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2009.03.22

「笑いの一日」昼の部

3月20日(金・祝) 「狂言ござる乃座 41st」 14:00~ 於・国立能楽堂

成上り」石田幸雄(太郎冠者)、高野和憲(主)、竹山悠樹(すっぱ) 「八句連歌」萬斎(貧者)、万作(何某)--休憩--「牛盗人」萬斎(藤吾三郎)、万之介(奉行)、深田博治(太郎冠者)、月崎晴夫(次郎冠者)、裕基(子)

 2日公演の1日目(翌日の会場は宝生能楽堂)。私は土曜が仕事かもしれず、土日どっちでもいいや、というわけにはいかなかったので、チケットが取れてよかった。(結果的に仕事ではなくて墓参りdayの土曜日でしたが)。しかも今回はラッキーにも、中正面の1列目で、柱にさえぎられることもほぼなくて、たまにはこんな時もあるんだなぁ、という感じ。

 チラシおよびパンフレットの表紙絵が、満開の桜と「WANTED」の立て札。牛盗人の藤吾三郎のお手配高札でありまする。そこに描かれてるのはもちろん萬斎さんよ。

 パンフレットの萬斎さんの巻頭言を読むのがいつも楽しみ。40回の記念公演だった前回(私は都合で行けずチケットを知人に譲った)から一転、「今回は静かで品位のある演目に。改めて気を引き締めて臨」むとのこと。

 そこに「わかりやすい笑いの部分」担当とあった「成上り」は、確かに見た目も言葉も単純にアハハというものだった。この太郎冠者がまさに落語でいう与太郎だから、愛すべきキャラなんだよねー。そして石田さんを向こうに回して、高野さんの堂々たる主ぶりにも感心。

 与太郎で落語を思い出したからじゃないけど、「八句連歌」はどことなーく、「芸は身を助ける?」な「掛け取り」世界の雰囲気もある。落語は借金が返せない言い訳をあれこれ狂歌だの芝居だのでするんだけど、こちらは花鳥風月に託して句(発句)で詫びを言う貧者と、それが「弁解」だと思ってしまい「催促」の句(脇句)を返す何某のやりとり・・・が続く。いやはや、これ、高度なんですワ。パンフレットに「連歌の応答」として、このやりとりの句が書いてあるから後で読んで、なーるほど、と思うけども。忘れないうちにもう一度見たいものだ。

 でも、こんな今からすれば難しいのを庶民が楽しんでいたんでしょうか・・・。人間は退化してるのか?? と思うと、たとえば江戸時代に武士がお能を尊び保護した(時に町人も見せてもらえたとか)そうだけど、「そんなお上品なことやってられるか」と徹底的に単純に笑いにしちゃう「掛け取り」みたいな発想が出ても不思議じゃないかも。

 「牛盗人」は最近見たのか?と思っていたら、なんと2006年。道理で裕基くんの雰囲気が、逞しさ3倍、という感じだと思った。実は「八句連歌」と「牛盗人」は、萬斎さんの「定位置」がほぼ同じで、表情がよく見えたこともあって、その顔つきの違いにものすごく驚いたのだった。それこそのどかに春めいた顔と、緊迫した鋭い顔。あんまりそんな風にとらえたことがなかったので(むしろ表情作りすぎ?なんてことを思ったときもあるし)、それぞれの演目、役から発する「気」の部分に、思いを致したりしたのだった。

 ところで、「牛盗人」では後見さんがミスったのか?という間があって、それも珍しいなという日だったけど、「成上り」「牛盗人」とも犯人に縄をかける場面があったのねー。

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コメント

お待ちしておりましたぁ(^-^)
まぁ、中正面1列目でらしたのですか。私は脇正面10列目に座りつつ、きっときびだんごさまも同じ空間にいらっしゃるのだろうなぁと想像しておりました。
「牛盗人」は私も万作師の藤吾三郎で以前に見ました。祐基くん、大きくなりましたねぇ。何の演目だったか忘れたけれど、後見についた深田さんが何度も台詞の最初の部分を教えてあげていたなんて時もあったのに。。
前回、40回記念の「歌仙」僧正遍昭の萬斎さんはめちゃめちゃりりしくて素敵でした(o^-^o)。ああいうお役は似合いますね。
今年は初めて「ざざん座」にも行く予定のからつぎでした。

投稿: からつぎ | 2009.03.22 17:22

からつぎさま
からつぎさまは脇正面でしたか! 裕基くん、声の力強さに、おおっという感じでした(1月の野村狂言座では小舞だけで、このところ声を聞いてなかったから余計そう思ったのかも)。

ところで、40回記念の公演をご覧になったのですね。今更ながら見られず残念。パンフレットの写真で我慢・・・でも、「歌仙」は今後レパートリーとして上演していく、とあったので、次の機会を楽しみに待つことにします。
「ざざん座」はどうも仕事とかぶりそうなのでパスしました。チラシを見て・・・「朝比奈」の高野さん、月崎さんを想像してムフフとなってます。楽しんでらしてくださいね。

投稿: きびだんご | 2009.03.22 18:30

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