« 三三(さんざ)人気に納得する | トップページ | 週末日記 »

2009.03.11

再演「春琴」の世界に酔う

3月10日(火) 「春琴」+ポストトーク 19:00~ 於・世田谷パブリックシアター

演出/サイモン・マクバーニー 出演/深津絵里、チョウソンハ、立石涼子、内田淳子、望月康代、麻生花帆、瑞木健太郎、高田恵篤、下馬二五七、本條秀太郎(作曲/三味線)

 谷崎の「春琴抄」と「陰翳礼讃」から、サイモン・マクバーニーとパブリックシアターが長期の共同作業の末につくりだした舞台。ちょうど1年前の初演では数々の賞を受け、今年、ロンドンはバービカンシアター(おおっ、今月「NINAGAWA十二夜」が上演される劇場)を経て、再演となった。こんな短期間のうちに再演というのも珍しいのではないかしら。

 まぁ、1年前ということと、かなり刺激的な舞台だったことから、私にしては記憶がわりと鮮明に残っていたと思う。・・・が、同じS・マクバーニーの演出した「エレファント・バニッシュ」は、再演でなんだかガッカリした経験があるので、手放しで「わーい」というのでもなかった。

 が、今日は「春琴抄」+「陰翳礼讃」の世界をたっぷり味わうことができた。ある程度の予備知識が、いい方に作用して、つまり手法などには驚かずにあちこちに目配りしながら見たからだと思う。席も、前回はたしか右寄りの、今日よりは後ろだったはず。今日はG列のセンターブロックだったから、人形や「人形振り」なども、はっきり見えて尚更うれしかった。

 それと同時に、「春琴抄」だけではなく、「陰翳礼讃」もミックスされた「春琴」であることの意味も、すごくよくわかり味わい深いものだった。「映写」されるものの美しさなども。

 もう一つ。大きな枠として立石涼子さんが、ラジオ収録で「春琴抄」のナレーターをする、という部分(それが「春琴」と渾然一体となったりするんだけど)。彼女が読み終えた時、読むことで彼女もストーリーの中を生きた、という繋がりが、よりはっきりと感じられた。前回はたしか、ちょっと違和感を持ったんだと思う。

 子供の頃の春琴(人形)の声=深津絵里が、やっぱりキンキンしていて少し苦痛。ま、大人の声との対比ということかもしれないけど。

そうそう、前回はこんなにたっぷり三味線&歌があったっけ、と思うほど、本條秀太郎さんの演奏を堪能した。最初に登場したときに、まず三味線を舞台の上で組み立てるところから始めるところは、前回のポストトークを思い出しておかしかった。

 そのポストトーク、今回は、本條さん、高田さんと萬斎さん。途中で、やはりS・マクバーニーが三味線を組み立てるのをやたらに気に入って、云々という話が出た。萬斎さんが聞き手となって、特にロンドン公演での話などを中心に。ロンドンの観客は、「とりあえず笑っちゃえ」だったそうです(高田さん談)。

 そして、やはり言葉の壁は厚いよう。どうしても字幕を見ちゃうとその間は演技を見られないわけで。その分、日本ではものすごく緊迫感があって、「わかって見てくれてる」というのがひしひしと感じられるんだって。

|

« 三三(さんざ)人気に納得する | トップページ | 週末日記 »

演劇」カテゴリの記事

コメント

「春琴」気になりつつ、チケットとらなかったんですよねぇ・・・。
うーん・・・。

きびだんご様のレビューを拝見すると、見てみたくなります。

投稿: おまさ | 2009.03.11 10:53

おまささま
いや~、ほんとによかったですよ!
前回見た時は、手法的に、えっと思う部分を消化するのに精一杯だったと思うんですが、芝居も私もバージョンアップ。
なかなか一度で理解できないところが悲しいですが。

投稿: きびだんご | 2009.03.11 21:24

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 三三(さんざ)人気に納得する | トップページ | 週末日記 »