は、喬太郎ファンから回ってきたもので、私は全く知らなかった。「WEBプラチナサライ」で募集したのに当たったとのことで、焼酎のお土産つき。会場も当然、知らない場所。そういえば我がン十年の人生で、成城学園にはまるで関係なく、知人の一人もいないのでありました。

 喬太郎さんは相変わらずマクラで飛ばす飛ばす。会場が丸ノ内線・銀座駅の出口からすぐ、ということもあって、銀座ネタもあれこれ。そして、サラリーマンものの新作落語(以前、聞いたことあり)を。大人な会場を意識してか、ちょっと下ネタ入りでした。そういう柔らかい噺から、休憩を挟んできっちり「文七」というのが、憎らしいくらいのやり方じゃあありませんか!!

 「文七元結」はなにぶん前日に観たばかりだから、ついつい比べてしまうところがあって・・・。比べるといえば、市馬師匠の「文七」とも比べてしまうが、やっぱり喬太郎さんらしい工夫がいろいろされていたと思う。それは、つまるところ、娘が身を売って作ってくれた50両という大金を、文七にポンと与えることを納得させるためのもの、といえるだろう。

 菊五郎の長兵衛だったら、くだくだしくしなくても「この人ならそうしちゃうよね」というような雰囲気がある。市馬師匠も大きな噺の流れに乗って、つーっといっちゃう。だけど、喬太郎さんだと、ここのやりとりが、言葉、しぐさ、表情、間、あらゆるものを使って、丁寧に描かれる。その上、翌日訪ねてきた文七の主人に「江戸っ子」だ、と二度も言わせる。そうでないと、現代の我々には納得できないからかもしれない。

 聞きながら、喬太郎さんが、特に若い人から熱烈に支持されてる一端がこういうところにあるのかも、と思った。私は喬太郎さんも、この「文七」も好きだけど、ほわっと何度も聞きたいというのは市馬師匠だな、と思っている。理屈よりも、もっと大きなものが全体を包んでいる、という雰囲気。そういう流れは、菊五郎の世話物が好き、というのと全く共通しているんじゃないかな。いろんな意味で今日も刺激的な喬太郎さんでありました。

 あっ、いま気がついた。なんで「堤寄席」なのかと思ったら、お土産が堤酒造「黒麹 むらさきいも」720mlなのでした。

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コメント

きょん師の「文七」は、そういえば聞いたことないです。きびだんご様の記事からある部分想像はつくけれど、やっぱり、一度実物を聞いて見なくちゃ!ですね。

歌舞伎座の「文七」は、菊五郎・時蔵コンビがほんと、イキが合っていてよかったですね! 「ああ、長兵衛さんがこういう人じゃ、おかみさんもお久ちゃんも、苦労するわなぁ・・・」と。でも、単なる遊び人じゃないっていうことが、菊五郎=長兵衛さんのたたずまいからにじみ出していて、文七に50両あげちゃうのも「ああ、この人だったら、そうするよね」と理屈抜きで納得できちゃいますよね。

鳶の頭に吉右衛門さんという大ご地相だったし。

昼の部、もう一度見たいなぁ~。

投稿: おまさ | 2009.02.10 15:01

おまささま
私もたぶん喬太郎さんの文七は初めてだったんじゃないかと思うんですが・・・。ねっ、想像つくようなところがあるでしょ。ああいう感じです(笑)。いつか聞けるといいですね。私も、ほかの人でも聞いてみたいです。うーん、さん喬さんあたり?
いっぽう歌舞伎は・・・ほんとに菊五郎&時蔵はいいですよね!! 菊五郎長兵衛の足がしびれちゃうところ(あるいは髪結新三で忠七の髪を手入れするところ)、なーんてことないシーンで、独特の空気があって、それが幸四郎さん(わりと理詰めに思える)とは全く違うなぁと思うんですよ。どっちが好きかはそこから先の問題だし、それぞれのスタイルなんでしょうが。
そして最後に吉右衛門さんまで登場してワーイですよね、さすが「さよなら公演」。

投稿: きびだんご | 2009.02.10 20:28

落語の文七、寄席にはなかなか行かれそうもないので、TVでもラジオでもいいから聞いてみたいです。そしていずれは、きびだんご様みたいに聞き比べっていうのか、噺家さんによる違いなんていうものも感じてみたいものです。
菊五郎さんの「江戸の町人」、時蔵さんの「そのおかみさん」、本当にこういう人たちがそこで暮らしていたんだろうなと思えて、大好きです。

投稿: SwingingFujisan | 2009.02.11 21:35

SwingingFujisanさま
今はけっこう落語のCDやなんかもたくさんありますから(そのうち供給過剰になる?)、機会があったら、歌舞伎と仲良しの演目あたりから聞いてみてくださいね。
ほんと、菊五郎&時蔵は最強という感じです。時蔵さんのおかみさんは、気取らず芯が強くてでも品があるじゃないですか。どんなに貧しくても。江戸時代に自分がタイムスリップしたら、あんな人になりたいですー

投稿: きびだんご | 2009.02.12 00:18

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