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2009.08.10

吉野作造って誰だっけ

8月10日(月) 「兄おとうと」 13:30~ 於・紀伊國屋サザンシアター

(こまつ座第88回公演・紀伊國屋書店提携) 作/井上ひさし 演出/鵜山仁 音楽/宇野誠一郎 出演/辻萬長(吉野作造)、剣幸(妻・玉乃)、大鷹明良(吉野信次)、高橋礼恵(妻・君代)、小嶋尚樹(青木ほか)、宮本裕子(勝江ほか) ピアニスト:朴勝哲

 ちょっと暇ができたので、まあ見てもいいかなという感じでいた「兄おとうと」へ。前回の「きらめく星座」から3ヶ月。やっぱり天王洲より新宿がいい。近いというだけじゃなくてね。20列(後ろから2列目)だけど、全体を見るのにはそんなに悪くない。私はここで「こまつ座」を見るのは3回目くらいかと思うけど、いっつもこのあたりから見てるみたい。

 なので、出演者の表情などはよく見えなかったけど、それでも(それだからこそ?)見つけられることどももあるのかもしれない。

 「兄おとうと」は2003年、2006年に続いての上演。2幕ものになったのは前回からとのこと。吉野作造・信次の兄弟を描いているんだけど、吉野作造ってどんな人だっけ。即座に「民本主義」という言葉だけは浮かぶんだけど、答案を書くみたいなもので、そこから先、何も出てこない私。

 オープニングの歌で、兄弟を紹介していて(弟は2回も大臣を務めたのか)、お芝居はそこで歌われるように、兄弟が一緒にマクラを並べて寝たたった5回しかない日を順に描き出していく。1回ごとに、どんどん兄弟の間は遠くなってるんだよねー。で、その5つの場面で、小嶋尚樹、宮本裕子の2人が、ある時はお坊ちゃままたある時は右翼、説教強盗・・・ある時は女中、またある時は袁世凱の娘、説教強盗をする夫婦者・・・変幻自在。狂言回しのような役でもあり、楽しかった。宮本裕子がキュートで軽やかで。いっぽう、吉野兄弟の妻たち(こちらも実は姉妹)は、しっかりものでやっぱり大らかな母性を感じる(このあたり「きらめく星座」の愛華みれさんを思い出す)。

 時代的には日露戦後から満州事変の翌年あたりまで。最後にさりげなく語られる、小嶋尚樹と宮本裕子が演じた兄妹(兄は東京の下町で工場を営む。妹は大連へ渡って怪しいマダム)のその後が、戦争の8月を否応なく想起させる。

 ピアノと歌のシンプルな楽しい音楽が、すごく合ってて楽しかった。特に「天津」が振付ともども気に入っちゃった。

 次回作は新作の「組曲虐殺」で、小林多喜二を描いたものらしいんだけど、このタイトルで腰が引けちゃう私がダメダメなのはよーくわかってます。

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コメント

あ、やっぱりいらしたのですね
私は前回の公演を見たので、今月はスケジュールも厳しいし、涙をのんでパス。萬長オジサンの顔もしばらく見ていないし、芝居としても面白いから未だ後ろ髪を引かれる思いなんだけど…。

大らかな母性って、井上ひさしの理想なのかな。自分のおかあさんがそうだった、とか。

吉野作造(あら、作もつくる、造もつくる、だわ)って、むか~し教科書に出ていたような気がするけれど--民本主義ね、私もそこから先は何も浮かんできません。

あ~、きびだんご様のレポ拝読したら、たまらなく見たくなってきちゃいました 

投稿: SwingingFujisan | 2009.08.11 13:36

SwingingFujisanさま
某所から誘いが飛び込んだので(実は待ってた)、声をかけようかなとも思ったのですが、たぶん歌舞伎&歌舞伎の時期だろうと、自粛したのです。ストレートプレイの再演、3演・・・は、よほど吸引力がないと(絶対に見たい役者さんとか)、他のものに負けちゃいますよね。私は今回が初めてだったから、ほんと新鮮で楽しかったです。説明的なところもあまり感じなかったし。
実は、吉野作造と田中正造がごっちゃになってたことを、告白いたしますわ 「造」の一字が同じだけなのに、なんてこった。

投稿: きびだんご | 2009.08.11 22:25

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