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2009.05.03

綺麗な菊ちゃんに眼福なり

5月2日(土) 「歌舞伎座さよなら公演 五月大歌舞伎 夜の部」初日 16:30~

「恋湊博多諷(こいみなと はかたの ひとふし) 毛剃」團十郎(毛剃九右衛門) 菊之助(傾城小女郎)、秀太郎(奥田屋お松)、藤十郎(小松屋宗七)ほか 「小猿七之助 御守殿お滝 夕立」菊五郎、時蔵 「神田ばやし」三津五郎(家主彦兵衛)、海老蔵(桶屋留吉)、梅枝(おみつ)、市蔵(おらく)ほか 「鴛鴦襖恋睦(おしの ふすま こいのむつごと) おしどり」菊之助、海老蔵、松緑

 3月、4月と、歌舞伎座への出演がなかった音羽屋が、やっと帰ってきましたっというところで、喜んで初日に行ってきた。しかーし、今月は昼夜とも私にはあまり馴染みのない演目が並んでいて、正直困ったのよね。で、綺麗な菊ちゃんに会うなら夜の部だな、と、ただそれだけの理由で、まずは夜の部へ。何ひとつ、今までに見たことがないものだった。

 フンパツした席は、1階7列の花道近く。ここで「毛剃」を見ていたら、藤十郎丈が海に落とされて這々の体で船に乗り助かる場面が、ほんとに間近! いつぞやの「娘道成寺」もこんなに近かったなぁ、などと変なところで思い出しちゃった。

 その「毛剃」。第1幕は船の上。けっこう團十郎の台詞があるんだけど、今ひとつ乗れない感じだったな。初日だからか、テンポというかリズムがね。でも、堂々たる存在感! それと対照的な藤十郎の優男ぶりがまた面白い。第2幕の博多の廓「奥田屋」とは剛vs.柔というところ。毛剃九右衛門の、なんともいえない大らかさは、ほんと團十郎でなくっちゃね。ちょっと滑稽だったりもして、肩の凝らない面白さ。あっ、これは近松作だったのか。

 「小猿七之助」という名前は落語で聞いたことがある(噺自体は聞いていない)。菊五郎と時蔵による清元の踊り。この2人だともうゆったり落ち着いて見てられるのよね。しかし清元は相変わらず何が何やら。

 「神田ばやし」は三津五郎が妙に老け役(とは言わない? 貫禄の家主さん)で、最初だれかと思ったよー。誰かと思ったといえば、市蔵の「隠居おらく」がもっとそうかな。でも、いろんな意味であんまり好みではない・・・。えっ? 私は「いいひと」が苦手なのかも。

 んでもって、最後の「旧・三之助」による踊りにうっとり見とれて、まずはめでたしめでたし。前半の遊女・喜瀬川(菊)、河津三郎(海老)、股野五郎(松)の相撲のくだりは長唄、後半、雌の鴛鴦の精(菊)、雄の鴛鴦の精(海老)、股野は常磐津で。鴛鴦の精の菊ちゃんがスッポンから上がってきてからは、前半の明るく楽しい雰囲気から一転。見た目にはもちろん綺麗なんだけど、悲しみとかうらみとか、そんなのが渦巻いてる感じでしたワ。

*「毛剃」の冒頭あたりで、團十郎の台詞にかぶる感じで、女性の大きな声が聞こえたんだけど、「成田屋」と言ったわけでもなかったみたい。なんだったの? 第2弾、3弾が来たらどうしよう、とおびえちゃった。それっきりでよかったよー。

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コメント

初日、行きたかったわ~。サッカーが14時からだと勘違いして初日は諦めたのだけど、あとで19時試合開始とわかって、くぅ~っ
初日なりのノリの悪さはあっても、あの雰囲気はやっぱりね。
旧・三之助の踊り--3日東京新聞13面のコラムで梅玉さんが、このことについて書かれています。会社にまだ残っていたら、お読みになってみてください。

投稿: SwingingFujisan | 2009.05.03 08:48

SwingingFujisanさま
そうそう、歌舞伎座の帰りに「本日Jリーグ開催のため」スタジアム最寄り駅に特急臨時停車、とのことで、そっか土曜日だ、なんて思ったんでした。が、SwingingFujisanさまが初日をさておいてサッカーだったとは。
「夕立」では、「ご両人っ」というかけ声がピッタリの雰囲気でした。お楽しみにね。
東京新聞情報、ありがとうございますm(_ _)m

投稿: きびだんご | 2009.05.03 09:17

またまたご一緒だったようです。
わたしは16列目で見ておりました(^^)

毛剃は初日というよりも團十郎さんのテンポだと思うので、場面転換などは多少テンポアップするものの、たぶんあのまま楽日まで行きそうな予感がいたします(^^; 

わたしもいい人苦手なので「神田ばやし」は、なんだかなぁ...でした

鴛鴦は後半の常磐津がしっとりしてて良かったですね。海老蔵さんは菊ちゃんと組んでいるときが一番気が楽そうです(^^)

投稿: kirigirisu | 2009.05.03 20:07

kirigirisuさま
きゃーん。10日ほど間を置いて、またもやご一緒とは(そして、帰りの東銀座駅でも「花よりも花の如く」読者の知人に声をかけられたのですよ)。
團十郎さんはああいう感じでしたねー。実は船が出た時点で、心が「十二夜」に行ってしまってた私です
「おしどり」海老蔵-菊之助ー松緑、ほんとに素敵 長生きしてずっとずっと見届けたいです~。

投稿: きびだんご | 2009.05.03 21:10

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