« 昼の部はいささかくたびれた | トップページ | 文楽で見る「伊勢音頭」 »

2009.05.09

「海士」の美しさと激しさと

5月9日(土) 「国立能楽堂5月公演 普及公演」 13:00~

解説・能楽あんない龍女と宝珠」田中貴子 狂言・和泉流宗論」野村万蔵(浄土僧)、野村小三郎(法華僧)、荒井亮吉(宿の亭主) ・藤田次郎、小鼓・亀井俊一、大鼓・亀井忠雄 能・観世流海士 懐中之舞」シテ・角寛次朗、子方・小早川康充、ワキ・宝生閑ほか ・藤田次郎、小鼓・亀井俊一、大鼓・亀井忠雄、太鼓・三島元太郎

 これはもう、野田秀樹「The Diver」があったからこそ見ようと思ったもの。秋には日本バージョンも上演されることだし。普及公演だから解説つきで、それが田中貴子さんだったのもポイント高かったかな。あ、日本版の出演者は、先月末の「葵上」を見に行ったとか(北村有起哉さんのブログ情報)。

 「あぜくら会」会員なのに、ネットでは売り切れていて買えず、やむなく「ぴあ」にて購入。でもあまり「ぴあ」なんぞで買う人は多くないのか、正面5列だったからヨシとしよう。ちなみに来月の普及公演も早々と売り切れなので、とりあえず「ぴあ」で中正面を確保している・・・。「石橋」(金剛流)なんだもん。

 さて田中貴子さんのお話は、なかなかわかりやすくて面白かった。・・・けど、あの舞台の上で一人ふつうに立って喋る、というのがなんか聞いてて落ち着かないんですけど(いつもだと思うけど)。&簡単なレジメでもあればいいのになぁ。あんまりメモを取りつつ、という感じでもなくて、どうもフンフンと思ったわりに右から左へ抜けてしまった。でも、「海士」じたいの解説の部分は、見る上ですごく役に立った。

 「宗論」には最初にお囃子が。お囃子の有無については知識なし(前に見た時はなかったと思うので)。ふだんあまり見ない万蔵-小三郎の組み合わせだけど、やっぱり浄土宗vs.法華宗のイメージがなんとなく反映されてる風で面白い。いろんな人で見るのがまた新鮮だねー。でもストーリーはけっこう忘れていて、ひたすらオチだけ覚えてる、みたいなのが我ながらどうも・・・。しかし狂言(や落語)は、よく出家さんをからかう気がする。

 「海士」は上演時間95分とあって、少しおびえていたのだけれど、そんな長さは全く感じなかった。前シテの海士の気品ある美しさと、〈玉ノ段〉のドラマチックな激しさ(大鼓、小鼓がまた印象的)に引き込まれ、そして後シテ龍女で心落ち着く、という感じだった。ま、なんでこんなお能が作られたの?という方向へ走っていきそうなところもあるけど(子方・藤原房前の母は海士、彼の叔母=父・不比等の妹は唐の高宗の后。え?高宗といえば則天武后・・・などなどずんずんつながっていくんだもん)、それは田中先生に影響されてるのかな。終演後、使用した能面が何か入口に張り出してあったんだけど、後シテが泥眼というのしか覚えてない。調べると曲見か深井とのことなので、曲見だったのかな、どうしてこんなにすぐ忘れるんでしょう。

|

« 昼の部はいささかくたびれた | トップページ | 文楽で見る「伊勢音頭」 »

能・狂言」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 昼の部はいささかくたびれた | トップページ | 文楽で見る「伊勢音頭」 »